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ギルドとダンジョンと……
ギルドとダンジョンと……6
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一羽倒して少し慣れたのか、後は簡単だった。
正直、自分でも驚いているくらい、生き物を殺すという罪悪感や恐怖は全くなく。最初、あんなにビビっていた事が嘘のようだった。まあ、倒してガッツポーズがとれた時点で罪悪感は無かったのかも知れない。血が出なかった事も影響しているかも知れないが……。
とにかく、大ニワトリを二羽、俺が倒しただけで、アイテムはドロップし、クエスト達成だ!これも運の成せる技なのかな?案外、運が高いというのは良いことかもしれんなぁ。
下の階に移動して行くものだと思っていたが、階層は移動する事もなく、大ニワトリ以外のモンスターを見ることもなく、コーエンの洞窟。階層はそのまま二階。クエストを終えた俺達は戻る事にした。俺の手には、イリアが倒して運良く一羽だけ食材になった、大ニワトリを含めて、三羽の大ニワトリが握られている。
「思いのほか、早く終わりましたね。ヤマト様の順応ぶりには驚きましたが、どうでした?初クエストは??」
横を歩くイリアは俺の感想を興味深そうに待っている。
「ん~。正直、ビビったね。最初は。養殖場で見た大ニワトリはあんなに可愛かったのに、ダンジョンの大ニワトリは恐ろしかった。なんの躊躇もなく攻撃してくるしさ。」
俺の答えに、イリアは満足そうに頷く。
「ふふふ。そうでしょう?そうでしょう??私の言った通り、ダンジョンは恐ろしい所でしょう?だから、お金が貯まったらレア食材調達以外はあまりダンジョンには潜らないようにしましょうね。ヤマト様。わざわざ、危険な目に自らあいに行く必要はないのです。」
「なんだ?お前??もしかして、最初から養殖場から仕入れる方が遥かに安全だって分からせるように、養殖場に連れて行って、大ニワトリのクエストをワザと受けたのか?」
「すみません。その通りです。ヤマト様には口で言うより体験して頂いた方が分かってもらえると思って……。」
「何だよそれ……。何もかもイリアの思い通りかよ。」
俺の言葉に一瞬イリアはシュンとしたが、俺の微笑んだ表現を見て怒っていないことが分かったのか、微笑んだ。
まあ、本来は店を開く事が目標だからな。危険な事は出来れば避けたい。でも、楽しくなかったか?と言うと、どうだろう?ワクワクした。これが答えなのかもしれない。
そんな事を考えていると、視線の先に光る物が目に入ってきた。
「あれ?イリア??魔石取り残してる?」
俺は少し先の地面にある、少し大きな光る物を指差して言った。
「いえ?取り残したつもりはないですけど……。」
「ははは。きっと、取り忘れているんだよ。」
俺はそう言い、魔石を取ろうと手を伸ばした。
「ヤマト様!危ない!!避けて!!!」
イリアの声に俺は伸ばした手を引っ込めて、後ろへ飛んだ。その瞬間、地面は割れ、金色の大ニワトリが飛び出してきた。
イリアは俺に駆け寄る。
「ヤマト様。お怪我は??」
「ああ。大丈夫。だけど、あれは何だ!?」
「ゴールデン大ニワトリです。」
「ゴールデン大ニワトリ?!」
「はい!レア種です!!自分の輝くくちばしを魔石に見たて、それを取ろうとした者を地中から襲う頭の良いモンスターです。食材は穫れませんが、運が良ければレアアイテムをドロップ出来ます。魔石の大きさも普通の大ニワトリの比ではありません。」
『ゴゲー!ゴゲゴゲゴゲーーーー!!』
ゴールデン大ニワトリは、仕留め損ねた事に腹を立てたのか、羽を広げ威嚇し始めた。
その声に俺は大ニワトリには感じなかった悪寒を感じる。
「……ねえ?イリアさん??凄く強そうなんですけど??」
「はい。ここのヌシよりも強力で、今のヤマト様では太刀打ち出来ないと思われます。」
え?やっぱり??なら、俺はどうすれば??
「お前、そう言う言いにくそうな事はズバズバ言うのな。で、俺はどうすれば?」
「仕方ないじゃないですか?曖昧にしていい答えではありませんし……。お嫌いですか??」
「いや。嫌いじゃないぜ。そっちの方が分かりやすい。」
イリアは嬉しそうに笑って言う。
「私が魔法でやります。その詠唱時間を稼いで下さい。瀕死になるくらいの威力で打ちますので、出来ればヤマト様。ヤマト様がトドメを刺して下さい。私が倒すより、ヤマト様が倒した方がドロップアイテムをゲット出来るチャンスが増えると思われますから。運のない私よりは……。では、お願いします!」
イリアは、体勢を整える。
ええ~い!どうにでもなれ!!
俺は駆け出し、ゴールデン大ニワトリに切りかかる。
よし!とった!!
ゴールデン大ニワトリの首へ一太刀。しかし、刃が入っていかない?!
ちっぃ!レベル差と言うやつか?!トドメなんて刺せねぇよ??これじゃあ!!
俺の攻撃に安心したのか、ゴールデン大ニワトリはまた羽を広げた。
正直、自分でも驚いているくらい、生き物を殺すという罪悪感や恐怖は全くなく。最初、あんなにビビっていた事が嘘のようだった。まあ、倒してガッツポーズがとれた時点で罪悪感は無かったのかも知れない。血が出なかった事も影響しているかも知れないが……。
とにかく、大ニワトリを二羽、俺が倒しただけで、アイテムはドロップし、クエスト達成だ!これも運の成せる技なのかな?案外、運が高いというのは良いことかもしれんなぁ。
下の階に移動して行くものだと思っていたが、階層は移動する事もなく、大ニワトリ以外のモンスターを見ることもなく、コーエンの洞窟。階層はそのまま二階。クエストを終えた俺達は戻る事にした。俺の手には、イリアが倒して運良く一羽だけ食材になった、大ニワトリを含めて、三羽の大ニワトリが握られている。
「思いのほか、早く終わりましたね。ヤマト様の順応ぶりには驚きましたが、どうでした?初クエストは??」
横を歩くイリアは俺の感想を興味深そうに待っている。
「ん~。正直、ビビったね。最初は。養殖場で見た大ニワトリはあんなに可愛かったのに、ダンジョンの大ニワトリは恐ろしかった。なんの躊躇もなく攻撃してくるしさ。」
俺の答えに、イリアは満足そうに頷く。
「ふふふ。そうでしょう?そうでしょう??私の言った通り、ダンジョンは恐ろしい所でしょう?だから、お金が貯まったらレア食材調達以外はあまりダンジョンには潜らないようにしましょうね。ヤマト様。わざわざ、危険な目に自らあいに行く必要はないのです。」
「なんだ?お前??もしかして、最初から養殖場から仕入れる方が遥かに安全だって分からせるように、養殖場に連れて行って、大ニワトリのクエストをワザと受けたのか?」
「すみません。その通りです。ヤマト様には口で言うより体験して頂いた方が分かってもらえると思って……。」
「何だよそれ……。何もかもイリアの思い通りかよ。」
俺の言葉に一瞬イリアはシュンとしたが、俺の微笑んだ表現を見て怒っていないことが分かったのか、微笑んだ。
まあ、本来は店を開く事が目標だからな。危険な事は出来れば避けたい。でも、楽しくなかったか?と言うと、どうだろう?ワクワクした。これが答えなのかもしれない。
そんな事を考えていると、視線の先に光る物が目に入ってきた。
「あれ?イリア??魔石取り残してる?」
俺は少し先の地面にある、少し大きな光る物を指差して言った。
「いえ?取り残したつもりはないですけど……。」
「ははは。きっと、取り忘れているんだよ。」
俺はそう言い、魔石を取ろうと手を伸ばした。
「ヤマト様!危ない!!避けて!!!」
イリアの声に俺は伸ばした手を引っ込めて、後ろへ飛んだ。その瞬間、地面は割れ、金色の大ニワトリが飛び出してきた。
イリアは俺に駆け寄る。
「ヤマト様。お怪我は??」
「ああ。大丈夫。だけど、あれは何だ!?」
「ゴールデン大ニワトリです。」
「ゴールデン大ニワトリ?!」
「はい!レア種です!!自分の輝くくちばしを魔石に見たて、それを取ろうとした者を地中から襲う頭の良いモンスターです。食材は穫れませんが、運が良ければレアアイテムをドロップ出来ます。魔石の大きさも普通の大ニワトリの比ではありません。」
『ゴゲー!ゴゲゴゲゴゲーーーー!!』
ゴールデン大ニワトリは、仕留め損ねた事に腹を立てたのか、羽を広げ威嚇し始めた。
その声に俺は大ニワトリには感じなかった悪寒を感じる。
「……ねえ?イリアさん??凄く強そうなんですけど??」
「はい。ここのヌシよりも強力で、今のヤマト様では太刀打ち出来ないと思われます。」
え?やっぱり??なら、俺はどうすれば??
「お前、そう言う言いにくそうな事はズバズバ言うのな。で、俺はどうすれば?」
「仕方ないじゃないですか?曖昧にしていい答えではありませんし……。お嫌いですか??」
「いや。嫌いじゃないぜ。そっちの方が分かりやすい。」
イリアは嬉しそうに笑って言う。
「私が魔法でやります。その詠唱時間を稼いで下さい。瀕死になるくらいの威力で打ちますので、出来ればヤマト様。ヤマト様がトドメを刺して下さい。私が倒すより、ヤマト様が倒した方がドロップアイテムをゲット出来るチャンスが増えると思われますから。運のない私よりは……。では、お願いします!」
イリアは、体勢を整える。
ええ~い!どうにでもなれ!!
俺は駆け出し、ゴールデン大ニワトリに切りかかる。
よし!とった!!
ゴールデン大ニワトリの首へ一太刀。しかし、刃が入っていかない?!
ちっぃ!レベル差と言うやつか?!トドメなんて刺せねぇよ??これじゃあ!!
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