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結婚契約なんだろうな
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目が覚めると、王太子妃になってた………。
「今日からジェニーさまのそば使えを致します、クロールと申します。王太子殿下の側近をしておりますパワー=マックスの婚約者になります。よろしくお願いします!」
そばかすの浮かぶ赤毛の可愛らしい男の子が目の前でニッコリほほ笑む。
「僕の他にも何人かいますが、全て殿下の信頼する部下の夫になります。あはは、殿下も焼きもちやきですね、愛ですね、愛。」
「愛、だなんて…、俺が都合よくあの場にいたからで。むしろ申し訳なく思ってるんです。子どもを産めば、俺はお役御免ですよね。そしたら離縁して、ちゃんとしたお妃さまを娶るのでしょう?ああ、でも少しは時間を置かないと、ですよね…。俺も、誰も知らないところへ行かないと。」
「あ、ジェニーさま、あのですね……??」
「クロール、お妃を辞めた後のことなんですけど、やっぱり遠く離れた辺境に行くんですよね?寂しいけど子どもはちゃんと置いていきますよ!あと、やっぱり再婚はだめですよね。王族と半分血が繋がった子どもだなんて厄介ですもんね。可愛いお嫁さんを貰うことも憧れてたけど、三男だから僕に子どもは必要ないし、受け入れます。あとはできれば仕事を斡旋してくれると助かるんですけど、我儘ですかね。」
「いえ………あの…。」
どうして、クロールはおろおろしてるんだろう。
「あ、ごめんなさい。いきなり質問されても困りますよね。即答できないこともありますものね。あとで回答をいただけると助かります。」
「いえ、そうではなく…。いや、ジェニーさま。体を清めてお洋服をお召しになりましょう。お手伝いしますね。陛下の御前にも行かないと。ジェニーさまのお父君もいらしているんですよ。応接間でお待ちですから。」
お父様が!
あああ、お父様、びっくりしただろうなあ…。
(んんん??ちょっと王太子殿下、何してるんすか。会話足りてないじゃないですか。勘違いしてますけど。というかこの人なんていうか……自己肯定感低すぎ???)
「どうですか、力加減は痛くないですかー?」
「はい、気持ちいいです…。」
男嫁の侍従でジェニーさまのお体を磨き上げる。
お肌は滑らかできめ細かく、元々美しいので、磨いてもあまり変わらないかも…と思っていたが、透明感が増した。
髪にも洗った後、特別なオイルを揉みこみ、爽やかな香りをさせる。
「ふぁあ。頭皮がすーっとします!!!オイルだからべたつくかなって思ってたのに、さっぱり!」
神々しい!!
美の女神が降臨した!
女じゃないけど!
「この痕って消さないほうがいいんですか…?」
ジェニーさまが首を傾げる。
「痕?」
「……あの…首とかあちこち赤いうっ血が…。」
「ああ、いいんですよ。夜会とかで見えてしまう時は回復魔法で消しちゃいますけど、殿下はそのままにしていた方が喜びそうなので…。今日のお召し物は首元までキッチリしてますし、大丈夫ですよ。」
「そうですか。じゃあ、腰とか痛くても我慢していた方が良かったんですね。回復魔法掛けないほうがよかったですね、すみません。聞いてからかけるべきでした。」
「えっ…。」
そういえばジェニーさまは何でもできる方なのでした。
「今日からジェニーさまのそば使えを致します、クロールと申します。王太子殿下の側近をしておりますパワー=マックスの婚約者になります。よろしくお願いします!」
そばかすの浮かぶ赤毛の可愛らしい男の子が目の前でニッコリほほ笑む。
「僕の他にも何人かいますが、全て殿下の信頼する部下の夫になります。あはは、殿下も焼きもちやきですね、愛ですね、愛。」
「愛、だなんて…、俺が都合よくあの場にいたからで。むしろ申し訳なく思ってるんです。子どもを産めば、俺はお役御免ですよね。そしたら離縁して、ちゃんとしたお妃さまを娶るのでしょう?ああ、でも少しは時間を置かないと、ですよね…。俺も、誰も知らないところへ行かないと。」
「あ、ジェニーさま、あのですね……??」
「クロール、お妃を辞めた後のことなんですけど、やっぱり遠く離れた辺境に行くんですよね?寂しいけど子どもはちゃんと置いていきますよ!あと、やっぱり再婚はだめですよね。王族と半分血が繋がった子どもだなんて厄介ですもんね。可愛いお嫁さんを貰うことも憧れてたけど、三男だから僕に子どもは必要ないし、受け入れます。あとはできれば仕事を斡旋してくれると助かるんですけど、我儘ですかね。」
「いえ………あの…。」
どうして、クロールはおろおろしてるんだろう。
「あ、ごめんなさい。いきなり質問されても困りますよね。即答できないこともありますものね。あとで回答をいただけると助かります。」
「いえ、そうではなく…。いや、ジェニーさま。体を清めてお洋服をお召しになりましょう。お手伝いしますね。陛下の御前にも行かないと。ジェニーさまのお父君もいらしているんですよ。応接間でお待ちですから。」
お父様が!
あああ、お父様、びっくりしただろうなあ…。
(んんん??ちょっと王太子殿下、何してるんすか。会話足りてないじゃないですか。勘違いしてますけど。というかこの人なんていうか……自己肯定感低すぎ???)
「どうですか、力加減は痛くないですかー?」
「はい、気持ちいいです…。」
男嫁の侍従でジェニーさまのお体を磨き上げる。
お肌は滑らかできめ細かく、元々美しいので、磨いてもあまり変わらないかも…と思っていたが、透明感が増した。
髪にも洗った後、特別なオイルを揉みこみ、爽やかな香りをさせる。
「ふぁあ。頭皮がすーっとします!!!オイルだからべたつくかなって思ってたのに、さっぱり!」
神々しい!!
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「この痕って消さないほうがいいんですか…?」
ジェニーさまが首を傾げる。
「痕?」
「……あの…首とかあちこち赤いうっ血が…。」
「ああ、いいんですよ。夜会とかで見えてしまう時は回復魔法で消しちゃいますけど、殿下はそのままにしていた方が喜びそうなので…。今日のお召し物は首元までキッチリしてますし、大丈夫ですよ。」
「そうですか。じゃあ、腰とか痛くても我慢していた方が良かったんですね。回復魔法掛けないほうがよかったですね、すみません。聞いてからかけるべきでした。」
「えっ…。」
そういえばジェニーさまは何でもできる方なのでした。
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