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アンシェントドラゴンと人魚の泪とある集団のせん滅 2
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「はぁい、みなさん。僕たちが来たからにはもう安心ですからね!」
崖から降り立った僕はアンシェントドラゴンの前に立つ。
「へ?おま?」
「誰っ?」
んー、僕を知らないってことはフェアリー王国の人なのかな。
とりあえず、カナリアが彼らをバリアで囲ってしまった。
なんだか大騒ぎして。
ふふっ、安心して喜んでるのかなぁ。
待っててね!
僕らの5倍はあるような体躯のアンシェントドラゴンは、黒くて骨ばってて、おどろおどろしい。
前世の映画で見たような悪役まるだしの姿だ。
ドラゴンの属性は分からないけど、見た目的に変温動物の可能性が高い。
僕は氷の魔法を一帯に展開する。
すかさずカナリアが僕たちの表面に冷気を妨げる膜を貼ってくれた。
キィィィィィィ!
ギィィイイイイイ!!!!
食ってやるぞ!卵うみつけてやるぞ!と言わんばかりのプ〇デター若しくはエ〇リアンもどきたち。
ふふっ。
僕は剣を振り下ろす。
「やったぁ。大量大量。僕の瞳と同じ色だ!カナリア、大事にしてね!」
「うん、大事にするよ♡それより、こいつらどうする?」
カナリアの瞳が細まる。
うん、途中から気づいちゃった。この人たち悪い人だよね。
彼らの馬車にはプ〇デターの卵が乗せられてた。
だから襲われてたわけね。
奴らも倒すべき敵だけど、こいつらもそうだな。
「アンシェントドラゴンの卵なんて盗んでどうするつもり?孵化したら危ないじゃない。」
無言だ。
「言っとくけど、鳥の雛みたいに孵化して直後から面倒見たら言うこときくとかないから。孵化した傍から食べられて終わりだから。」
「エッ!」
「本当に馬鹿な行為だから。街中で孵化したらほんっと目も当てられないから。」
「ミリオン。こいつら、フェアリー王国の貴族だ。見覚えがある。大方、反女王派だろう。つきだそう、そうしよう。」
「おお、勇者ミリオン。それにカナリア殿下。ありがとうございます。ことが起こる前に不穏分子を一掃することができます。危険な魔物も討伐してくださいましてありがとうございます。」
小麦色の髪のグリーン陛下とパステル王妃。
水色に見えるキラキラしたお城の中で、陛下らと謁見することになった。
「これはお礼の品です。」
差し出されたのは『人魚の泪』と称される海の色をした美しい宝石。
「お二人は結婚されるとか。殿下も勇者様へ贈る宝石がご入用ではと思いまして。我が国の特産の中でも最大カラットのものを用意しました。どうぞお持ち帰りください。」
「おお………。」
カナリアが宝石を受け取ってふにゃっとなった。
「ルナリア様にもよろしくお伝えください。」
ルナリア様の結婚相手の王女様は、絵姿よりも可愛らしくて。
僕たちは見送られながら城に戻った。
『勇者ミリオンと第三王子カナリア殿下、アンシェントドラゴンの巣を撃破。ついでにフェアリー王国のクーデターを阻止!さすが勇者!ついでで一国に平和をもたらすなんて!そこに痺れる憧れる!』
翌朝の新聞を見て、なんだこりゃ。という気持ちになったんだけど。
崖から降り立った僕はアンシェントドラゴンの前に立つ。
「へ?おま?」
「誰っ?」
んー、僕を知らないってことはフェアリー王国の人なのかな。
とりあえず、カナリアが彼らをバリアで囲ってしまった。
なんだか大騒ぎして。
ふふっ、安心して喜んでるのかなぁ。
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前世の映画で見たような悪役まるだしの姿だ。
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すかさずカナリアが僕たちの表面に冷気を妨げる膜を貼ってくれた。
キィィィィィィ!
ギィィイイイイイ!!!!
食ってやるぞ!卵うみつけてやるぞ!と言わんばかりのプ〇デター若しくはエ〇リアンもどきたち。
ふふっ。
僕は剣を振り下ろす。
「やったぁ。大量大量。僕の瞳と同じ色だ!カナリア、大事にしてね!」
「うん、大事にするよ♡それより、こいつらどうする?」
カナリアの瞳が細まる。
うん、途中から気づいちゃった。この人たち悪い人だよね。
彼らの馬車にはプ〇デターの卵が乗せられてた。
だから襲われてたわけね。
奴らも倒すべき敵だけど、こいつらもそうだな。
「アンシェントドラゴンの卵なんて盗んでどうするつもり?孵化したら危ないじゃない。」
無言だ。
「言っとくけど、鳥の雛みたいに孵化して直後から面倒見たら言うこときくとかないから。孵化した傍から食べられて終わりだから。」
「エッ!」
「本当に馬鹿な行為だから。街中で孵化したらほんっと目も当てられないから。」
「ミリオン。こいつら、フェアリー王国の貴族だ。見覚えがある。大方、反女王派だろう。つきだそう、そうしよう。」
「おお、勇者ミリオン。それにカナリア殿下。ありがとうございます。ことが起こる前に不穏分子を一掃することができます。危険な魔物も討伐してくださいましてありがとうございます。」
小麦色の髪のグリーン陛下とパステル王妃。
水色に見えるキラキラしたお城の中で、陛下らと謁見することになった。
「これはお礼の品です。」
差し出されたのは『人魚の泪』と称される海の色をした美しい宝石。
「お二人は結婚されるとか。殿下も勇者様へ贈る宝石がご入用ではと思いまして。我が国の特産の中でも最大カラットのものを用意しました。どうぞお持ち帰りください。」
「おお………。」
カナリアが宝石を受け取ってふにゃっとなった。
「ルナリア様にもよろしくお伝えください。」
ルナリア様の結婚相手の王女様は、絵姿よりも可愛らしくて。
僕たちは見送られながら城に戻った。
『勇者ミリオンと第三王子カナリア殿下、アンシェントドラゴンの巣を撃破。ついでにフェアリー王国のクーデターを阻止!さすが勇者!ついでで一国に平和をもたらすなんて!そこに痺れる憧れる!』
翌朝の新聞を見て、なんだこりゃ。という気持ちになったんだけど。
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