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ただいま、バイト募集中!!

ただいま、バイト募集中!!4

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 ミノタウロスは恐ろしいスピードで追ってくる。そして、当たれば即死の攻撃を繰り返す。運が良いことに、当たらない。それだけが、ラッキーだった。
 それでも、また俺は壁際に追い込まれる。
 もう、逃げ場はない。さっきみたいに壁に石斧が刺さらない限り……。
 いや、待てよ……。
 今までのミノタウロスの行動を考えろ。地面に石斧が刺さった時はどうなった?壁に刺さった時はどうなった?ミノタウロスは確実に石斧を抜く作業をする。石斧を置いて俺を追いかける事はしなかった……。
 これは逆にチャンスだ!!石斧が地面や壁に刺されば、ミノタウロスは石斧を抜く事に一生懸命になる。ミノタウロスも牛系のモンスターのはず。イリア曰わく、牛系モンスターの弱点は眉間。そこさえ、突ければ!その時に、ミノタウロスの眉間を貫ければ……!!
 俺は剣を構える。
 これはピンチじゃない。チャンスだ!!俺がミノタウロスを仕留めれる唯一のチャンスだ!!!
 「『必中』!!!」
 ミノタウロスは狙い通りに石斧を壁に突き刺した!
 ミノタウロスは石斧を抜く事に集中して、隙だらけになる。
 よし!今だ!!
 俺は、ミノタウロスの眉間目掛けて、剣を突き刺す。
 やった!ミノタウロスの眉間に剣は届いた!!
 よし!!勝った!!!
 そう思った瞬間、剣は……パキン!と絶望の音を立てて折れた。ミノタウロスの皮膚に俺の剣は負けた?!
 そ、そんな?!
 ミノタウロスは石斧を抜き、取り再び俺に襲いかかる。
 「『石ツブテ』!!」
 石ツブテを唱え、ミノタウロスに向けて全力で投げる。
 石ツブテはミノタウロスに直撃する。しかし、石ツブテは呆気なく砕ける。ダメージも与える事が出来ていない!
 くそ!くそ!くそ!!
 「『石ツブテ!石ツブテ!!石ツブテ!!!』」
 俺は石ツブテを連続で唱え投げ続ける。
 ミノタウロスは怯む事すらしない。
 あっ!そうだ!!ダガー!!凄い切れ味だと、オーフェンが言っていたダガーがある!!
 俺は腰に手をやる。
 しかし、無い!!最後の希望だったはずの、ダガーが無い!!
 俺は安全だと思われたのか、ミノタウロスは静かにゆっくりとこちらに近づいて来る。
 確実に、このままだと死ぬ。
 逃げろ!階段さえ見つけれたら上に逃げられる!上に!上に!!
 また、隙をついて逃げれば……。今度は攻撃じゃなくて、逃げれば……。
 そして、石斧だけを警戒していた俺は、不意に繰り出された蹴りに反応が遅れた。
 鈍い衝撃が身体を襲う。俺はサッカーポールのように転がって行く。
 ぐはっ!
 口から血が溢れ出す。
 くそ!
 蹴り一撃で身体が悲鳴を上げてやがる。まともに動こうとしない!!
 これは終わったな……。
 イリアの言うようにちゃんと休みにしとけば良かったな。
 謝る事も出来なかった。
 時間さえ稼げれば、イリアが……誰かが……助けてくれるかと思ったけど、やはりそんなに都合よく、上手くはいかないな……。
 俺は死を覚悟した。
 ミノタウロスの石斧が振りかざされる。
 不適に笑ったように見えた、ミノタウロスの一撃が俺を捉えようとした……次の瞬間、銀色の光が一閃。ミノタウロスの攻撃を弾き飛ばす。
 だ、誰?!イ、イリア?!
 
 
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