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新章 溺愛編
久しぶりに騎士団へ
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なんだかんだと、もうすぐ出産の時期が来た。
公爵家の馬車に揺られ、久しぶりに騎士団へ行く。
5歳になったアリスは、俺のボディーガードのつもりみたい。
剣を腰に構えて、周囲に気を配っている。
本当に大きくなったなぁ。
でももう少し、ゆっくり成長してもよかったのに。
こんなに早く、大人にしてしまって申し訳ないと思う。
思えばアリスには、赤ちゃんの頃からいろいろあった。
攫われて、殺されそうになったり。
発語が早かったのは、元々頭もよかったんだろうけど、あんな幼い時に、事件に巻き込まれたせいだと思ってる。
アリスは頭もいいけど、俺から見ても剣の才能がある。
まだ子どもだから力はあまりないけど、きっと大きくなったら、俺というよりお祖父様に近いタイプの剣士になるんじゃないかな。
キッと馬車の車輪が止まる音がし、アリスのエスコートで馬車を降りた。
「副団長!」
「クリス!」
俺が顔を出すと、訓練中の若い騎士や、ミカエルとハデスが集まってきた。
「もう少しで出産だから、その前に一度顔を出そうと思って。」
はい、と家でまとめた書類仕事を手渡す。
「本当に、クリスが妊娠してるのねぇ…。」
ミカエルが、俺の膨れた腹をなでる。
「ミカエルとハデスの子の1つ下になるのかな? 可愛がってくれると嬉しいな。」
ミカエルとハデスの子は、ハデスに似た女の子だった。ハデスはかわいそう!と言ってたけど、ハデスのお姉さまだって綺麗な方なのだから、そこまで悲観するものではないと思う。
「きっとおもちゃにするわよ~。女の子はお人形遊びが好きなんだから。」
「それはそうと、いつもみんなに助けてもらって。ありがとう。今日はそれが言いたくて。」
そういうと、女性士官の人が集まってきた。
「いいんですよ! 副団長が妊娠育児出産をこなしているから、私たちもいざという時休暇が取りやすいんです!」
「そうそう、副団長は私たちのために切り拓いてくれる先駆者なんです!在宅勤務もできるようになりましたし、女性でも出世できるって…!」
そっか。迷惑かけてるなーって思ってたけど、みんなのためにもなってるんだったら嬉しい。
「そういえば、具体的にいつ出産するの?」
「今週末かな。だから、3日後。男だから帝王切開になるんだ。だから、陣痛が来る前に出さないとって。」
「そうなの、それならよかったわ。」
「なんで?」
「明日あたり、嵐が来そうなのよ。嵐の時に産むってなんかいやじゃない?」
「確かになぁ。縁起が悪そうだよな。」
騎士団の庭では、アリスが部下から剣の手ほどきを受けて、褒められてる。
「俺も少し、動いていこうかな。」
「やめときなさいよ、妊婦でしょう。」
「もう産み月なんだから、少しくらい平気だよ。」
まぜて~~~~~~~!
そういうと、アリスにめっちゃ叱られた。
えー、いいじゃん。ちょっとくらい。
公爵家の馬車に揺られ、久しぶりに騎士団へ行く。
5歳になったアリスは、俺のボディーガードのつもりみたい。
剣を腰に構えて、周囲に気を配っている。
本当に大きくなったなぁ。
でももう少し、ゆっくり成長してもよかったのに。
こんなに早く、大人にしてしまって申し訳ないと思う。
思えばアリスには、赤ちゃんの頃からいろいろあった。
攫われて、殺されそうになったり。
発語が早かったのは、元々頭もよかったんだろうけど、あんな幼い時に、事件に巻き込まれたせいだと思ってる。
アリスは頭もいいけど、俺から見ても剣の才能がある。
まだ子どもだから力はあまりないけど、きっと大きくなったら、俺というよりお祖父様に近いタイプの剣士になるんじゃないかな。
キッと馬車の車輪が止まる音がし、アリスのエスコートで馬車を降りた。
「副団長!」
「クリス!」
俺が顔を出すと、訓練中の若い騎士や、ミカエルとハデスが集まってきた。
「もう少しで出産だから、その前に一度顔を出そうと思って。」
はい、と家でまとめた書類仕事を手渡す。
「本当に、クリスが妊娠してるのねぇ…。」
ミカエルが、俺の膨れた腹をなでる。
「ミカエルとハデスの子の1つ下になるのかな? 可愛がってくれると嬉しいな。」
ミカエルとハデスの子は、ハデスに似た女の子だった。ハデスはかわいそう!と言ってたけど、ハデスのお姉さまだって綺麗な方なのだから、そこまで悲観するものではないと思う。
「きっとおもちゃにするわよ~。女の子はお人形遊びが好きなんだから。」
「それはそうと、いつもみんなに助けてもらって。ありがとう。今日はそれが言いたくて。」
そういうと、女性士官の人が集まってきた。
「いいんですよ! 副団長が妊娠育児出産をこなしているから、私たちもいざという時休暇が取りやすいんです!」
「そうそう、副団長は私たちのために切り拓いてくれる先駆者なんです!在宅勤務もできるようになりましたし、女性でも出世できるって…!」
そっか。迷惑かけてるなーって思ってたけど、みんなのためにもなってるんだったら嬉しい。
「そういえば、具体的にいつ出産するの?」
「今週末かな。だから、3日後。男だから帝王切開になるんだ。だから、陣痛が来る前に出さないとって。」
「そうなの、それならよかったわ。」
「なんで?」
「明日あたり、嵐が来そうなのよ。嵐の時に産むってなんかいやじゃない?」
「確かになぁ。縁起が悪そうだよな。」
騎士団の庭では、アリスが部下から剣の手ほどきを受けて、褒められてる。
「俺も少し、動いていこうかな。」
「やめときなさいよ、妊婦でしょう。」
「もう産み月なんだから、少しくらい平気だよ。」
まぜて~~~~~~~!
そういうと、アリスにめっちゃ叱られた。
えー、いいじゃん。ちょっとくらい。
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