本について

『キッチン常夜灯 真夜中のクロムッシュ』（長月天音著：角川文庫）

キッチン常夜灯の光が点灯し、温かな料理と共に、憩いのぬくもりが戻って来た。
いや、我々が少しばかし無沙汰をしていただけで、お店は夜半から明け方までずっと営業していた訳けだけど……

本作はみもざ店長の同僚新田つぐみさんの物語であるが、南雲さんと違い現場では無く本部勤めである。
気遣いばかりが多く、手応えが見えず疲弊する部署での勤務はストレスがどんどん溜まって行く。
オフの時間の楽しみ方すら分からなくなって来た。

そんな彼女がメニュー開発に加わる事になり……

前作同様、お仕事、お料理小説としても充分楽しめるし、ちょっと大人の胸キュンストーリーでもあり、心温まる感動の作品でもある。

更に本作は厳しい世の中を生きるための、『人生の指南書』としても大いにヒントになるのでは無いだろうか、きっと大切なことを思い出させてくれるからだ。

読後感は勿論爽快。
気分は最高である。