陥れられた若き伯爵と偽りと真実

竜鳴躍

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君の目覚め

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「おはよう。」

柔らかい微笑みで、アーサー先生は僕を見る。


久しぶりにぐっすり眠れた気がする………。



「おはようございます。」

「今日は君に大切な話があるんだ。」



何だろう。


アーサー先生に連れられてダイニングに行くと、学園長先生もいらっしゃって、先生たちは顔を見合わせて頷くと、アーサー先生は僕に膝をついて手の甲にキスをした。


「えっ!?」


目の前でアーサー先生の色が変わる。


茶色の髪は煌めくような金髪に。

ヘーゼルの瞳は星の燦めきのような虹彩が浮かぶ青色に。



「私の本当の名は、アーサー=サークル=カラット。カラット王国の王族唯一の生き残りであり、王子であり、そしてランスロット。君の母であるオリビエ=サークレット=カラット王女の甥にあたります。」

……………え?


平民あがりの巫女と義母様たちに蔑まれていた母が王女?


「ジュエリー王国の陛下はオリビエ叔母さまに横恋慕して、相思相愛だった二人に嫉妬し、ダンデ様との関係を歪め、無理な祈りを捧げさせ叔母さまを死に追いやった。そして、その醜悪な想いは君にも向けられた。君に祈らせ、回復のため父子間で関係するよう仕向け、ダンデ様を洗脳し、彼が君との行為に溺れるよう………。あいつは叔母さまや君の不幸を望んだ。そんな奴は王の資格はない!ダンデ様は苦悩したからこそ君と離れるため後妻を娶った。だが、洗脳に勝てずに疲弊して早世したのだ。」


え………………


呼吸が荒くなる。


「ごめんね。どうしても聞いて欲しい。全てはジュエリー王国の陛下のせい。本当なら、愛する人と結ばれた幸せな家族であったはずなのだから。だから君は何も悪くない。義理の家族や国の奴隷になる必要はない。」


崩れる体をアーサー先生が支える。



「私は私の国を取り戻し、共謀しているカラット王国の今の王とジュエリー王国の陛下を討つ。だから、君にそばにいて欲しい。私が君を守るから。」

「ランスロット様。私と逃れていた旧カラット王国騎士団、ともに貴方方を支えます。」



学園長が膝をつくと、使用人の格好の人たちも膝をついた。



「アーサー王とランスロット妃のために!カラット王国のために!」


剣先が合わさり、誓いがたてられた。




妃?


「愛しているんだ。ランスロット。もし君が嫌なら、又従兄弟として隣に立ってくれるだけでも構わない。でも適うなら、妻になって欲しい。」


「で………でも僕は!」

全てご存じのようなのに?


「君は綺麗だよ。心も体も。君を傷つけ虐げる奴は私が許さない。」


抱きしめられて、嬉しい涙がでた。


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