【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

終章 魔王と勇者

逆襲の一手

「おっはよー。」


あくる朝の日本国憲法の時間。

古山圭太は極めて明るい表情で現れた。



「おはよう、古山。」

「おはよう。」


アイスも剣も人並みの挨拶をする。


「つれないなぁ。昨日友達になったじゃん。」


…友達になる約束まではしただろうか？

と、内心首を傾げていると、古山はトランプを取り出した。


「今日の講義、休講になったよ。教授、なんかすごい腹痛がひどいみたいで。さっき通りすがっていった。もう少ししたら、事務の人が知らせに来るんじゃないかな。」


「そっか。それだったら、カフェか図書館に行っておくか。」

アイスが剣の手をとる。


それを、古山は思わせぶりな様子で止めた。


アイスの目をじっと見る。そして、後ろの方に目線だけ変えるしぐさをした。


何かを感じ、二人は再び席へついた。


「まーまー。せっかく大学入って初めてできた友達じゃないか。トランプで遊ぼうぜ。」


スッと、ハートのキングをアイスの前、ハートのクイーンを剣の前に置く。


そして、自分の前にスペードのジャック、重ねるようにしてキングを置いた。

「俺さあ、トランプって深い気がするんだよねー。ジャックって、衛兵なのに絵になっててえらそーじゃない？実は、息子だったりしてね。キングの。」


スペードのキングをハートのクイーンの上に置き、さらにいっしょにジャックを置いて、クイーンを重ね取る。

そして、再び同じ配置にして、今度はスペードのキングにクイーンを攫わせた。


その動作を一度してから、シャッフルし、切りなおす。



トランプと一緒に渡されたメモを後で見てみると、こう書いてあった。





「古山組キングに気をつけろ。クイーンを守れ。」