暗殺者は王子に溺愛される

トロワ編

ここは戦場である！

皆お待ちかね！


今までろくすっぽ現れなかった王太子妃主催のお茶会だよ！！

どんどんぱふぱふ！


俺は俺の能力と権力とコネを最大限活用して戦うのだ！

今日の服は、オレンジ色のスーツで、クリムの色をアピール。

さり気なく、エデン王国の真珠、バッキンガム王国の金細工技術によるシュウ王国の金でアクセサリーもつける。



「皆さま、この度は私の主催するお茶会に来てくださって、ありがとうございます。私は、若く王太子と結婚したため、学校を卒業するまでは、隣国で生活しておりました。無事、卒業し、今後はこの国でクリム様を支えてまいります。今日は、皆様方と仲良くなりたいと思っております。」

にっこり微笑むと、会場からはため息が零れた。


お父様やお兄様たちと比べると、俺は幼い顔立ちだけど、それでも似てはいるのだ。

俺がその気で本気出したら、ご婦人方にウケがわるいなんてことはないはず！

妃だけど男でよかった！


「まぁ、素敵なアクセサリー。」


キター！　待ってました！


「こちらは、エデン王国の真珠をシュウ王国の金を使って、バッキンガム王国の細工技術で彩ったブローチなんですよ。私の姉はバッキンガム王国の王太子妃ですが、友人にエデン王国とシュウ王国の王族がおりますので、友好の証に作らせていただきました。」


「まぁぁ！トロワ様は外交上手でいらっしゃるのね！」


「各国諸国が仲が良いことに越したことはありません。パイプを作るのは、大事なことですから。」

にっこり。


「あちらの学園に通われて、卒業までこちらに来ないというので、心配しておりましたが、パイプを作るためなら、頷けますわ。あちらの方が大きな国ですもの。他国の王族の留学も盛んですものね。」





「なによ。15歳まで誘拐されて貴族らしい生活なんかしてなかったくせに。」


ぼそっと言われて、頭が真っ白になる。



誰だ。


誰が今言った。



「薄汚い男たちにも乱暴されたくせに。よく平気な顔して王太子妃でいられますこと。」




オレンジ色のドレスを着た、ツインテールの茶色の髪の女。

ドリス＝マギー伯爵令嬢。



「私はあなたなんか認めない。あなたはクリム様には相応しくないわ！」



俺にだけしか聞こえないようにして、彼女は宣戦布告をした。