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マナのところへお見舞いに来た。

何故来てくれなくなったかはわからないけど、もしかしたら、体調が悪いのかもしれない。

そうでなくても、おいしい果物を一緒に食べたかった。

体の悪いマナは、食べられるものも限られるし、花もあまり良くない。
果物が一番良いのだ。

敷地に入る前で、よくしてくださっている男爵令嬢に声をかけられた。

他愛もない会話をし、マナの家に入った。

公爵家は僕を知っているから、門番はすぐに入れてくれた。


「ああ、サザエル。」

屋敷に入ると、当主である彼の兄のアヴニール様が現れる。
遅れて、母親のクリス様が現れた。

武人の親子だけあって、二人ともピシッと背筋がのび、かっこいい。

「最近、来られないので心配になって。具合が悪いのではと。手紙の返事も来ないので……。」

「あの子ったら……。式ももうすぐなのに。ちょっと様子を見てきます。大丈夫そうなら、お通ししますね。」


クリス様はパタパタと上がっていった。

もう還暦近いとは思えないくらい、若々しい。
40代くらいにしか見えないのではないだろうか。


「マナ!マナ!!しっかりして!!」

クリス様の叫び声で、サアッと青ざめ。
彼の兄とともに駆けつけると、マナは息苦しそうに蹲っていた。


クリス様は彼を抱え、縦抱きにし、座らせる体勢にベッドに置き、枕を背に当てて、必死に背を擦る。

「お母様、お父様に調薬してもらう。医師も手配するから!」

アヴニール様はテキパキと動き、僕は呆然としていた。


「僕にもなにか………」

近寄ろうとすると、頼りなげなマナの手に拒絶される。


「悪いけど、今日は……」
クリス様に言われて、部屋を出た。

杖をついた彼の父が、アヴニール様に寄り添われて部屋に入るのと入れ違いになった。





拒絶に衝撃を受け、でも今は。彼の無事を願う。
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