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一話
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「あ、いたいた!こう!」
「おう!お疲れ様。はるか!」
駅の改札近くのオブジェの前でスマホをいじりながら改札をまっすぐ見つめる男性に明るく女性が話しかける。年は同年代ほどで、仲睦まじそうに見えた。この会話だけをみてしまえば、ただのカップルの駅の待ち合わせだと思うだろう。
"会話だけ"なら。
その女性は、ホームから50mもない、階段から上がってすぐの改札を出て来たはずだ。にも関わらず、200mでも走ってきたかのように息が上がっている。
男性は白い杖を持って立っていた。
「お前、走ったろーそれー。」
「走ってないもん!早歩きだよ早歩き!」
「えー?早歩きもダメですー」
「なんでよ~早く会いたかったの!」
「お前の身体の方が大事だろ?」
と白い杖を持った"こう"と呼ばれた男性は、"はるか"と呼ばれた女性に言う。
「んじゃ、行こっか!」
とはるかが、こうの手の甲を触ると、こうは、はるかの二の腕に捕まって、歩き出した。
周りの人を気にせずゆったりと。
なぜかこうは、左足を引きずっている。
が、少しはるかをこっちだと促すような速さだった。
対してはるかは、バタバタと走っていくスーツ姿のサラリーマンをよそにゆったりと歩く。
パッと見の印象では、どちらかというと活発そうな子なのだが…
そんな、二人の物語である。
「おう!お疲れ様。はるか!」
駅の改札近くのオブジェの前でスマホをいじりながら改札をまっすぐ見つめる男性に明るく女性が話しかける。年は同年代ほどで、仲睦まじそうに見えた。この会話だけをみてしまえば、ただのカップルの駅の待ち合わせだと思うだろう。
"会話だけ"なら。
その女性は、ホームから50mもない、階段から上がってすぐの改札を出て来たはずだ。にも関わらず、200mでも走ってきたかのように息が上がっている。
男性は白い杖を持って立っていた。
「お前、走ったろーそれー。」
「走ってないもん!早歩きだよ早歩き!」
「えー?早歩きもダメですー」
「なんでよ~早く会いたかったの!」
「お前の身体の方が大事だろ?」
と白い杖を持った"こう"と呼ばれた男性は、"はるか"と呼ばれた女性に言う。
「んじゃ、行こっか!」
とはるかが、こうの手の甲を触ると、こうは、はるかの二の腕に捕まって、歩き出した。
周りの人を気にせずゆったりと。
なぜかこうは、左足を引きずっている。
が、少しはるかをこっちだと促すような速さだった。
対してはるかは、バタバタと走っていくスーツ姿のサラリーマンをよそにゆったりと歩く。
パッと見の印象では、どちらかというと活発そうな子なのだが…
そんな、二人の物語である。
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