【完結】王子様たちに狙われています。本気出せばいつでも美しくなれるらしいですが、どうでもいいじゃないですか。

閑話 スパークリングとキュウリ先輩

シュババババ。

大量の書類をチェックして、書類不備、資料が足りないもの、通せるものに分ける。

スパークリングは本当に優秀で、不備の山と資料不足の山には、リストと何処かだめかの一覧が乗せられている。

本業も、大学で教鞭をとるときは兎も角、それ以外は同じように片付いてしまう。

アニスの手伝いは３時間もあれば終わった。


「ふー。」


書類を片付けていると、今日もほっそりした清潔感のある穏やかな男性がお茶を持って入ってくる。


実家は薬学に精通し、薬草や薬を特産としているラジウム=キュウリーさんだ。

アニス様は文官室にも勤務しているから、そこで知り合って、執務室にも薬草茶を運んでいたらしい。

自分にも持ってきてくれるようになり、アニス様不在でも出してくれるようになった。


「ロゼ様。どうぞ。今日は、ブラックベリーのエキスが入っています。目にいいんですよ。」


よく見たら、なかなか整った顔をしている。

ありがたいなあ、と思いつつお茶を飲む。


毎日、家でもこんなふうに気遣ってくれる人がいてくれたら、幸せなんだけどなあ。