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クリム王子は複雑
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「えええ、なんで俺が~!! 俺、令嬢でもないしサンみたいに赤ちゃん産めないし!王太子なんだから赤ちゃん産めないといけないんでしょー?」
トロワの叫び声が響く。
「トロワくん、サンダルフォン公爵家の亡くなったおばあ様は、ノース侯爵家の人間だったんだよ。だから、珍しいことだけどそっちに似たことにすればいい。それにね、この中で一番君が適当なのさ。君はそこそこ腕もたつ。この国の公爵家!しかも三男!!で、婚約者がいない!」
あああ、確かに~。
遠い目になる。
確かにさぁ、まだ好きって気持ちも分からないけどさあ。
いきなり婚約かぁ~。
しかも嘘の。
「なるほど。デュラン王太子、考えましたね。国は違えど友好な隣国の公爵家の人間と先に婚約してしまえば、角は立たない。同じ公爵家ですしね。」
宰相は、パチンと指を鳴らした。
「そそ。国と国の結びつきを深めるために是非に、とバッキンガム王国側から強い申し入れを受けたと、そういう理由にすれば断りやすいし。ただ、矛先がトロワくんに向かう可能性はある。危険な任務になる。」
「トロワ君を潜入させて、囮も兼ねる、か。その間に我々がやつらの尻尾を掴み、向こうの陛下たちを救出する!」
騎士団長も辺境伯も意欲満々だ。
「……そんなっ、危険なことっ!」
クリム王子を遮って、トロワは拳でパンと音を立てた。
「危険な任務!?上等だ!やってやるぜ!と、いうわけだから、よろしくな、ダーリン。あんま美人じゃなくて申し訳ないけど!」
にかっと、笑うトロワに頭が痛くなった。
トロワの叫び声が響く。
「トロワくん、サンダルフォン公爵家の亡くなったおばあ様は、ノース侯爵家の人間だったんだよ。だから、珍しいことだけどそっちに似たことにすればいい。それにね、この中で一番君が適当なのさ。君はそこそこ腕もたつ。この国の公爵家!しかも三男!!で、婚約者がいない!」
あああ、確かに~。
遠い目になる。
確かにさぁ、まだ好きって気持ちも分からないけどさあ。
いきなり婚約かぁ~。
しかも嘘の。
「なるほど。デュラン王太子、考えましたね。国は違えど友好な隣国の公爵家の人間と先に婚約してしまえば、角は立たない。同じ公爵家ですしね。」
宰相は、パチンと指を鳴らした。
「そそ。国と国の結びつきを深めるために是非に、とバッキンガム王国側から強い申し入れを受けたと、そういう理由にすれば断りやすいし。ただ、矛先がトロワくんに向かう可能性はある。危険な任務になる。」
「トロワ君を潜入させて、囮も兼ねる、か。その間に我々がやつらの尻尾を掴み、向こうの陛下たちを救出する!」
騎士団長も辺境伯も意欲満々だ。
「……そんなっ、危険なことっ!」
クリム王子を遮って、トロワは拳でパンと音を立てた。
「危険な任務!?上等だ!やってやるぜ!と、いうわけだから、よろしくな、ダーリン。あんま美人じゃなくて申し訳ないけど!」
にかっと、笑うトロワに頭が痛くなった。
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