2 / 89
私のオランジェが私以外の男になんて許せない
しおりを挟む
オランジェ=ペコー。
オレンジに近いハニーブロンド。
緑色の瞳はキラキラと輝いて。
騎士だから鍛えられた肉体は締まっているが、体脂肪が少ないのかゴツさは感じられない。
身長はすらっとしているけど、私と同じくらいで。
そんなに大柄というわけでもない。
それなのに、いざとなれば、その身軽さで敵をあっという間に殲滅してしまう。
私の幼馴染で自慢の側近だ。
敵に倒されたことがないから、その美しい玉のような肌には傷痕もない。
普段は髪をがちがちに固めてオールバックにしているが、本当はさらさらのふわふわで触り心地の良い髪なんだ。
それに、髪型のせいで老けてみえるけど、よくよく見れば可愛らしい顔をしている。
なんで彼が令嬢じゃないんだろうと、私が何度嘆いたことか。
毎日のように『彼が子を孕める特異体質になれますように。』と神に祈りを捧げているのに、一向に願いはかなわない。
「はぁ…。」
「殿下、どうされましたか。ため息なんて。やっぱりあいつが夜勤を当分しないと宣言したからですか。」
もう一人の側近のジェームズ=スプーンが意味ありげに近づいてきた。
黒髪に黒目の筋骨隆々としたザ・騎士だ。
こいつの家は商売をやっている。いわゆる歓楽街のドン。
そのせいか、こいつもどうも軽薄だ。
だが、軽薄なのは態度だけで、仕事はできる男だし、情報収集に長けているので重宝する。
「当たり前だろう。オランジェがいないとやる気が出ない。殿下がんばりましたね、明日も頑張りましょうねって褒めてもらいたい。」
「殿下、それもうお母さんじゃないですか。」
「オランジェの淹れてくれるホットミルクもおいしいんだぞ!よく眠れるように、っておやすみなさいの前に淹れてくれるのに!」
「そんな殿下に耳よりの情報です。なんと、ペコー伯爵家が代替わりしました。」
「それは知ってるぞ。お前、私は王族だぞ?まあ、想定内だよな。前伯爵は人はいいんだがよすぎて無能だったからな…。オレンには頑張ってもらいたい。」
「前伯爵は投資に失敗して長男に後を押し付けて失踪したそうですよ。オレン殿は切り詰めるところは切り詰めて、あれこれ見直したみたいなんですが、借金は返せたものの、絶望的な資金不足。そこでオランジェのやつは自分の全財産と借金をして家計を救ったようです。実質、オランジェが借金を肩代わりしたようなものですね。」
「NOOOOO!!!あのっ、無能!!息子に、私のオランジェに迷惑をかけおって!オランジェの借金はいくらなんだっ!私が払「そんなの、あの堅物が首を縦に振りますか!?」
「………ふらない。」
「でしょう?借金だってオレン殿に内緒なんですよ。それでね、あいつ、俺に聞いてきたんですよ。」
「なにを!」
「近衛騎士の給料だけでは足りないから、夜のバイトで手っ取り早く稼げて合法のなにかないかってね。」
「お前はっ、私のオランジェにどこを斡旋したんだぁああ!」
「安心してください、娼館ではありませんから。」
「あたりまえだ!」
「雄っパブです。」
「雄、っぱぶ?」
「胸をいじくられるだけですよ。あいつもああ見えて騎士なんで、脱げばすごいので喜ばれるんじゃないですかね。」
「胸…?いじ??」
「乳首をつねられたり、ちゅーって吸われたり。舐められたり?たま~にお互い合意すればオプションで最後までいくときもありますけど、俺の口利きですし、竿も穴も純潔は守られますよ。ご安心を♪」
「………ゆるせん。」
「はい、やはりそうなりましたか。」
「オランジェの胸をちゅーちゅーしてよいのは私だけだっ!!!」
「そうしましたら、殿下、送りますので行きましょう!(さぁ、がっぽがっぽオランジェに落としてあげてくださいな♪うひょー。儲かるぜ!)」
「ああ!オランジェの借金がなくなるまで、オランジェの客は私だけだ!!!!」
オランジェ、雄っぱぶ嬢デビューの1時間前の出来事。
王城から抜け出した二人は夜の街を早馬で駆けた。
オレンジに近いハニーブロンド。
緑色の瞳はキラキラと輝いて。
騎士だから鍛えられた肉体は締まっているが、体脂肪が少ないのかゴツさは感じられない。
身長はすらっとしているけど、私と同じくらいで。
そんなに大柄というわけでもない。
それなのに、いざとなれば、その身軽さで敵をあっという間に殲滅してしまう。
私の幼馴染で自慢の側近だ。
敵に倒されたことがないから、その美しい玉のような肌には傷痕もない。
普段は髪をがちがちに固めてオールバックにしているが、本当はさらさらのふわふわで触り心地の良い髪なんだ。
それに、髪型のせいで老けてみえるけど、よくよく見れば可愛らしい顔をしている。
なんで彼が令嬢じゃないんだろうと、私が何度嘆いたことか。
毎日のように『彼が子を孕める特異体質になれますように。』と神に祈りを捧げているのに、一向に願いはかなわない。
「はぁ…。」
「殿下、どうされましたか。ため息なんて。やっぱりあいつが夜勤を当分しないと宣言したからですか。」
もう一人の側近のジェームズ=スプーンが意味ありげに近づいてきた。
黒髪に黒目の筋骨隆々としたザ・騎士だ。
こいつの家は商売をやっている。いわゆる歓楽街のドン。
そのせいか、こいつもどうも軽薄だ。
だが、軽薄なのは態度だけで、仕事はできる男だし、情報収集に長けているので重宝する。
「当たり前だろう。オランジェがいないとやる気が出ない。殿下がんばりましたね、明日も頑張りましょうねって褒めてもらいたい。」
「殿下、それもうお母さんじゃないですか。」
「オランジェの淹れてくれるホットミルクもおいしいんだぞ!よく眠れるように、っておやすみなさいの前に淹れてくれるのに!」
「そんな殿下に耳よりの情報です。なんと、ペコー伯爵家が代替わりしました。」
「それは知ってるぞ。お前、私は王族だぞ?まあ、想定内だよな。前伯爵は人はいいんだがよすぎて無能だったからな…。オレンには頑張ってもらいたい。」
「前伯爵は投資に失敗して長男に後を押し付けて失踪したそうですよ。オレン殿は切り詰めるところは切り詰めて、あれこれ見直したみたいなんですが、借金は返せたものの、絶望的な資金不足。そこでオランジェのやつは自分の全財産と借金をして家計を救ったようです。実質、オランジェが借金を肩代わりしたようなものですね。」
「NOOOOO!!!あのっ、無能!!息子に、私のオランジェに迷惑をかけおって!オランジェの借金はいくらなんだっ!私が払「そんなの、あの堅物が首を縦に振りますか!?」
「………ふらない。」
「でしょう?借金だってオレン殿に内緒なんですよ。それでね、あいつ、俺に聞いてきたんですよ。」
「なにを!」
「近衛騎士の給料だけでは足りないから、夜のバイトで手っ取り早く稼げて合法のなにかないかってね。」
「お前はっ、私のオランジェにどこを斡旋したんだぁああ!」
「安心してください、娼館ではありませんから。」
「あたりまえだ!」
「雄っパブです。」
「雄、っぱぶ?」
「胸をいじくられるだけですよ。あいつもああ見えて騎士なんで、脱げばすごいので喜ばれるんじゃないですかね。」
「胸…?いじ??」
「乳首をつねられたり、ちゅーって吸われたり。舐められたり?たま~にお互い合意すればオプションで最後までいくときもありますけど、俺の口利きですし、竿も穴も純潔は守られますよ。ご安心を♪」
「………ゆるせん。」
「はい、やはりそうなりましたか。」
「オランジェの胸をちゅーちゅーしてよいのは私だけだっ!!!」
「そうしましたら、殿下、送りますので行きましょう!(さぁ、がっぽがっぽオランジェに落としてあげてくださいな♪うひょー。儲かるぜ!)」
「ああ!オランジェの借金がなくなるまで、オランジェの客は私だけだ!!!!」
オランジェ、雄っぱぶ嬢デビューの1時間前の出来事。
王城から抜け出した二人は夜の街を早馬で駆けた。
91
お気に入りに追加
822
あなたにおすすめの小説
えっちな美形男子〇校生が出会い系ではじめてあった男の人に疑似孕ませっくすされて雌墜ちしてしまう回
朝井染両
BL
タイトルのままです。
男子高校生(16)が欲望のまま大学生と偽り、出会い系に登録してそのまま疑似孕ませっくるする話です。
続き御座います。
『ぞくぞく!えっち祭り』という短編集の二番目に載せてありますので、よろしければそちらもどうぞ。
本作はガバガバスター制度をとっております。別作品と同じ名前の登場人物がおりますが、別人としてお楽しみ下さい。
前回は様々な人に読んで頂けて驚きました。稚拙な文ではありますが、感想、次のシチュのリクエストなど頂けると嬉しいです。
淫紋付けたら逆襲!!巨根絶倫種付けでメス奴隷に堕とされる悪魔ちゃん♂
朝井染両
BL
お久しぶりです!
ご飯を二日食べずに寝ていたら、身体が生きようとしてエロ小説が書き終わりました。人間って不思議ですね。
こういう間抜けな受けが好きなんだと思います。可愛いね~ばかだね~可愛いね~と大切にしてあげたいですね。
合意のようで合意ではないのでお気をつけ下さい。幸せラブラブエンドなのでご安心下さい。
ご飯食べます。
【完】ゲームの世界で美人すぎる兄が狙われているが
咲
BL
俺には大好きな兄がいる。3つ年上の高校生の兄。美人で優しいけどおっちょこちょいな可愛い兄だ。
ある日、そんな兄に話題のゲームを進めるとありえない事が起こった。
「あれ?ここってまさか……ゲームの中!?」
モンスターが闊歩する森の中で出会った警備隊に保護されたが、そいつは兄を狙っていたようで………?
重度のブラコン弟が兄を守ろうとしたり、壊れたブラコンの兄が一線越えちゃったりします。高確率でえろです。
※近親相姦です。バッチリ血の繋がった兄弟です。
※第三者×兄(弟)描写があります。
※ヤンデレの闇属性でビッチです。
※兄の方が優位です。
※男性向けの表現を含みます。
※左右非固定なのでコロコロ変わります。固定厨の方は推奨しません。
お気に入り登録、感想などはお気軽にしていただけると嬉しいです!
俺がイケメン皇子に溺愛されるまでの物語 ~ただし勘違い中~
空兎
BL
大国の第一皇子と結婚する予定だった姉ちゃんが失踪したせいで俺が身代わりに嫁ぐ羽目になった。ええええっ、俺自国でハーレム作るつもりだったのに何でこんな目に!?しかもなんかよくわからんが皇子にめっちゃ嫌われているんですけど!?このままだと自国の存続が危なそうなので仕方なしにチートスキル使いながらラザール帝国で自分の有用性アピールして人間関係を築いているんだけどその度に皇子が不機嫌になります。なにこれめんどい。
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる