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宣戦布告

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「髪切って髭剃ったんだ。前に蜂谷君、素敵になりそうって言ってくれたから。」

なんかそんなこと言った気はするけど。

予想していたより素敵かも。

落ち着いた大人の魅力というか。
抱擁力っていうか。


「あらあら、北村君。強力なライバル、現るね!やっぱり当てう――ライバルキャラはいないとね。」

「マリ!当馬って酷くない?僕、まだ負けるつもり無いからね?蜂谷君、これ、僕の携帯番号。困ったことがあったら、いつでも相談にのるからね!」

じゃあ!

番号を渡して、先生は去っていった。



「さあ、ライバルが現れたからには急がないとねえ。北村君?」

「西野、俺たちは漫画じゃないんだから、そう面白おかしくいかないの。そりゃあ、俺は蜜璃が好きだけど。無理強いしたくないんだ。」

「北村……。」

胸がドキドキする。


「私には、北村に抱かれてもいいって表情に見えるけどね~。まごまごしてて、後で後悔しても知らないわよ?」

「いいんだよ、俺たちはこれで。」




それから、俺はクラブで皆に報告した。

「9月に司法試験の合格発表で合格していたら、願書を出して司法修習生になります。採用発表は11月末だけど、このお店を来月いっぱいで退職することになりました。今まで、…………本当に。可愛がっていただいてありがとうございました!」


あれ。

なんか、涙でてきた。


「おめでとう!」

「司法修習生は兼業厳しいもんな!がんばれ!」

「ハニーちゃん。ハニーちゃんなら絶対に合格しているさ!立派な弁護士になったら、俺の会社、宜しく頼むよ!」

「いや、俺の会社!!」


「ふふ、ありがとう。こちらこそ宜しくお願いします。」

皆、前祝いにドンペリをたくさん入れてくれた。

「ねえ。」
ママがコソッと俺に声をかける。

「良かったわね。でも、事前にバイト関係を整理しておいた方がいいからって水商売無しで薬代、大丈夫?予備校で答案添削のバイトくらいなら認められてるらしいけど、司法修習生の給料って安いんでしょ?弁護士になっても、暫くは安いって聞いたわよ。」

「それなんですけど、当面、実家の父が薬代は持ってくれることになって。」

実際に困るし、父の気持ちをありがたく受け取ることにした。

「そう、仲直りできて良かったわね!兄貴らはクソだけど!」

俺も大人になった。
ママと笑いあった。
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