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みんなで行こうよ

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「シロナ様、みんなで行きませんか。特定の人のエスコートで参加したら、噂になってしまいます。それでシロナ様の縁談に支障があってはいけませんから。」


ね、とユース様が笑うとシロナ様は一瞬、僅かに悲しそうな顔をして、笑った。

淑女として見事だと思った。



私は、醜い。


シロナがやんわりと振られたのにホッとしているなんて。



「だから、僕と一緒に参加しましょう。二人とも。」



優しい笑顔にどきりとした。











デビュタントの衣装はどうしよう。

ユース様の色を身に着けたらあからさますぎるかしら。

神殿の中の自分に与えられた部屋で、衣装をあれこれ引っ張り出して私は悩んでいた。


いつも清楚にまとめているけど、シロナ様のウエストはきゅっと絞まって庇護欲を掻き立てる細さだし、胸は着やせするだけでコルセット無しでも谷間ができる大きさで白くてふわふわしてそうで。
お尻だって…。


自分の体を姿見に映し、男性そのものにしか見えない、厚みのない体を見る。


人間の男にとって、魅力的だとは言えない体。


ユース様……。大人に近づくにしたがって、あなたはどんどん魅力的になる。

あのクズに虐げられていても、あなたの内なる光は輝いていた。

クズがいなくなって、閉じ込められていた光が解放され、貴方の魅力に多くの人が惹かれている。



コンコン。




「カルディ。入っていいかな?」


「ルシフェル様、どうぞ。」


ルシフェル様の体躯はスラっとして、大人の時の姿にほぼ近い。

背中の翼は出し入れできるようになり、6枚の純白の羽は神々しい。

エメラルドグリーンの瞳は、何でも見透かされそうに透き通っている。


「あのね、カルディ。僕はカルディが好きだけど、この国の王女と婚約するよ。カルディは僕のこと、仲良しの友達だとは思ってくれてると思うけど、側近として慕ってくれているだけだものね。」

ルシフェル様はドアを開けたまま中へ少し入った。


そうだ。

前回も私はルシフェル様にプロポーズされた。

だが、私はそんなつもりはなくて………一生そばで側近としてお仕えしますと、応えたのだ。

あの時のディユは外との交流もなかったから、ルシフェル様は『他に愛せる人ができたら結婚する』と言って、結局死ぬまで婚約者や恋人すらいなかった。

今回は、国同士の繋がりのため、王女との婚姻を選んだのだ……。



ドアを開けたまま、密室で二人きりになるのを避けるのは、私をに見ているからなんだ。

いつまでも子どものままじゃいられないんだなぁ…。


「シロナと比べて、悩んでいるの?」



ぎくりとする。



「大丈夫、シロナはシロナ。カルディもカルディの別の美しさがあるよ。自信をもって。おっぱいやお尻がすべてではないでしょ?」



ありがとうございます。


ちょっと元気出ました!
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