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育てていく愛ではだめだろうか

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「クリスタル……っ陛下っ!」

俺の体を掴み、彼らはたじろぐ。


「クロノス王国の王太子だったタウロス。それに王女のプルミエか。俺の妃を返してもらおうか。」


「妃? まだ婚約者だろう! アリアは嫌がっていたじゃないか! 俺は王を処刑して、王位をアリアに返した!帝国は加護が欲しかったのだろう?アリアの母親がいれば充分じゃないか!!」

タウロスが叫び、プルミエはサッとタウロスの陰に隠れる。


「アリア。」
優しい眼差しで、キールは俺を見た。


「最初は確かに加護目当てだったよ。だが、君と知らず、ギルドで会って、一目惚れをしたんだ。だから、パーティを組んだんだ。」

君がアリアと知ったのは、パーティを組んだ後。


「確かに、まだ今は、愛してるというには曖昧かもしれない。だが、確かに、俺は君を好いている。大事にするから。結婚してから育てていく愛ではだめだろうか?」


「俺も、キールのこと嫌いじゃない。でも、愛してるかと言うと、よく分からないんだ。」

「育てよう、二人で。」




「なんなんだ! 王国を見捨てる気か?!」

「薄情者!!」


「束縛の鎖。」


「「なっ 体がっ!!」」



動けなくなった二人の間を通り、俺を抱き上げる。


「アリアに王位がいったのなら、この国の加護は守られる。アリアが私の妃として、帝国で暮らそうが、問題ない。お前らが問題だ。」

キールは、二人の本性を見ている。


まさか……。





「  」





キールがなにか呟くと、二人はブクブクに膨れて破裂して。

血溜まりの肉塊になった。


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