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メジコン子爵に剣を振りかぶられたリベルサスは斬られると思ったのか、目をギュッと瞑り、震えながら答えた。
「私はロドリゲス様の意志を継ぎ、この大陸を武力に拠って統一したかっただけだ。その為に力が欲しかったのだ。お前も武人なら分かるであろう?」
言質《げんち》を取ったメジコン子爵は振りかぶっていた剣を鞘に納めると、リベルサスを拘束した。リベルサスは皇帝であるお爺様に剣を向けただけでは無く、国を乗っ取ろうとした事を暗に認めたのだ。
「全く分かりませんね」
メジコンはそう言て退けると蔑む様な目を向け、リベルサスを見下ろした。
その姿にカッとしたのだろう。
「貴様!! たかが子爵の分際でこの私を見下すとは! こんな無礼を働いてただで済むと思っているのか!! お前達! こやつを取り押さえろ!」
リベルサスは激昂し部屋に控える兵に向かって命じたが、彼の言う事を聞く者など誰もいるはずがない。
その余りにも惨めな姿に、メジコン子爵は憐れむように声を掛けた。
「今更、貴方に何が出来ると言うのです! 昔なら兎も角、今の貴方に付き従う騎士など誰も居ませんよ」
「…何だと…」
リベルサスは茫然として周りを見回す。すると騎士達は皆、彼を鋭い目で睨み付けた。
「リベルサス様、貴方は昔、優れた騎士だった。私を含め、他の騎士たちも皆、貴方を心から尊敬しておりました。ですが、貴方は権力を握る事に固執し過ぎた。清廉さを失い、剣すら握ろうとしない貴方は最早騎士では無い。私如きに易々と組み敷かれる貴方など私達は見たくは無かった…。貴方には何時迄も、私達騎士の憧れであり続けて欲しかった…。残念ですが、先程陛下も仰っていた通り、こうなった以上、せめて武人らしく潔く罪を償って下さい」
メジコン子爵はそう言って悔しそうに目を伏せた。
「リベルサス、お主が雇った者共も命惜しさにあっさりと口を割り、全てはお主とシュナイダーの指示だったと白状したぞ。お主は剣の腕だけで無く部下の忠誠さえ失ったようだな。哀れなものよ。何故こうなったか処罰が決まるまでの間、牢でゆっくりと己の罪と向き合うが良い!!」
お爺様の言葉に数人の兵が駆け寄り、メジコン子爵と共にリベルサスを立たせる。
「放せ!! 俺は大陸を統一する男だ!! 気安く触るな!」
リベルサスは最後まで往生際悪く暴言を吐き暴れながら連れて行かれた。
罪の重さから極刑は免れないだろう。
騎士団に顔が効き、敵に回せば恐ろしい人物……侍女のダリアさんでさえそう評した、傑出した人物であった嘗ての戦争の英雄の無様過ぎる最後の姿だった。
騎士達に引き連れられて行くリベルサスを見たシュナイダーは、これからの自分の運命を悟ったのか、俯き拳を握り締めてただ震えていた。そんなシュナイダーをお爺様は射抜く様な鋭い目で見つめた。
「己の罪を受け入れる事さえ出来ぬ者が、他国を攻め、多くの民の命を安易に奪おうなどと…愚かな事よ。大きくなり過ぎた国は、いずれ内側から瓦解する事など歴史が証明しておると言うに…。其方はあの様な男に誑かされ道を誤った。本当に其方とロイドは似た者親子よ」
悲しみを堪え、溜め息を吐いたお爺様にシュナイダーは震えながらも声を荒げた。
「貴方が…貴方が父の事を悪く言うな!! 確かに父は叔母上を殺めたのかも知れない…。でも…父は何も知らなかったんだ! リベルサスに此処に連れて来られた時、父はまだ子供だった。其れを碌に調べもせず養子にまでしておいて、ロドリゲスの息子では無いと分かった瞬間、貴方は父から居場所を取り上げた。皇帝になるべくあれ程努力していた父からだ!!」
シュナイダーの悲痛な叫びにお爺様は驚いた様に顔を強張らせた。
そんなお爺様にシュナイダーは冷淡な笑みを浮かべる。
「ふっ。何を驚いているのです。俺が何も知らないとでも思っていたのですか? 貴方がどれ程隠したつもりでも、人の口に戸は立てられませんよ。俺は全て知っています。叔母を殺めた父が貴方から毒杯を賜った事もね。貴方は俺がリベルサスに唆されたと言いましたね? 違いますよ。俺が奴を利用したんだ。俺はアイツが憎かった。アイツさえ父を此処へ連れて来なければ、父は普通の幸せをつかめた。罪人になどならなかった…。だからアイツの力を利用したんですよ。散々利用して捨てるためにね」
「………」
暴言を吐くシュナイダーをお爺様は何も言わず、ただ憐れむような目で見つめていた。
「アイツは大陸統一なんてバカな夢を未だに見ていた。其処を擽れば簡単に手の平で踊ってくれましたよ? 貴方の最大の過ちは、俺に同情して俺の皇位継承権を奪わなかった事だ…。お陰で俺は貴方が死ねば皇帝になる事が出来る筈だった。貴方の娘が、其処の小娘をセレジストへ返そうとさえしなければね!!」
「……だから…だからテレサを殺めたの? お母様の手紙を持っていたから? どうして? テレサに殺されなければならないどんな理由があったと言うの? 結局貴方が例えどんな言い訳をしたとしても、自分の野心の為に何の罪も無い者を殺めた。それは決して許される事では無いわ!!」
シュナイダーの余りに自分本位な考えに私は黙っている事が出来ず、思わず身を乗り出して叫んだ。
そんな私をお爺様は一瞥した後、手を上げて制した。そして、今度はシュナイダーにまた視線を戻した。
「私とて、お前の境遇に同情はしていた。だからこそ娘を殺められても其れを隠し、本来奪うべきお前の命を助けたのだ。だが、お前にはそんな事すら分からなかった様だな。折角守られた命と王子の立場をお前は間違えた方向に使ってしまった…。シュナイダー、分かっているのか? 私とてお前の父親に愛する娘の命を奪われた被害者なのだ。そして私もまた、皇帝である前に、1人の父親なのだ」
お爺様は悲痛な声でシュナイダーに語り掛けた。
「…それは…それは貴方が父を皇太子に選ば無かったから…」
「…それが人の命を奪って良い理由になるとでも思うのか!? 良いか、シュナイダー。お前の父はロドリゲスの子では無い。これがどう言う事か分かるか? 貴族とは最も血統を重んじる生き物だ。もしロイドが皇位を継いだとして、奴が皇家の血を持たないと知れてみろ。皇帝に着く名目を持たぬロイドに貴族や民が付いてくると思うのか?」
何時からかお爺様はシュナイダーの事を其方ではなく、お前と呼んていた。その言葉からは蔑みでは無く、身内としての愛情を感じた。
「お前もそれが分かっているからこそ、リベルサスに教えを乞い、姿形、立ち居振る舞い、必死にロドリゲスを真似たのであろうが…」
「………」
お爺様の言い含める様な言葉に、シュナイダーは言葉を失った。きっとシュナイダーも本当は全て分かっていたのだ。ロイドが皇太子になれなれなかった理由を……。だからこそ自分が皇位を継ぐ根拠として、ロドリゲスに似た自分を作り上げようとしたのだろう。
「だが、お前を守ってやれなかった事、正しく導いてやれなかった事、心苦しく思う…」
お爺様が最後にシュナイダーに声を掛けた。
「今更ですよ」
シュナイダーは嘲る様にそう答えると、彼もまた罪を償う為連れて行かれた。
「私はロドリゲス様の意志を継ぎ、この大陸を武力に拠って統一したかっただけだ。その為に力が欲しかったのだ。お前も武人なら分かるであろう?」
言質《げんち》を取ったメジコン子爵は振りかぶっていた剣を鞘に納めると、リベルサスを拘束した。リベルサスは皇帝であるお爺様に剣を向けただけでは無く、国を乗っ取ろうとした事を暗に認めたのだ。
「全く分かりませんね」
メジコンはそう言て退けると蔑む様な目を向け、リベルサスを見下ろした。
その姿にカッとしたのだろう。
「貴様!! たかが子爵の分際でこの私を見下すとは! こんな無礼を働いてただで済むと思っているのか!! お前達! こやつを取り押さえろ!」
リベルサスは激昂し部屋に控える兵に向かって命じたが、彼の言う事を聞く者など誰もいるはずがない。
その余りにも惨めな姿に、メジコン子爵は憐れむように声を掛けた。
「今更、貴方に何が出来ると言うのです! 昔なら兎も角、今の貴方に付き従う騎士など誰も居ませんよ」
「…何だと…」
リベルサスは茫然として周りを見回す。すると騎士達は皆、彼を鋭い目で睨み付けた。
「リベルサス様、貴方は昔、優れた騎士だった。私を含め、他の騎士たちも皆、貴方を心から尊敬しておりました。ですが、貴方は権力を握る事に固執し過ぎた。清廉さを失い、剣すら握ろうとしない貴方は最早騎士では無い。私如きに易々と組み敷かれる貴方など私達は見たくは無かった…。貴方には何時迄も、私達騎士の憧れであり続けて欲しかった…。残念ですが、先程陛下も仰っていた通り、こうなった以上、せめて武人らしく潔く罪を償って下さい」
メジコン子爵はそう言って悔しそうに目を伏せた。
「リベルサス、お主が雇った者共も命惜しさにあっさりと口を割り、全てはお主とシュナイダーの指示だったと白状したぞ。お主は剣の腕だけで無く部下の忠誠さえ失ったようだな。哀れなものよ。何故こうなったか処罰が決まるまでの間、牢でゆっくりと己の罪と向き合うが良い!!」
お爺様の言葉に数人の兵が駆け寄り、メジコン子爵と共にリベルサスを立たせる。
「放せ!! 俺は大陸を統一する男だ!! 気安く触るな!」
リベルサスは最後まで往生際悪く暴言を吐き暴れながら連れて行かれた。
罪の重さから極刑は免れないだろう。
騎士団に顔が効き、敵に回せば恐ろしい人物……侍女のダリアさんでさえそう評した、傑出した人物であった嘗ての戦争の英雄の無様過ぎる最後の姿だった。
騎士達に引き連れられて行くリベルサスを見たシュナイダーは、これからの自分の運命を悟ったのか、俯き拳を握り締めてただ震えていた。そんなシュナイダーをお爺様は射抜く様な鋭い目で見つめた。
「己の罪を受け入れる事さえ出来ぬ者が、他国を攻め、多くの民の命を安易に奪おうなどと…愚かな事よ。大きくなり過ぎた国は、いずれ内側から瓦解する事など歴史が証明しておると言うに…。其方はあの様な男に誑かされ道を誤った。本当に其方とロイドは似た者親子よ」
悲しみを堪え、溜め息を吐いたお爺様にシュナイダーは震えながらも声を荒げた。
「貴方が…貴方が父の事を悪く言うな!! 確かに父は叔母上を殺めたのかも知れない…。でも…父は何も知らなかったんだ! リベルサスに此処に連れて来られた時、父はまだ子供だった。其れを碌に調べもせず養子にまでしておいて、ロドリゲスの息子では無いと分かった瞬間、貴方は父から居場所を取り上げた。皇帝になるべくあれ程努力していた父からだ!!」
シュナイダーの悲痛な叫びにお爺様は驚いた様に顔を強張らせた。
そんなお爺様にシュナイダーは冷淡な笑みを浮かべる。
「ふっ。何を驚いているのです。俺が何も知らないとでも思っていたのですか? 貴方がどれ程隠したつもりでも、人の口に戸は立てられませんよ。俺は全て知っています。叔母を殺めた父が貴方から毒杯を賜った事もね。貴方は俺がリベルサスに唆されたと言いましたね? 違いますよ。俺が奴を利用したんだ。俺はアイツが憎かった。アイツさえ父を此処へ連れて来なければ、父は普通の幸せをつかめた。罪人になどならなかった…。だからアイツの力を利用したんですよ。散々利用して捨てるためにね」
「………」
暴言を吐くシュナイダーをお爺様は何も言わず、ただ憐れむような目で見つめていた。
「アイツは大陸統一なんてバカな夢を未だに見ていた。其処を擽れば簡単に手の平で踊ってくれましたよ? 貴方の最大の過ちは、俺に同情して俺の皇位継承権を奪わなかった事だ…。お陰で俺は貴方が死ねば皇帝になる事が出来る筈だった。貴方の娘が、其処の小娘をセレジストへ返そうとさえしなければね!!」
「……だから…だからテレサを殺めたの? お母様の手紙を持っていたから? どうして? テレサに殺されなければならないどんな理由があったと言うの? 結局貴方が例えどんな言い訳をしたとしても、自分の野心の為に何の罪も無い者を殺めた。それは決して許される事では無いわ!!」
シュナイダーの余りに自分本位な考えに私は黙っている事が出来ず、思わず身を乗り出して叫んだ。
そんな私をお爺様は一瞥した後、手を上げて制した。そして、今度はシュナイダーにまた視線を戻した。
「私とて、お前の境遇に同情はしていた。だからこそ娘を殺められても其れを隠し、本来奪うべきお前の命を助けたのだ。だが、お前にはそんな事すら分からなかった様だな。折角守られた命と王子の立場をお前は間違えた方向に使ってしまった…。シュナイダー、分かっているのか? 私とてお前の父親に愛する娘の命を奪われた被害者なのだ。そして私もまた、皇帝である前に、1人の父親なのだ」
お爺様は悲痛な声でシュナイダーに語り掛けた。
「…それは…それは貴方が父を皇太子に選ば無かったから…」
「…それが人の命を奪って良い理由になるとでも思うのか!? 良いか、シュナイダー。お前の父はロドリゲスの子では無い。これがどう言う事か分かるか? 貴族とは最も血統を重んじる生き物だ。もしロイドが皇位を継いだとして、奴が皇家の血を持たないと知れてみろ。皇帝に着く名目を持たぬロイドに貴族や民が付いてくると思うのか?」
何時からかお爺様はシュナイダーの事を其方ではなく、お前と呼んていた。その言葉からは蔑みでは無く、身内としての愛情を感じた。
「お前もそれが分かっているからこそ、リベルサスに教えを乞い、姿形、立ち居振る舞い、必死にロドリゲスを真似たのであろうが…」
「………」
お爺様の言い含める様な言葉に、シュナイダーは言葉を失った。きっとシュナイダーも本当は全て分かっていたのだ。ロイドが皇太子になれなれなかった理由を……。だからこそ自分が皇位を継ぐ根拠として、ロドリゲスに似た自分を作り上げようとしたのだろう。
「だが、お前を守ってやれなかった事、正しく導いてやれなかった事、心苦しく思う…」
お爺様が最後にシュナイダーに声を掛けた。
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シュナイダーは嘲る様にそう答えると、彼もまた罪を償う為連れて行かれた。
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