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ドキドキロイヤルガーデンデート

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「ここが王家の庭なんだね。いい香り……。」

どきゅぅうん!!

心臓がっ心臓がもげる!!!



王家の庭は専属の庭師によって綺麗に整えられ、複数の種類の薔薇が咲き乱れている。


「お茶の栽培はどのあたりでしているの?」


「庭では栽培していないよ。近くの山を借りてるんだ。」

「そうなんだ。今度、みたいな。」

「うん、いいよ「こら!」」



新しい婚約者候補と侍女を連れ、姉がやってきた。

見れば見るほど姉の好みからかけ離れているけど、悪い人ではなさそうだし、貞淑そうだから、早く姉が嫁げばいいと思う。



「もっと早く言うべきことがあるでしょ!!もう言ったの!??」

「待ってください!物事には手順がですね?」

「だまらっしゃい!」



「ロイ?」

シンは首を傾げている。

「もういいわ、このヘタレ!シン、行きましょ!あそこにラナンキュラスが咲いているの。」


「あっ。ちょっ、お姉さま!」

王宮の庭とはいえ、護衛も侍女も振り切って、シンを連れてズンズン進む。


「お前も大変だな。」
スノー王子も苦笑している。

彼の背後のオーロラとかいう側近は、呆れているようだ。

姉たちが向かった方へ急いで向かう。



「キャアアアア!!!!!!」




姉の叫び声。





速度を上げて駆けつけた先は、姉とシンが顔を隠した男たちに拐われるところだった。


「っこの!」

「王子、二人は薬で眠らされているようだ。共闘するぞ!」


見た目によらず、この人は頼もしい。

目で合図して、男たちに向か―――おうとした。


【フリーズ………。】


リーゼロッテお姉様の新しい侍女。

確か、カナタ。

彼女が私たちの動きを止めた。

「行けっ!早くッ!」


その声は若い男のようで。

顔を間近で初めて見る。

髪をおろして化粧しているが、西の国で王子と一緒に断罪された、男爵令嬢のとりまきの宰相の息子じゃなかったか。


クソっ!

スノー王子と目で会話をする。


【ディスペル!】

しんがりにいた彼の従者のオーロラが叫ぶ。

彼の口から血が流れている。
そうか。
後ろからはカナタの動きが見えたから、とっさに口の中を少し噛み切って、痛みで術を解いたのか。


スノー王子と二人で回転し、剣で裂く。

「なっ!?うああっ!」

「オーロラ!拘束しろ!」

「はっ!」




二人を拐った男たちは逃してしまった。



クソっ!

早く見つけないと!



「ははは。遅かったな!リーゼロッテ様と復縁し、我が主は王太子として返り咲く!」


「必ず、直ぐに取り返す。」



シン。

お姉様。


「俺も力になるよ。」


スノー王子が地面を指さす。



「これは………。急いで後を追いましょう!」



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