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ジェニー=ビューテという規格外

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ジェニー=ビューテ。

ビューテ伯爵家三男。

黒髪黒目の美貌の令息。

学科試験は時折1位をとるものの、フォール王太子殿下やその側近たちが同じ学年にいたため、大体3位以内で順位を右往左往している。


これは、凄いことである。

何故ならフォール王太子殿下は幼少から優れた師に学び、将来の国王として英才教育を受けており、また、その側近の一人である、私、宰相家令息・ブレイン=グリンフィールド侯爵令息はずば抜けた頭脳の持ち主なのだから。


また、彼は剣術でも優れた成績を残す。

残念ながら剣術大会で一度も優勝できなかったが、それは仕方がないこと。

何故なら同じ学年に側近、騎士団長令息のパワー=マックス伯爵令息がいるのだから。


さらに魔法。これも彼は次点。
だが仕方ないだろう?同じ学年には、魔法省長官の令息で伝説の大魔法使いの再来と謳われるパープル=アイズ侯爵令息がいる。


治癒術では同じ学年に聖女が。

発明では同じ学年に天才が。

音楽でも。



つまり、運が悪いことに王太子の出生に合わせて全貴族が子どもをもうけ、我が子を英才教育した結果、この学年に千年に一度の傑物が大集合しているのである。

その状況で、すべての分野において、次点の成績を残している彼は充分素晴らしい。

貧乏だと言っていたから、碌な家庭教師もいなかっただろうに。



それなのにその自分の規格外さを本人が一番よく分かっていない。






「………と、いうわけで、彼が王太子妃に相応しくないとは誰も文句はいえないでしょう。実家もクリーンですし、家柄も及第点。おめでとうございます。王太子殿下。」
眼鏡を左手でくいっと上げて、ブレインは報告を終えた。

「ありがとう、ブレイン。」


愛しい人をそのまま王宮に連れ帰り、私のベッドで今彼は眠っている。もちろん裸で。

彼が窓を開けてくれたから、正直媚薬の効果は私なら耐えられる程度ではあった。

だが、ずっと気になっていた彼が全裸でそこにいたものだから。

丁度良い機会だったので強引にモノにしてしまった。

そうでもなければ、彼は永遠に手に入らなかっただろう。

全く、どうして自分が平凡だなんて思えるんだろう。ずっと彼は目立っていたというのに。

女生徒も男生徒も彼に見とれるものだから、人知れずけん制したり、よからぬ者から守るのは大変だった。

全くどうしてオシャレなどして護衛もつけずに街を練り歩くのだ。

芸能界なんて私が許さない。


手当たり次第に騎士団やら魔法省やら王宮の試験を受けていたようで、各部署で彼の取り合いをして合否が出せなかったようだが、彼は私の隣にいてもらう!



「それでは、そろそろ陛下へご報告を。」

「うむ。」


行ってくるね、と彼の寝顔にキスをする。


連れ帰ってからも求めてしまったから、疲れさせてしまったな。

彼の中に私の子種がたっぷり入ったままだと考えただけで、また熱が集まってしまう。

いかん、だめだ、だめ。


彼の父親も呼んでいるし、正式に結婚の手続きをしてこよう。









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