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第10話
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ガシャン……ティーカップが床に落ち砕ける鋭い音がした。ついにその重さに耐えかねたメイドはティーカップを取り落とした。しかし、メイド自身には、それが遠くから聞こえて来る様な、くぐもった音にしか聞こえなかった。
「こ、これは……まさか……」
ここに至りメイドは自身に身に起こった事を理解した。
逃げなければ……。
朦朧とする意識の中、メイドはすぐに立ち上がろとした。
しかし、その瞬間、緩慢にメイドの体を侵していた薬が一気にその効果を進めた。
ソファーからわずかに腰を上げたメイドは、足から崩れ落ちる様にそのまま床に倒れ込んだ。
消えゆく意識の中、最後にメイドが見たのは……先ほどまでの人懐っこい表情ではなく、にやにやと薄気味悪い笑みを浮かべ舌なめずりしながら見下ろす男の顔だった。
最初に感じたのは、まるでそこを虫が這い回るかの様なおぞましい感覚だった。
両胸にそんな嫌悪感を覚えるのと同時に、少しづつ意識が戻って来た。
まだ深い霧が掛かっているかの様ではあるが、何かがぼんやりと見え始めた。
「はぁ……はぁ……ついに手に入れたぞ……」
遠くから、荒い息遣いと共に声が聞こえた。
「珍しい黒髪と黒い瞳の国家公認万能メイド。
言っていた様に確かに顔に火傷の痕はある。
もしなければまさに『絶世の美女』だが、
気持ちが萎える程酷い訳じゃない。
むしろ、これはこれで適度なスパイスじゃないか」
その言葉はどうやら自分の事を言っている様だ、メイドは咄嗟に思った。
その瞬間、メイドの意識が急激にはっきりし始めた。
同時に、自身が意識を失う前の状況が頭の中に蘇って来た。
あの町長に胸を弄ばれている!
そう気づいたメイドはその男の手を払いのけようとした。
ガチャ……しかし、金属同士が当たる音が聞こえると同時に自分の腕が頭の上の方で左右に広げられたまま動かなくなった。
「もう意識を取り戻したのか。
思ったより早かったな。
しかし抵抗しようとしても無駄だよ、美しい国家公認万能メイドさん。
君の両手両足は鎖でベッドに繋がれてる」
その胸をイヤラシイ手付きで弄びながら、口元に下卑た笑いを浮かべメイドを見下ろしながら男が言った。
メイドは思わず叫び声を上げ助けを呼ぼうとした。しかし、声は出ずただくぐもった声が漏れただけだった。同時に自分が今、口に何か木の様な物を無理やり咥えさせられている事に気がついた。もちろん男の言葉から分かる様に付けていた仮面も外されていた。
仮面を外されたメイドの顔の左半分には、メイドの言葉通り額から頬に掛けて火傷の痕があった。ただメイドが言う程『醜い』と言う訳ではなかった。確かにケロイド状の赤みがかった引き吊った皮膚が広がっていた。しかし、それ自体がかなり旧い物の様で、赤みはかなり消え肌に馴染む色合いになって言う程の醜さはなかった。
「だめだめ、口にも口枷が付けてあるからね。
声を上げられたところで誰も君を助けに来ないけど、
ここで舌でも噛まれたら台無しだからね。
薬を使うって手もあったんだが、
最初は抵抗する女を無理やり自分の女にする方が面白いからね」
男はにやにや笑いながら続けた。
そんな男を、メイドは怒りを込めた目でキッと睨みつけた。
「ははははっ!
良いよ、実に良い。
その目。たまらないね。
そんな目をいつまでしていられるか楽しみだよ」
しかし、メイドのそんな態度を全く気にする事もなく男は愉快そうに高笑いをしながらそう言った。そして、メイドの胸を弄んでいた手を一旦離した。
胸のおぞましい感覚から急に解放されたメイドは、その瞬間、安堵と疑問の入り混じった表情を浮かべた。メイドは頭を上げ自分の胸から離れた男の手が向かう先を見極めようとした。次の瞬間メイドは、無駄と知りつつ叫びを上げずにはいれらなかった。
くぐもった声が口枷の間から漏れた。同時に、メイドはその首を激しく左右に振って拒絶の意思を示した。
胸から離れた男の手がメイドのロングスカートの裾へと向かったのだ。そして今まさにその中へと差し入れられるのが見えた。
男はそんなメイドの様子を見て、満足げにやりと笑った。そして、その手をスカートの裾を引っかけたまま、白く薄いストッキングに包まれた美しい足の内側を撫でる様に上へ上へと滑らせ始めた。
メイドは、必死で男のその手から逃れようとした。しかし手足を鎖で繋がれ自由を奪われたその体は、むなしくその場でもがく様に動いただけだった。
「こ、これは……まさか……」
ここに至りメイドは自身に身に起こった事を理解した。
逃げなければ……。
朦朧とする意識の中、メイドはすぐに立ち上がろとした。
しかし、その瞬間、緩慢にメイドの体を侵していた薬が一気にその効果を進めた。
ソファーからわずかに腰を上げたメイドは、足から崩れ落ちる様にそのまま床に倒れ込んだ。
消えゆく意識の中、最後にメイドが見たのは……先ほどまでの人懐っこい表情ではなく、にやにやと薄気味悪い笑みを浮かべ舌なめずりしながら見下ろす男の顔だった。
最初に感じたのは、まるでそこを虫が這い回るかの様なおぞましい感覚だった。
両胸にそんな嫌悪感を覚えるのと同時に、少しづつ意識が戻って来た。
まだ深い霧が掛かっているかの様ではあるが、何かがぼんやりと見え始めた。
「はぁ……はぁ……ついに手に入れたぞ……」
遠くから、荒い息遣いと共に声が聞こえた。
「珍しい黒髪と黒い瞳の国家公認万能メイド。
言っていた様に確かに顔に火傷の痕はある。
もしなければまさに『絶世の美女』だが、
気持ちが萎える程酷い訳じゃない。
むしろ、これはこれで適度なスパイスじゃないか」
その言葉はどうやら自分の事を言っている様だ、メイドは咄嗟に思った。
その瞬間、メイドの意識が急激にはっきりし始めた。
同時に、自身が意識を失う前の状況が頭の中に蘇って来た。
あの町長に胸を弄ばれている!
そう気づいたメイドはその男の手を払いのけようとした。
ガチャ……しかし、金属同士が当たる音が聞こえると同時に自分の腕が頭の上の方で左右に広げられたまま動かなくなった。
「もう意識を取り戻したのか。
思ったより早かったな。
しかし抵抗しようとしても無駄だよ、美しい国家公認万能メイドさん。
君の両手両足は鎖でベッドに繋がれてる」
その胸をイヤラシイ手付きで弄びながら、口元に下卑た笑いを浮かべメイドを見下ろしながら男が言った。
メイドは思わず叫び声を上げ助けを呼ぼうとした。しかし、声は出ずただくぐもった声が漏れただけだった。同時に自分が今、口に何か木の様な物を無理やり咥えさせられている事に気がついた。もちろん男の言葉から分かる様に付けていた仮面も外されていた。
仮面を外されたメイドの顔の左半分には、メイドの言葉通り額から頬に掛けて火傷の痕があった。ただメイドが言う程『醜い』と言う訳ではなかった。確かにケロイド状の赤みがかった引き吊った皮膚が広がっていた。しかし、それ自体がかなり旧い物の様で、赤みはかなり消え肌に馴染む色合いになって言う程の醜さはなかった。
「だめだめ、口にも口枷が付けてあるからね。
声を上げられたところで誰も君を助けに来ないけど、
ここで舌でも噛まれたら台無しだからね。
薬を使うって手もあったんだが、
最初は抵抗する女を無理やり自分の女にする方が面白いからね」
男はにやにや笑いながら続けた。
そんな男を、メイドは怒りを込めた目でキッと睨みつけた。
「ははははっ!
良いよ、実に良い。
その目。たまらないね。
そんな目をいつまでしていられるか楽しみだよ」
しかし、メイドのそんな態度を全く気にする事もなく男は愉快そうに高笑いをしながらそう言った。そして、メイドの胸を弄んでいた手を一旦離した。
胸のおぞましい感覚から急に解放されたメイドは、その瞬間、安堵と疑問の入り混じった表情を浮かべた。メイドは頭を上げ自分の胸から離れた男の手が向かう先を見極めようとした。次の瞬間メイドは、無駄と知りつつ叫びを上げずにはいれらなかった。
くぐもった声が口枷の間から漏れた。同時に、メイドはその首を激しく左右に振って拒絶の意思を示した。
胸から離れた男の手がメイドのロングスカートの裾へと向かったのだ。そして今まさにその中へと差し入れられるのが見えた。
男はそんなメイドの様子を見て、満足げにやりと笑った。そして、その手をスカートの裾を引っかけたまま、白く薄いストッキングに包まれた美しい足の内側を撫でる様に上へ上へと滑らせ始めた。
メイドは、必死で男のその手から逃れようとした。しかし手足を鎖で繋がれ自由を奪われたその体は、むなしくその場でもがく様に動いただけだった。
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