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番外編 リリーとヴァイオレットの友情
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私、ライティア!
オオバコ王国の公爵令嬢よ!
王太子のクロム様の婚約者なの!
金髪碧眼で縦ロールの美幼女とは私のことよ。
いつも二人で遊んでいるの。
王太子様と遊べる女の子は私だけなんだから!
そう思っていたのに、桃色の髪で菫色の瞳をした二人の女の子が現れたの。
スラリと綺麗で、少しだけお姉さんの子はリリー。
令嬢にあるまじき丸さのふくよかな子はヴァイオレット。
クロム様の従妹だった。
この子たちのお母様が、クロム様のお父様の妹なのね。
「ヴァイオレット、これもおいしいぞ。たくさんたべるといい。」
「令嬢なのに、よくそれだけ召し上がれますね。」
「ライティア様、妹は食べる盛りなのです。」
なんなの!
くやしい!
嫌になって、家に帰ろうかと思いながら、お手洗いに向かう。
そこに、誰かから後ろへ引き込まれた。
怖い、
声が出ない。
「お前は爆弾になってもらう。ふへへ、にっくきオオバコの王族め…。」
男は私の服に爆弾をしこんで解放した。
どうしよう…。
殿下のところへなんて戻れない。
「あ、ライティアちゃんいた!かえろ!」
ヴァイオレット!
「いや、こないで!来ちゃダメ!」
「どうして?」
「悪い人がいたの。私を爆弾にして、逃げちゃった。巻き添えにしたくない!」
人がいないほうへ。
走って、走って、私は爆発した。
いたい。
あつい。
私、死ぬんだわ。
でも、私は死ななかった。
悪い人はリリー様が捕まえてくれていて、私の怪我は…。
気が付くと、私の手を握ってくれている誰か。
少しやせた、ヴァイオレット。
「……どうして。」
「だって、お友達だもの。」
私を治すために、妖精王になるために蓄積していたエネルギーを消費し、その資格を失ったのだと、後で聞いた。
私なんて初対面で、悪い子だったのに。
私たちは、この時から親友になったのだ。
オオバコ王国の公爵令嬢よ!
王太子のクロム様の婚約者なの!
金髪碧眼で縦ロールの美幼女とは私のことよ。
いつも二人で遊んでいるの。
王太子様と遊べる女の子は私だけなんだから!
そう思っていたのに、桃色の髪で菫色の瞳をした二人の女の子が現れたの。
スラリと綺麗で、少しだけお姉さんの子はリリー。
令嬢にあるまじき丸さのふくよかな子はヴァイオレット。
クロム様の従妹だった。
この子たちのお母様が、クロム様のお父様の妹なのね。
「ヴァイオレット、これもおいしいぞ。たくさんたべるといい。」
「令嬢なのに、よくそれだけ召し上がれますね。」
「ライティア様、妹は食べる盛りなのです。」
なんなの!
くやしい!
嫌になって、家に帰ろうかと思いながら、お手洗いに向かう。
そこに、誰かから後ろへ引き込まれた。
怖い、
声が出ない。
「お前は爆弾になってもらう。ふへへ、にっくきオオバコの王族め…。」
男は私の服に爆弾をしこんで解放した。
どうしよう…。
殿下のところへなんて戻れない。
「あ、ライティアちゃんいた!かえろ!」
ヴァイオレット!
「いや、こないで!来ちゃダメ!」
「どうして?」
「悪い人がいたの。私を爆弾にして、逃げちゃった。巻き添えにしたくない!」
人がいないほうへ。
走って、走って、私は爆発した。
いたい。
あつい。
私、死ぬんだわ。
でも、私は死ななかった。
悪い人はリリー様が捕まえてくれていて、私の怪我は…。
気が付くと、私の手を握ってくれている誰か。
少しやせた、ヴァイオレット。
「……どうして。」
「だって、お友達だもの。」
私を治すために、妖精王になるために蓄積していたエネルギーを消費し、その資格を失ったのだと、後で聞いた。
私なんて初対面で、悪い子だったのに。
私たちは、この時から親友になったのだ。
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