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26話
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「んで、証明するために耳かきをするって?」
「そうです!意地悪が生きがいの先生も私の耳かき勉強法をみたら絶対わかるんだから!ね?柿人君!」
膝の上に頭を乗せ、完全にくつろいだ姿勢で教師に凄む。教師はこめかみを抑え、目を瞑る。
「えー、はい。その、先生には信じられないかもしれませんが、部長はカンニングとか、不正はしていないと思います。」
なぜ自分は、自分よりも上の学年のカンニング疑惑の弁護をしているのだろう。
友梨奈先輩は今、いつもの絶妙にイラつくドヤ顔をしているに違いない。友梨奈先輩は不正をしていないとはいえ、疑うのは無理もない。
カンニングしてるかもしれない生徒がここまでドヤ顔で耳かきをされようとしているというのは、普通に頭痛を引き起こすものになるだろう。
でもこれ、僕関係なくない?
『任せたぞ後輩。』
『僕ら自主練してますね!』
部室に残った2人の声がリフレインする。やっぱ帰って良くない?
「じゃあ、万年赤点のこいつが満点になった勉強?ふん。馬鹿も休み休み言え。」
それは本当にそう思う。
「はい。まあ、勉強というか、なんというか。先生は友梨奈先輩が耳かき馬鹿なのは知っていますか?」
「ん?今私のこと、バカって言った?」
「言ってないです。」
「そっか。」
「お前ら仲良いな・・・まあ、確かに浅倉は、耳かき史や耳かきが絡む内容の部分だけは必ず点をとっていたが・・・」
教師に認知されるレベルで耳かきのところしかできてなかったのかこの人は。
「はい。なので、耳かきをしながらなら覚えられるだろう。ということで、耳かきをしながら教科書の読み聞かせをしました。それで、耳かきと教科書を結びつけたんです。」
「もう少しマシな言い訳をしろお前ら。」
「ですよね。僕も実際できると思ってなかったので、できたことにドン引きしてるところです。信じてもらうには、実践するしかないでしょう?」
「ねえ?そろそろ話飽きてきちゃったんだけど!早く証明して帰りたいんだけどな!?」
「先輩ちょっと静かにしてください。」
「すん。」
「まだやってない範囲の小テストを先生が用意してくれれば教科書にのってることなら、友梨奈先輩は満点取れると思いますよ。暗記の方は先生の指定の本を貸していただければ今ここで覚えさせられます。どっちもできれば証明できませんかね?」
正直苦しいというか、ぶっちゃけ先生にはのる理由がない気がする。不正で終わらせてしまった方が楽に違いない。
「・・・いいだろう。それで良い。」
マジか。この人もしかして滅茶苦茶いい人なのでは?
「浅倉のためにわざわざ一年生が弁護をしにきているんだ。信じられない話ではあるが、不正でないなら俺としてもそのほうがいいしな。」
「先輩、先生に謝った方がいいですよ。滅茶苦茶いい人じゃないですか。なんですか意地悪先生って。」
「ええぇ!?柿人君いまさら先生の味方するの!?」
「いや、謝るのはいいから。じゃあ小テスト用意するから少し待ってろ。」
先生はクリアファイルからプリントをめくり、友梨奈先輩のためのテストを探し始めた。
「そうです!意地悪が生きがいの先生も私の耳かき勉強法をみたら絶対わかるんだから!ね?柿人君!」
膝の上に頭を乗せ、完全にくつろいだ姿勢で教師に凄む。教師はこめかみを抑え、目を瞑る。
「えー、はい。その、先生には信じられないかもしれませんが、部長はカンニングとか、不正はしていないと思います。」
なぜ自分は、自分よりも上の学年のカンニング疑惑の弁護をしているのだろう。
友梨奈先輩は今、いつもの絶妙にイラつくドヤ顔をしているに違いない。友梨奈先輩は不正をしていないとはいえ、疑うのは無理もない。
カンニングしてるかもしれない生徒がここまでドヤ顔で耳かきをされようとしているというのは、普通に頭痛を引き起こすものになるだろう。
でもこれ、僕関係なくない?
『任せたぞ後輩。』
『僕ら自主練してますね!』
部室に残った2人の声がリフレインする。やっぱ帰って良くない?
「じゃあ、万年赤点のこいつが満点になった勉強?ふん。馬鹿も休み休み言え。」
それは本当にそう思う。
「はい。まあ、勉強というか、なんというか。先生は友梨奈先輩が耳かき馬鹿なのは知っていますか?」
「ん?今私のこと、バカって言った?」
「言ってないです。」
「そっか。」
「お前ら仲良いな・・・まあ、確かに浅倉は、耳かき史や耳かきが絡む内容の部分だけは必ず点をとっていたが・・・」
教師に認知されるレベルで耳かきのところしかできてなかったのかこの人は。
「はい。なので、耳かきをしながらなら覚えられるだろう。ということで、耳かきをしながら教科書の読み聞かせをしました。それで、耳かきと教科書を結びつけたんです。」
「もう少しマシな言い訳をしろお前ら。」
「ですよね。僕も実際できると思ってなかったので、できたことにドン引きしてるところです。信じてもらうには、実践するしかないでしょう?」
「ねえ?そろそろ話飽きてきちゃったんだけど!早く証明して帰りたいんだけどな!?」
「先輩ちょっと静かにしてください。」
「すん。」
「まだやってない範囲の小テストを先生が用意してくれれば教科書にのってることなら、友梨奈先輩は満点取れると思いますよ。暗記の方は先生の指定の本を貸していただければ今ここで覚えさせられます。どっちもできれば証明できませんかね?」
正直苦しいというか、ぶっちゃけ先生にはのる理由がない気がする。不正で終わらせてしまった方が楽に違いない。
「・・・いいだろう。それで良い。」
マジか。この人もしかして滅茶苦茶いい人なのでは?
「浅倉のためにわざわざ一年生が弁護をしにきているんだ。信じられない話ではあるが、不正でないなら俺としてもそのほうがいいしな。」
「先輩、先生に謝った方がいいですよ。滅茶苦茶いい人じゃないですか。なんですか意地悪先生って。」
「ええぇ!?柿人君いまさら先生の味方するの!?」
「いや、謝るのはいいから。じゃあ小テスト用意するから少し待ってろ。」
先生はクリアファイルからプリントをめくり、友梨奈先輩のためのテストを探し始めた。
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