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大騒ぎのお城(ミラーも冒険者へ)

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「誰もいなくなった…。これからどうすればいいんだ。」

「あなた!これから生活…できる、わよね?」



一応、王家の直轄地は残っているから、普通の領主なみに生活するくらいはできる…はずだ。

贅沢しなければ。



国民や仕える貴族のいない王国など、王国の体を為していない。

この規模の経営くらいが私の分相応だったのかもしれない。



「ハイリ。ハイリ!私のすぐそばにあの子はいたのに!私はっ。自分で、切り捨ててしまった。いつも酷い言葉を投げて…。」


エリザベートにすら捨てられた息子は、茫然としている。



可愛い可愛いと甘やかしすぎた。

その結果がこれである。


2桁の計算もできないのでは、この規模の領地経営すら不安である。

恐らく、問題に詰まった時、助言してもキレられるので指導することが不可能だったのだ。



また、今までの暴力で我が家の使用人になる者はいないだろう。




幸い、私は魔法が使えるからそれで何とかするしかない。

妻は嘆くばかりで、自分でドレスを脱ぐことさえできないのだから、使用人がいない今、代わりにやれといってもできないと思われる。





はぁ。


私一人では妻の面倒でいっぱいいっぱいだ。


息子にはどうにか独り立ちしてもらえないものか。

親はいつまでもそばにいるわけではないのだ。




「ミラー。」


ミラーに剣を渡す。




「安全な仕事だけでもいい。お前は今から冒険者になるのだ。世の中を学んでこい。」


ミラーは私を見上げて、恨めしそうな顔をしたが、頷いた。
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