冷徹茨の騎士団長は心に乙女を飼っているが僕たちだけの秘密である

第二王子の存在感

「オーレムお兄様が開発した新しい素材で、製品開発をしていると思うんだけど。プラスチック？だっけ。あれは、きっとこれから世界中で求められるだろうから、他国に情報が流出しないように徹底管理してくれるかな。そのための人件費は惜しまない。それから………


テキパキ仕事をするジニアルに、大臣たちは目を白黒させた。

今までは、限られた文官しか関わっていなかったから。


陛下や正妃が決裁する書類の整理も、ジニアルが実際は処理して、メモの上押印するだけにし、回していたし。

優先順位を決め、予算配分もしていた。




引きこもりもなくなった。


要人との会話も難なくこなす。



これは………。




「ポート辺境伯。戦争は資金も人も失い、疲弊させ、国を貧しくする。勝っても負けても痛みはある。やらないならそれにこしたことはない。辺境伯が回りに目を配っていただいているので助かっていますよ。でも、私のことは気になさらず。辺境伯の優秀な人材を私の回りに寄越しては、申し訳ない。」


牽制され、辺境伯はグッと内心汗をかいた。


暗殺者に気づいている。そう言ったのだ。


他の貴族や陛下もいる前で。