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かわいい聖女さま
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「やあ、リリー=ホワイト伯爵令嬢。」
隣の殿下が声をかけた先を見れば、ふわりと長い銀髪に桃色の瞳の令嬢が印象的なご令嬢。
回復魔法や浄化魔法の達人で、神殿から聖女の称号を得ている。
彼女のことも俺はよく知っている。
彼女もずっと同じ学年同じクラスだった。
長年机を並べていても、ちがう世界の人たちだと思っていた彼らと、成り行きで王太子の婚約者になったおかげで、お知り合いになれている。
正直、今でもこんな有名人、ヒエラルキーの上位にいる人たちと一緒にいるなんて信じられないし、落ち着かない。
「殿下、ジェニー様、ご結婚おめでとうございます。」
鈴の音のようなきれいな声と所作だ。
同じ伯爵家でも聖女を輩出するような名門とうちは違う。
目立たないように、でも失礼がないように、殿下の添え物として傍で挨拶をする。
「ありがとうございます。」
いいなぁ。
女の子だなあ。
いい匂いがする。
リリー様は優しいし。
ちょっとベビーフェイスで美人というより、永遠の美少女。
光沢のある水色のドレスがとっても神々しい。
歓談する二人を見ていると、お似合いだなぁと思う。
……………やっぱり俺なんか。
(うはー!!美形カップルごちそうさまです!)
聖女は心の中で涎を垂らしている。
見た目淑女の見本のような聖女様の本性を、同級生は知っている。(ジェニー以外)
「殿下殿下、夜の夫婦生活をkwsk」
「えぇ…。」
隣のジェニーを見れば、自分の世界に行ってしまっているのか、何か物思いにふけっていて、聞いていないみたい。
聞かれなくてよかったかもしれない。
「君、相当ストレスたまっているみたいだね。時々冒険者をしてるんでしょ?フロアボスをソロでクリアしたと聞いたよ。」
「ほんとー、なんで私みたいなのが聖女になっちゃったのかしらね。」
拳を握りしめてじっとみている。
ちなみに彼女の聖女の力は極めて強い。強すぎて細胞が回復を一周して破壊されるくらいには。
だから、普段は死ぬほどダンジョンで敵を倒して疲れてから聖女の仕事をしている。
本当にただの友人なのだが。
隣のジェニーの性質を理解できていなかった私は、勘違いをさせてしまっていることに気付いていなかった。
隣の殿下が声をかけた先を見れば、ふわりと長い銀髪に桃色の瞳の令嬢が印象的なご令嬢。
回復魔法や浄化魔法の達人で、神殿から聖女の称号を得ている。
彼女のことも俺はよく知っている。
彼女もずっと同じ学年同じクラスだった。
長年机を並べていても、ちがう世界の人たちだと思っていた彼らと、成り行きで王太子の婚約者になったおかげで、お知り合いになれている。
正直、今でもこんな有名人、ヒエラルキーの上位にいる人たちと一緒にいるなんて信じられないし、落ち着かない。
「殿下、ジェニー様、ご結婚おめでとうございます。」
鈴の音のようなきれいな声と所作だ。
同じ伯爵家でも聖女を輩出するような名門とうちは違う。
目立たないように、でも失礼がないように、殿下の添え物として傍で挨拶をする。
「ありがとうございます。」
いいなぁ。
女の子だなあ。
いい匂いがする。
リリー様は優しいし。
ちょっとベビーフェイスで美人というより、永遠の美少女。
光沢のある水色のドレスがとっても神々しい。
歓談する二人を見ていると、お似合いだなぁと思う。
……………やっぱり俺なんか。
(うはー!!美形カップルごちそうさまです!)
聖女は心の中で涎を垂らしている。
見た目淑女の見本のような聖女様の本性を、同級生は知っている。(ジェニー以外)
「殿下殿下、夜の夫婦生活をkwsk」
「えぇ…。」
隣のジェニーを見れば、自分の世界に行ってしまっているのか、何か物思いにふけっていて、聞いていないみたい。
聞かれなくてよかったかもしれない。
「君、相当ストレスたまっているみたいだね。時々冒険者をしてるんでしょ?フロアボスをソロでクリアしたと聞いたよ。」
「ほんとー、なんで私みたいなのが聖女になっちゃったのかしらね。」
拳を握りしめてじっとみている。
ちなみに彼女の聖女の力は極めて強い。強すぎて細胞が回復を一周して破壊されるくらいには。
だから、普段は死ぬほどダンジョンで敵を倒して疲れてから聖女の仕事をしている。
本当にただの友人なのだが。
隣のジェニーの性質を理解できていなかった私は、勘違いをさせてしまっていることに気付いていなかった。
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