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ここからは俺のターン

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「烈火一閃!」

「シルフィードスクリュー!」



「うわぁぁっ!」


炎の剣撃が風で煽られ、兵団に襲い掛かる。


「ベネ!こっちだ!『ダークストーカー!』」


ハルトは、影を縫って、神出鬼没に兵士たちに一撃をしかける。


「なかなかやるな!無明剣!」

正攻法ではレイに追随する者は誰もいない。




「浄化!」


俺が祈ると、聖なる光が射し、兵団の動きが止まる。



「あ、あれ…? えっ?? 団長?」

「俺たちはいったい何を…。」


よかった。兵士たちは正気に戻った。





「くぅぅっ。」

赤城は爪を齧っている。

「デーモン、お前があいつをやっちまえ!」


『承知。』


王だった者の体が膨れ上がり、異形の悪魔に変形する。



「…うっ。ひぃぃ!悪魔!」

兵は完全に戦意喪失だ。

『魔王様のため…!いねっ!』




「みんな!分かっただろう!この国は魔王に乗っ取られていたんだ!みんなの手で、国を取り返そう!」

俺は声を張り上げる。


デーモンの鋭い爪を剣でいなし、振りぬいた。



「ぐっ・・・・!」


叔父だった者の体が二つになり、そこから瘴気が流れる。


瘴気を俺がつかむと、みじんもなく消え去った。




「くそっ、くそっ、くそっ!」


「赤城先生!どうしてそこまで俺を恨むんですか!悪いことをしたら捕まるのは自業自得じゃないですか!」


「うっさいうさいうっさい!!!生まれも育ちも恵まれて、一流大学の優等生で、イケメンで何もかも持ってて!苦労したことのない奴が、泥水吸ってやっと手に入れたものを一瞬で失ったものの気持ち、わかるものか!」


「先生の苦労や気持ちは分かりませんよ、先生じゃありませんから。でもね、俺だって悩みくらいありましたよ。優秀な親、お前も後を継ぐんだろう?と言わんばかりの圧力。本当は民俗学の研究者になりたかった。歴史が好きだったんです。でも、法学部に入った。好きな気持ちに蓋をして。人間誰だって、多かれ少なかれ悩みはあるし…っ。」



「うっさい!パパ!!!!パパ、もう一回兵士を洗脳して!」




『…ふむ。まずいな。』






魔王はまるで他人事のように楽しそうに笑った。











ダーク王国にあるブレッシング王国に流れる水ーーーーー飲み水や生活用水の全てに使っているーーーーーーーの水源。

ダーク王国にあるグレイの本体が、ベネディクトの血液を水源に垂らす。

そしてそれは、田畑に流れ、井戸水に流れ、みなの口に入る。



「あぁあ、私は一体なんてことを…!」


司祭たちは口々に慄き、自分の管轄を見る。


見ると、そこには以前のように活気を取り戻した住人たちで溢れていた。




闇は晴れ、魔王たちを祈るものはいない。

力を補充できない。

もう一度、こんな大人数を操るだけの力は、今はない。






「なんだってっ!それじゃあ、どうしよう!パパ!」



『方法はあるよ、安心しなさい。』


御簾の中から出てきた司祭は、にやりと笑うと、背中から黒い翼、額から山羊のような大きな角を生やし、ガッと自分の息子ーーーー赤城タクマの首を握りつぶした。



「そ、そん・・・・な。」


『愛し子よ、俺の糧となるのだ。』



「ギャアアアアアア!」


赤城ーーーーーー。自業自得とはいえ、なんて最期。




バリバリと魔王に食され、魂も残らない。


もう、あいつはどこの世にも生まれることはないだろう。






「最終決戦ってやつだな。」
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