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初めての社交界
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アルファさんは銀色の最高指揮官の軍の正装をして迎えに来た。
俺は黒のコートとウェストコート、トラウザーズに真っ赤なドレスシャツ。
エスコートされて会場に足を踏み入れれば、皆がはっとした顔でこちらを見る。
「お兄様。」
アルファさんより背が低く細身だけど、よく似た人がこちらに来た。
赤い正装。
男装だけど、辺境伯をしているアルファさんの妹のアンジェラ様だ。
「この子がルウちゃんの子?わあ………そっくり。」
「初めまして。加々美竜です。」
懐かしい。シイナ。
「そういえば、お前たちの子は?」
「あそこでメフィスト様の子どもたちと一緒。ベータの子も一緒だよ。」
「そういえば、ベータは人間と結婚したんだったな。」
へえ、そうだったんだ。知らなかった。
前の俺が死んだ後も、時は流れたんだな。
当たり前だけど。
「踊ろう。」
「うん。」
腰にアルファさんの手が当たる。
暖かい手。
無機質な手を繫いで、ワルツが始まる。
好き。
俺はちゃんと今の俺としてアルファさんが好きだよ?
アルファさんはちゃんと俺を見てる?
俺を通してリュウを見ていない?
「お兄様もようやくヘタレ脱出ね。」
「アンジェラったら。」
見守る人たちの視線は暖かい。
俺は黒のコートとウェストコート、トラウザーズに真っ赤なドレスシャツ。
エスコートされて会場に足を踏み入れれば、皆がはっとした顔でこちらを見る。
「お兄様。」
アルファさんより背が低く細身だけど、よく似た人がこちらに来た。
赤い正装。
男装だけど、辺境伯をしているアルファさんの妹のアンジェラ様だ。
「この子がルウちゃんの子?わあ………そっくり。」
「初めまして。加々美竜です。」
懐かしい。シイナ。
「そういえば、お前たちの子は?」
「あそこでメフィスト様の子どもたちと一緒。ベータの子も一緒だよ。」
「そういえば、ベータは人間と結婚したんだったな。」
へえ、そうだったんだ。知らなかった。
前の俺が死んだ後も、時は流れたんだな。
当たり前だけど。
「踊ろう。」
「うん。」
腰にアルファさんの手が当たる。
暖かい手。
無機質な手を繫いで、ワルツが始まる。
好き。
俺はちゃんと今の俺としてアルファさんが好きだよ?
アルファさんはちゃんと俺を見てる?
俺を通してリュウを見ていない?
「お兄様もようやくヘタレ脱出ね。」
「アンジェラったら。」
見守る人たちの視線は暖かい。
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