虐げられた令息は盗賊に救われる

エドワード旅に出る

「エドワード様ぁ、かわいいかわいいミリムが来ましたよぉ～。ミリムのことも可愛がってくださぁい～。」


フリフリドレスでツインテールのピンク頭が城にやってきた。

女王陛下は頭が痛い。


忌々しいが力のある公爵家を取り込むためにアローラを婚約者にしていたから、男爵令嬢でも愛妾ならいいでしょうと放置していたが、今や我が物顔だ。

結局、体を遊んだだけで、エドワードの心はアローラにあったらしいが。


お前がしっかり心を掴んでおかないから…。



「エドワードならいませんよ。」


「あっ！女王様！！」


全く礼儀がなってない娘ね。

今や、エドワードの資質は疑われている。
折角捕まえたアローラも逃がすし、傷心したエドワードは遊学するという理由をつけて城の外に出した。

事が終わり、人々の記憶も少し風化すれば呼び戻せばいい。


旅に出たいというので、護衛をつけて旅に出してやった。

護衛は、丁度いいのであの恐ろしい男に頼んだ。



「えーっ、どっかいっちゃったんですかぁ…。」


「エドワードは将来国王になるのです。今のうちに広い世界を知る必要がありますからね。」



「海外旅行に行っちゃったんですかぁ！私も付いていきたかったですぅ！ぷりぷり。」



「………あなた、それ本当に素なの？頭大丈夫？」





「…………辞め時を失いました…。」






下級貴族なのに持っているモノで上を目指す気概。
嫌いじゃないわ。


「ねぇ、あなた…。」




手駒は多い方がいい。