【完結】神アイドルが転生したら魅了持ちのチートで破滅フラグ臭がするので大人しくしていたのに隣国王子が追っかけます

竜鳴躍

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過去から目覚める

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ああ。なんで忘れてたんだろう。

というか、そういう風に記憶がすり替わってたんだろう。

きっと、あの頃の俺は、過去の自分が嫌で嫌で仕方なかったんだ。

水瀬家に引き取られてから、幸せだった。


見てくれがよかったから、手を取ってくれたんじゃない。
見てくれが悪くても、黒崎社長は、俺を見つけてくれたんだ。

家族をくれて、愛されて、俺は誰が見ても綺麗になった。




社長。


黒崎社長。



子どもだったから、言えなかったけど。
本当に大好きだった。

大人になったら、お義父さんたちみたいに、社長と幸せになれたら幸せだなって思ってた。



上手に歌えた時や、いいお芝居ができた時に、撫でてくれる優しい手が好きだった。












夕飯時になっても部屋から出てこないので、様子を見に来たらアクアはすやすや寝ていた。

霧だったときの好みで部屋をまとめてみたが、気に入ったようでよかった。

頭を撫でる。柔らかい感触。……なつかしい。


「……なでなで、すき。……だいすき。  しゃちょう…、俺……」


むにゃむにゃと寝ぼけた声だが、どきりと心臓が跳ねた。



自分が社長だと、言えたらいいのに。

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