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アヴニール編【学園編】
可愛いうさぎさん
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「…全くもう、お母さまは。」
今日は遅かったので、外で夕食を取って来たキャッツアイは、夫婦の寝室に直行して上着を脱ぎながら話を聞き、ため息をついた。
でも、確かにいい案ではある。
有名な女優や後で人気者になったスタアが、若いころアダルトビデオに出ていたり、水商売をやっていた、ということがある。
ある意味セックスシンボルになることもあるけど、多くは好意的に受け入れられている。
キャットの場合は出演作が多く、その界隈では有名人すぎるし、本人がその後も水商売をやったりいろんな相手と一夜を共にしていたから、世論ーーーー特に女性を味方につけるのが一番いいのだ。
おそらく母は、一般にキャットを有名人の人気者にしたいのだ。小さい弟妹のために親の借金返済で身を売った健気な人。後遺症に苦しんだけど、真実の愛に目覚めて、前を向いて歩きだした。そのことが好意的に女性に受け入れられればられるほど、キャットは普通に生きられるし、人気者になればなるほど、過去のことは薄れていくだろう。
いっそ性を搾取される側の立場で人権侵害を訴えるような団体か何か作って、そのトップになってもいいかもしれない。男爵夫人になるのだし、そういう社会貢献活動も悪くない。
そのくらいになれば、キャットのことを『好きなんだろう?』と寄ってくる男もいないだろうし、保険で護衛もつければばっちりだ。
学園でも男遊びは直らなかったけど、社交界に出ても、子どもが産まれても後ろ指を指されることはないだろう。奥方たちが味方になるからね。
ああ、でも。キャットが人気者になるのに比例して、キリアは相当人気者になるだろうな。
なんせ、キャットを苦しみから救い上げてくれたヒーローだからな。
女性は、そういう話は大好きだ。
「それでねぇ。今度の新しいブランドの発表会、俺と先生でお洋服着て出ることになったの。」
俺がロリータファッション着るらしいんだけど。
昔ならともかく、こんなに身長伸びたのにおかしくないかなぁ。
首を傾げるアヴは本当に可愛らしい。
天然であざといとはこういうことか。
「先生はすっごい若く見えるから、小柄だし、似合うと思うけど。自信ないなぁ。」
「大丈夫だと思うよ。そんなに気になるなら、お母さまに言って、俺も一緒に出てもいいよ。」
「えっ、アイ女装するの?」
「仕事とかでするよ。仕事では顔は特殊メイクはるけど、別に化粧でもどうにかなると思うし、ほら。あのお母さまだから、俺も今までやられてるっていうか…。」
だから平気。
「わあい!」
アヴニールが抱き着いてくる。
「あっ!」
なんだか恥ずかしそうにしながら。
ちょっと待ってて!ついてこないでね!と消えてしまった。
「えへへ…。」
しばらくして、壁からひょこっと顔だけ出す。
「じゃあん! 似合うかな?可愛い??」
手に持ったうさ耳カチューシャを頭に装着して、くるりと回転すると、白いベビードールの短い裾はふわっと宙を舞った。
お、おかあああああさまああああああ。
………すごくいいです、ありがとうございます!
今日は遅かったので、外で夕食を取って来たキャッツアイは、夫婦の寝室に直行して上着を脱ぎながら話を聞き、ため息をついた。
でも、確かにいい案ではある。
有名な女優や後で人気者になったスタアが、若いころアダルトビデオに出ていたり、水商売をやっていた、ということがある。
ある意味セックスシンボルになることもあるけど、多くは好意的に受け入れられている。
キャットの場合は出演作が多く、その界隈では有名人すぎるし、本人がその後も水商売をやったりいろんな相手と一夜を共にしていたから、世論ーーーー特に女性を味方につけるのが一番いいのだ。
おそらく母は、一般にキャットを有名人の人気者にしたいのだ。小さい弟妹のために親の借金返済で身を売った健気な人。後遺症に苦しんだけど、真実の愛に目覚めて、前を向いて歩きだした。そのことが好意的に女性に受け入れられればられるほど、キャットは普通に生きられるし、人気者になればなるほど、過去のことは薄れていくだろう。
いっそ性を搾取される側の立場で人権侵害を訴えるような団体か何か作って、そのトップになってもいいかもしれない。男爵夫人になるのだし、そういう社会貢献活動も悪くない。
そのくらいになれば、キャットのことを『好きなんだろう?』と寄ってくる男もいないだろうし、保険で護衛もつければばっちりだ。
学園でも男遊びは直らなかったけど、社交界に出ても、子どもが産まれても後ろ指を指されることはないだろう。奥方たちが味方になるからね。
ああ、でも。キャットが人気者になるのに比例して、キリアは相当人気者になるだろうな。
なんせ、キャットを苦しみから救い上げてくれたヒーローだからな。
女性は、そういう話は大好きだ。
「それでねぇ。今度の新しいブランドの発表会、俺と先生でお洋服着て出ることになったの。」
俺がロリータファッション着るらしいんだけど。
昔ならともかく、こんなに身長伸びたのにおかしくないかなぁ。
首を傾げるアヴは本当に可愛らしい。
天然であざといとはこういうことか。
「先生はすっごい若く見えるから、小柄だし、似合うと思うけど。自信ないなぁ。」
「大丈夫だと思うよ。そんなに気になるなら、お母さまに言って、俺も一緒に出てもいいよ。」
「えっ、アイ女装するの?」
「仕事とかでするよ。仕事では顔は特殊メイクはるけど、別に化粧でもどうにかなると思うし、ほら。あのお母さまだから、俺も今までやられてるっていうか…。」
だから平気。
「わあい!」
アヴニールが抱き着いてくる。
「あっ!」
なんだか恥ずかしそうにしながら。
ちょっと待ってて!ついてこないでね!と消えてしまった。
「えへへ…。」
しばらくして、壁からひょこっと顔だけ出す。
「じゃあん! 似合うかな?可愛い??」
手に持ったうさ耳カチューシャを頭に装着して、くるりと回転すると、白いベビードールの短い裾はふわっと宙を舞った。
お、おかあああああさまああああああ。
………すごくいいです、ありがとうございます!
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