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閑話 クミンとアッサム
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最近、クミン様を騙そうとする申請が少しずつ減って来た。
これはいい傾向だ。
まともな申請なら、クミン様も理解ができるらしく、仕事もはかどるようになってきた。
「……今日は、仕事、もう終わりましたね。えらいえらい。」
頭を撫でると、えへへ、と笑う。
本当にだいぶ素直に、可愛くなった。
そういえば、幼い頃はこんな感じだった。
アニス様とも仲が良くて。
今のこの姿の方が、素なのだろう。
「ねえ、アッサム。…アニスって、王様になりたいのかな?」
「見た感じ、こだわっていないように思えますが。」
「そっか。アニスがなりたいなら、アニスの方がいいと思うけど、そうじゃないのなら、今なら私にはアッサムがいてくれるから大丈夫だよね。」
クミンが、ソファに座っているアッサムの太ももをまたぐように向かい合って腰かけた。
「これはどういうことでしょう?」
真昼間から誘われているのかな?
股間のマグナムが火を噴きそうになっているんだが。
クミンは顔を真っ赤にしながら、俺の肩に手を回してきた。
「だって、ソルトもアニスも狙われているんでしょ?私が王様になれば、もう狙われないよね?あの様子だと、まだまだ婚約者候補から婚約者にはなれそうもないし…。ねえ、おねがい、アッサム。私とすぐに結婚して。」
「王様になりたい理由が変わったんですね。」
「うん。私は出来損ないだし立派な王様にはなれないかもしれないけど、その分アッサム達に助けてもらえれば大丈夫だと思う。アッサムが守ってくれるから、もう悪い人に騙されない。弟たちを守りたいの。」
父はそんなすぐには王太子を決めないかもしれないけど、やっぱり結婚して、男子を産めば有利になる。
「つくろ、アッサム。アッサムに頭の似た子がほしいなあ。」
ちゅっ。
膝の上にこしかけて、キスを請われれば。
「……俺は、あなたに似たかわいい子がほしいです。」
「じゃあ、かわいくて頭のいい子。最強だ。」
ソファの上で押し倒して。
なお、アッサム執務時間中。
これはいい傾向だ。
まともな申請なら、クミン様も理解ができるらしく、仕事もはかどるようになってきた。
「……今日は、仕事、もう終わりましたね。えらいえらい。」
頭を撫でると、えへへ、と笑う。
本当にだいぶ素直に、可愛くなった。
そういえば、幼い頃はこんな感じだった。
アニス様とも仲が良くて。
今のこの姿の方が、素なのだろう。
「ねえ、アッサム。…アニスって、王様になりたいのかな?」
「見た感じ、こだわっていないように思えますが。」
「そっか。アニスがなりたいなら、アニスの方がいいと思うけど、そうじゃないのなら、今なら私にはアッサムがいてくれるから大丈夫だよね。」
クミンが、ソファに座っているアッサムの太ももをまたぐように向かい合って腰かけた。
「これはどういうことでしょう?」
真昼間から誘われているのかな?
股間のマグナムが火を噴きそうになっているんだが。
クミンは顔を真っ赤にしながら、俺の肩に手を回してきた。
「だって、ソルトもアニスも狙われているんでしょ?私が王様になれば、もう狙われないよね?あの様子だと、まだまだ婚約者候補から婚約者にはなれそうもないし…。ねえ、おねがい、アッサム。私とすぐに結婚して。」
「王様になりたい理由が変わったんですね。」
「うん。私は出来損ないだし立派な王様にはなれないかもしれないけど、その分アッサム達に助けてもらえれば大丈夫だと思う。アッサムが守ってくれるから、もう悪い人に騙されない。弟たちを守りたいの。」
父はそんなすぐには王太子を決めないかもしれないけど、やっぱり結婚して、男子を産めば有利になる。
「つくろ、アッサム。アッサムに頭の似た子がほしいなあ。」
ちゅっ。
膝の上にこしかけて、キスを請われれば。
「……俺は、あなたに似たかわいい子がほしいです。」
「じゃあ、かわいくて頭のいい子。最強だ。」
ソファの上で押し倒して。
なお、アッサム執務時間中。
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