真面目な近衛騎士は借金返済のために雄っぱぶ嬢になりました。

番外編

でばがめ王子の幸せはどっちだ３

「へえ、お見合いですか………。」

「絶対嫁入り先だよ！嫌だっ！私のおしりの穴は排出専用なのお！」

「団長は可愛いですからね。副団長のオリバー様も可愛いですけど、負けてないですよ？」

王家の影の組織、ロイヤルシャドー団。

表向きは王宮内の事務室であり、私はその室長である。
もちろん事務仕事もしているとも！

腰までのびた茶色の髪は伸ばしっぱなしで、前髪が鼻の先まで覆っているガリヒョロなこの青年は、私の隠密術の師匠で元ロイヤルシャドー団長の息子だ。

シャドー=ブラック。
伯爵家の令息。

共通の知り合いがいるのもあるが、なんとなく気があって、友人になった！
初めての友だちだ！


「可愛いなんて言われたくない！可愛いじゃモテないんだよぉ！」

「いいじゃないですか、モテなくても。独身だっていいものですよ。」

そういえば、こいつもまだ独身だな。


「お前だってモテないから、そんな事言うんだ。本心ではモテたいくせに！どれ、そんな髪あげて」

前髪くらいどうにかすれば、少しはマシだろう。

「わ、ちょ、やめてください」



「ーーーーーえ？」


シャドーの顔は酷く綺麗で、整っていて。
だけど、顔には大きな痣があった。