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ギルドとダンジョンと……
ギルドとダンジョンと……8
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俺達はギルドへ戻り、依頼の品の納品と魔石の換金をおこなった。クエスト完了である。
今回のクエスト報酬:1000エルウォン。
魔石換金:100530エルウォン。
じゅ、十万!?クエスト報酬が1000エルウォンなのに?!十万!!
「ゴールデン大ニワトリの魔石なので高額なのですよ。大ニワトリと比べて大きさも桁違いでしたでしょう?かなりのレア種なので高額なのです。」
イリアは嬉しそうに言う。
「初クエストクリアー、おめでとうございます。ヤマト様、イリア様……。」
アリシアさんは拍手をしながら俺達の前に現れ、そして、俺の格好を見るなり顔を赤くして、横を向いた。
「ヤ、ヤマト様。何故、そのような格好を?こ、これを羽織って下さい。」
アリシアさんは、慌てて掛けてあった男物のローブを持ってくる。
そう。俺の今の格好はイリアが貸してくれたローブを腰に巻いただけだった。
だって、レザーアーマーにマジカルマントもイリアの魔法で焼失してしまったんだもん。もちろん、全身火傷をしていたくらいだし、服なんか無い。エルフは案外、こういう所は純情なのか?あっ、ゲームとかアニメではそうだったような。
「ありがとうございます。アリシアさん」
「もう!本当に気をつけてくださいよ!!……それにしても、凄いですね。初クエストでゴールデン大ニワトリに遭遇。そして、それを倒してしまわれるとは……。それはそうと、ギルドカードの更新はお済みですか?」
「更新?いえ?まだですけど??」
「あ~。やはりお伝えするのを忘れてしまっていましたか……。ギルドカードは更新しないと、レベルとステータスが反映されないのです。戦って、強くなった。という実感は全くありませんでしょう?」
そういわれれば、確かにない。レベルアップしましたよ!という音も音楽も鳴らなければ、上がったという実感もない。
「確かにありませんね。」
「それでは、更新を致しましょう。私にギルドカードをお預け下さい。」
そう言い、アリシアさんは俺達のギルドカードを受け取り奥へ引っ込んで行った。そして、直ぐに戻ってくる。
「今度はクエスト完了報告と一緒に出して下さいね。」
アリシアさんはそう言い、ギルドカードを俺達に返してくれた。
ギルドカードを受け取った瞬間。ギルドカードは光り、身体に力がみなぎるような気がした。
俺とイリアはギルドカードを確認する。
レベル15
ステータス 力50、魔力0、敏捷100、耐久200、器用60、運200 SP50
ええ?!すげぇ上がってない??耐久と運が200に!!お?!SPってスキルポイント?スキルポイントってのも結構貯まっているのかも?!
「「素晴らしいです!ヤマト様!!」」
俺のギルドカードを覗き込んだ、イリアとアリシアさんの言葉が重なった。
「耐久や敏捷の上がり方も素晴らしいですが、運の上がり方が凄過ぎます。本来、運はそんなに上がる事がないのですよ。しかも、200ある冒険者なんてそんなに居ないと思います!どうやったらこんなに!!」
アリシアさんは興奮する。
そ、そう?そんなに俺って凄いの??て、照れちゃうんだけど??
俺は照れながら、イリアのギルドカードを見せて貰う。
あれ?イリアのギルドカードは変わりがない。SPって項目もない。あれだけ大ニワトリを撲殺したのに、レベルすら上がっていない。
「なあ。SPってのがイリアには無いが?どういうことなんだ?」
「あっ、説明してませんでしたね。それはですね。ギルドカードを登録してからレベルが上がっていないせいです。」
アリシアさんが俺の質問に答える。
ん?それって、どういうこと??
「どうしてなんだ?」
「ヤマト様とイリア様の場合だと少し違いますが、SP(スキルポイント)はレベルが上がらないと入手できません。なのでレベル1だと表示する必要がないので表示されないだけです。本来なら、SPの他にMP(魔法ポイント)というのが表示されるようになるのですが、ヤマト様は魔法が使えないので表示されません。(……まじウケる~。ぷ~くすくす。)」
あ、こいつ!また俺を馬鹿にしやがったな!!
アリシアさんの表情は見ると直ぐに分かる。でも、イリアって凄いんだな。
俺の表情を見て察したのかイリアが答える。
「私には、あまり経験値として反映されなかったのでしょう。倒したモンスターも、大ニワトリとゴールデン大ニワトリだけですから。私がこれまで王宮魔術師として培った経験からすれば妥当だと思われます。」
「そうですね。ギルドに登録する前の経験や力は反映されますからね。イリア様にはあまり反映されなかったというのも頷けます。」
そうなのか。王宮魔術師だったイリアの事は俺、知らないからな……。
「ヤマト様。ヤマト様はスキル発現していませんか?それと就ける職業は?」
イリアはもう一度、俺のギルドカードを覗き込む。それを聞いて、アリシアさんもまた同じように覗き込む。
そうだ。スキルや職業もあったんだ。
「どうやって、調べるの?」
俺の問いにアリシアさんは答える。
「この、ジョブかスキルと書かれている所を、指でタップしてください。」
言われるままに、ジョブと書いてある所をタップする。すると、空中にモニターのような物が映し出された。
まじか?!ハイテクじゃね?
「そうしたら、映し出された項目をタップしてあげればいいです。元に戻す時は二回連続でタップしてください。」
なるほど、なるほど。スマホみたいな感覚ね。
まず、職業を……。あれ?冒険者見習いか、駆け出し冒険者しかない。
「(まぁ……魔力0ですからね……。就ける職業あまりありませんよね……。)」
また、何気にぼそりとアリシアさんが言ったような……。
とりあえず、駆け出し冒険者にジョブチェンジしよう。
「駆け出し冒険者をタップすればいいのか?」
「はい。そうです。」
アリシアさんは答える。
それでは、ジョブチェンジ!
ん?何も変わんないな??戦闘になると変わるのかな??
次はスキル。
『必中』それに『石ツブテ』……ん??『石ツブテ』ってなんだ??
「イリア、アリシアさん。この必中というのは、だいたい分かるんだけど、この石ツブテって何か分かる?」
イリアもアリシアさんも考え込む。
「必中はよくあるスキルなんですよ。エルフは弓が得意な方が多いので、ご想像の通りのスキルだと思います。ただ、石ツブテは初めて聞きました。どんなスキルなんでしょう?駆け出し冒険者の方も沢山拝見して参りましたけど……。」
「私も初めて聞くスキルです。ヤマト様が人間だから出来るスキルなんでしょうか?」
アリシアさんとイリアはまた考え込む。
「レベルの低い俺が使えるくらいだから、たいしたものではないだろう。ちょっと、外に出て試してみるわ。」
俺は、スキルポイントを消費し、『必中』と『石ツブテ』を習得した。ちなみに『必中』は5ポイント。『石ツブテ』は45ポイントも消費した。
そして、ギルドの外に出た。それを二人は追ってくる。
「スキルはどうやって発動するんだ?」
俺の問いにイリアが答える。
「言葉にして下さい。魔法なら少なからず詠唱が必要な事が多いですけど、スキルはその名を意志を込め、言葉にして発すれば大丈夫てす。」
「意志を込める?なんかよく分からんが……よし!分かった。いくぞ!」
俺の言葉に、イリアとアリシアさんは固唾を飲む。
「『石ツブテ』!!」
あれ?何も起きない……。
イリアとアリシアさんは驚いて言葉を出せないでいる。
俺はもう一度唱えた。
「『石ツブテ』!!!」
何も起きなかった。いや、正確には気がつかなかった。俺の手の中には重量のない。不思議な石が両手に握られていた。
それを見た二人は、声を殺そうと我慢していたようだが、堪えきれずに大声で笑い始めた。
「ちょっ!なんですか?!そのスキル?!あははは、石が出てくるだけ?!あはははは、可笑しすぎます!!」
「わ、笑い過ぎですよ。イリア。あはははは!!」
「アリシアこそ~。あはははは。」
……。
帰ろう。
笑っている二人を置いて、俺は一人帰路についた。
そして、家に着いた。玄関先にはターニャさんの姿があった。
あっ。うっかりしてた。鍵も渡してないし……中には入れないんだっけ。っていうか、ターニャさんもここに一緒に住むの?イリアの元家に帰るんじゃなかったか?
「すみません。ターニャさん。鍵も渡さず。これでは中に入れませんでしたね。」
とりあえず、俺はそうターニャさんに声を掛けた。
「いえ。それは構いません。私が帰るのは、
この場所ではありませんので……私は、あなたに用があったのでお待ちしてました。ヤマト様。少しよろしいでしょうか?」
ターニャさんはそう言い、俺を路地裏に呼ぶ。
ん?何だろう?話なら家の中で出来るだろうに?
俺は誘われるまま、ターニャさんの元へ近づいた。
と、次の瞬間。とてつもないスピードで壁ドンをされ、俺の喉元には、鋭いナイフが……。そして、殺意に満ちた目を向けながら一言言った。
「……おい。イリアお嬢様に、手を出してみろ。お前の首、直ぐに切り落としてやるからな。」
こ、この眼力!威圧感!!最初に感じた威圧感は勘違いじゃなかった!!
感じた悪寒なんかも、ターニャさんの仕業だったんだ!!
ひっ!ひぇぇぇ~!!壁ドンも速くて見えなかったけど、どこからナイフ出したの?!
何?何?!どういう事?!
「おい。分かったのか?分からないのか??どっちだ?」
ナイフは更に喉元に近付く。そして、じんわりと血が滲む。
「は、はい!わ、分かりました。イリアお嬢様には手を出しません!!」
俺がそう言うと、ターニャさんはナイフを収め、何事も無かったように去って行った。
こ、こえ~。ターニャさん、まじ、こえ~。イリアに手出したら、間違いなく殺されるわ……。少しだけ、何かないか期待していたけど……変な期待は抱かず、持たずでいこう。何かしたってバレたら、俺の命ないわ。俺はそう思った。
今回のクエスト報酬:1000エルウォン。
魔石換金:100530エルウォン。
じゅ、十万!?クエスト報酬が1000エルウォンなのに?!十万!!
「ゴールデン大ニワトリの魔石なので高額なのですよ。大ニワトリと比べて大きさも桁違いでしたでしょう?かなりのレア種なので高額なのです。」
イリアは嬉しそうに言う。
「初クエストクリアー、おめでとうございます。ヤマト様、イリア様……。」
アリシアさんは拍手をしながら俺達の前に現れ、そして、俺の格好を見るなり顔を赤くして、横を向いた。
「ヤ、ヤマト様。何故、そのような格好を?こ、これを羽織って下さい。」
アリシアさんは、慌てて掛けてあった男物のローブを持ってくる。
そう。俺の今の格好はイリアが貸してくれたローブを腰に巻いただけだった。
だって、レザーアーマーにマジカルマントもイリアの魔法で焼失してしまったんだもん。もちろん、全身火傷をしていたくらいだし、服なんか無い。エルフは案外、こういう所は純情なのか?あっ、ゲームとかアニメではそうだったような。
「ありがとうございます。アリシアさん」
「もう!本当に気をつけてくださいよ!!……それにしても、凄いですね。初クエストでゴールデン大ニワトリに遭遇。そして、それを倒してしまわれるとは……。それはそうと、ギルドカードの更新はお済みですか?」
「更新?いえ?まだですけど??」
「あ~。やはりお伝えするのを忘れてしまっていましたか……。ギルドカードは更新しないと、レベルとステータスが反映されないのです。戦って、強くなった。という実感は全くありませんでしょう?」
そういわれれば、確かにない。レベルアップしましたよ!という音も音楽も鳴らなければ、上がったという実感もない。
「確かにありませんね。」
「それでは、更新を致しましょう。私にギルドカードをお預け下さい。」
そう言い、アリシアさんは俺達のギルドカードを受け取り奥へ引っ込んで行った。そして、直ぐに戻ってくる。
「今度はクエスト完了報告と一緒に出して下さいね。」
アリシアさんはそう言い、ギルドカードを俺達に返してくれた。
ギルドカードを受け取った瞬間。ギルドカードは光り、身体に力がみなぎるような気がした。
俺とイリアはギルドカードを確認する。
レベル15
ステータス 力50、魔力0、敏捷100、耐久200、器用60、運200 SP50
ええ?!すげぇ上がってない??耐久と運が200に!!お?!SPってスキルポイント?スキルポイントってのも結構貯まっているのかも?!
「「素晴らしいです!ヤマト様!!」」
俺のギルドカードを覗き込んだ、イリアとアリシアさんの言葉が重なった。
「耐久や敏捷の上がり方も素晴らしいですが、運の上がり方が凄過ぎます。本来、運はそんなに上がる事がないのですよ。しかも、200ある冒険者なんてそんなに居ないと思います!どうやったらこんなに!!」
アリシアさんは興奮する。
そ、そう?そんなに俺って凄いの??て、照れちゃうんだけど??
俺は照れながら、イリアのギルドカードを見せて貰う。
あれ?イリアのギルドカードは変わりがない。SPって項目もない。あれだけ大ニワトリを撲殺したのに、レベルすら上がっていない。
「なあ。SPってのがイリアには無いが?どういうことなんだ?」
「あっ、説明してませんでしたね。それはですね。ギルドカードを登録してからレベルが上がっていないせいです。」
アリシアさんが俺の質問に答える。
ん?それって、どういうこと??
「どうしてなんだ?」
「ヤマト様とイリア様の場合だと少し違いますが、SP(スキルポイント)はレベルが上がらないと入手できません。なのでレベル1だと表示する必要がないので表示されないだけです。本来なら、SPの他にMP(魔法ポイント)というのが表示されるようになるのですが、ヤマト様は魔法が使えないので表示されません。(……まじウケる~。ぷ~くすくす。)」
あ、こいつ!また俺を馬鹿にしやがったな!!
アリシアさんの表情は見ると直ぐに分かる。でも、イリアって凄いんだな。
俺の表情を見て察したのかイリアが答える。
「私には、あまり経験値として反映されなかったのでしょう。倒したモンスターも、大ニワトリとゴールデン大ニワトリだけですから。私がこれまで王宮魔術師として培った経験からすれば妥当だと思われます。」
「そうですね。ギルドに登録する前の経験や力は反映されますからね。イリア様にはあまり反映されなかったというのも頷けます。」
そうなのか。王宮魔術師だったイリアの事は俺、知らないからな……。
「ヤマト様。ヤマト様はスキル発現していませんか?それと就ける職業は?」
イリアはもう一度、俺のギルドカードを覗き込む。それを聞いて、アリシアさんもまた同じように覗き込む。
そうだ。スキルや職業もあったんだ。
「どうやって、調べるの?」
俺の問いにアリシアさんは答える。
「この、ジョブかスキルと書かれている所を、指でタップしてください。」
言われるままに、ジョブと書いてある所をタップする。すると、空中にモニターのような物が映し出された。
まじか?!ハイテクじゃね?
「そうしたら、映し出された項目をタップしてあげればいいです。元に戻す時は二回連続でタップしてください。」
なるほど、なるほど。スマホみたいな感覚ね。
まず、職業を……。あれ?冒険者見習いか、駆け出し冒険者しかない。
「(まぁ……魔力0ですからね……。就ける職業あまりありませんよね……。)」
また、何気にぼそりとアリシアさんが言ったような……。
とりあえず、駆け出し冒険者にジョブチェンジしよう。
「駆け出し冒険者をタップすればいいのか?」
「はい。そうです。」
アリシアさんは答える。
それでは、ジョブチェンジ!
ん?何も変わんないな??戦闘になると変わるのかな??
次はスキル。
『必中』それに『石ツブテ』……ん??『石ツブテ』ってなんだ??
「イリア、アリシアさん。この必中というのは、だいたい分かるんだけど、この石ツブテって何か分かる?」
イリアもアリシアさんも考え込む。
「必中はよくあるスキルなんですよ。エルフは弓が得意な方が多いので、ご想像の通りのスキルだと思います。ただ、石ツブテは初めて聞きました。どんなスキルなんでしょう?駆け出し冒険者の方も沢山拝見して参りましたけど……。」
「私も初めて聞くスキルです。ヤマト様が人間だから出来るスキルなんでしょうか?」
アリシアさんとイリアはまた考え込む。
「レベルの低い俺が使えるくらいだから、たいしたものではないだろう。ちょっと、外に出て試してみるわ。」
俺は、スキルポイントを消費し、『必中』と『石ツブテ』を習得した。ちなみに『必中』は5ポイント。『石ツブテ』は45ポイントも消費した。
そして、ギルドの外に出た。それを二人は追ってくる。
「スキルはどうやって発動するんだ?」
俺の問いにイリアが答える。
「言葉にして下さい。魔法なら少なからず詠唱が必要な事が多いですけど、スキルはその名を意志を込め、言葉にして発すれば大丈夫てす。」
「意志を込める?なんかよく分からんが……よし!分かった。いくぞ!」
俺の言葉に、イリアとアリシアさんは固唾を飲む。
「『石ツブテ』!!」
あれ?何も起きない……。
イリアとアリシアさんは驚いて言葉を出せないでいる。
俺はもう一度唱えた。
「『石ツブテ』!!!」
何も起きなかった。いや、正確には気がつかなかった。俺の手の中には重量のない。不思議な石が両手に握られていた。
それを見た二人は、声を殺そうと我慢していたようだが、堪えきれずに大声で笑い始めた。
「ちょっ!なんですか?!そのスキル?!あははは、石が出てくるだけ?!あはははは、可笑しすぎます!!」
「わ、笑い過ぎですよ。イリア。あはははは!!」
「アリシアこそ~。あはははは。」
……。
帰ろう。
笑っている二人を置いて、俺は一人帰路についた。
そして、家に着いた。玄関先にはターニャさんの姿があった。
あっ。うっかりしてた。鍵も渡してないし……中には入れないんだっけ。っていうか、ターニャさんもここに一緒に住むの?イリアの元家に帰るんじゃなかったか?
「すみません。ターニャさん。鍵も渡さず。これでは中に入れませんでしたね。」
とりあえず、俺はそうターニャさんに声を掛けた。
「いえ。それは構いません。私が帰るのは、
この場所ではありませんので……私は、あなたに用があったのでお待ちしてました。ヤマト様。少しよろしいでしょうか?」
ターニャさんはそう言い、俺を路地裏に呼ぶ。
ん?何だろう?話なら家の中で出来るだろうに?
俺は誘われるまま、ターニャさんの元へ近づいた。
と、次の瞬間。とてつもないスピードで壁ドンをされ、俺の喉元には、鋭いナイフが……。そして、殺意に満ちた目を向けながら一言言った。
「……おい。イリアお嬢様に、手を出してみろ。お前の首、直ぐに切り落としてやるからな。」
こ、この眼力!威圧感!!最初に感じた威圧感は勘違いじゃなかった!!
感じた悪寒なんかも、ターニャさんの仕業だったんだ!!
ひっ!ひぇぇぇ~!!壁ドンも速くて見えなかったけど、どこからナイフ出したの?!
何?何?!どういう事?!
「おい。分かったのか?分からないのか??どっちだ?」
ナイフは更に喉元に近付く。そして、じんわりと血が滲む。
「は、はい!わ、分かりました。イリアお嬢様には手を出しません!!」
俺がそう言うと、ターニャさんはナイフを収め、何事も無かったように去って行った。
こ、こえ~。ターニャさん、まじ、こえ~。イリアに手出したら、間違いなく殺されるわ……。少しだけ、何かないか期待していたけど……変な期待は抱かず、持たずでいこう。何かしたってバレたら、俺の命ないわ。俺はそう思った。
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