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「えっと・・おじさん、どうして泣いてその・・土下座を私にしているの?ここは何処ですか?」
おかしいな、私さっきまで病院のベッドで寝ていたはずなのに。
なのに白いこの場所にはおじさんと私しかいない。
しかもこのおじさんの服って、歴史の教科書でんと確か弥生人って人が着てたっていう白いお衣装着てる。
でも髪ぼさぼさで髭が嫌だな~。
「ああ!もう!!!私は馬鹿だ!」
へ⁉おじさん急にどうしたの!
「こんなに若い、しかも天使のようなお嬢さんを間違って死なせてしまうだなんて万死に値する!!」
ちょっと待って!今このおじさんなんかとんでもないこと言った!!
「・・おじさん・・」
声が震える・・だって、このおじさんさっき私を・・
「私・・死んじゃったの?」
もう・・みんなに会えないような遠くに行っちゃうの?
一週間前に風邪をひいてしまった。
私も先生たちも院の子たちも市販のお薬を飲んでいれば大丈夫だと思っていた。だっていつもそれでみんな治ってるから、今回も平気だって。
でも治らなかった。熱は下がらずそれどころか息するとお胸が痛くて、それを部屋の担当のおねいちゃん先生に言ったら慌てて病院に連れていかれて・・・それから検査して肺炎の軽いので点滴っていうのをして明日には院に・・かえれる・・・って・・「ふうぅ~・・うぅぅぅ・・」
帰れるって!
「うえぇぇ!!ふぅぅぅええ!!!」
帰して!私おうちに帰りたいよ!!!
だって私はたくさんの約束をみんなとしたんだよ!
莉緒ちゃんと真紀ちゃんの三人でお弁当を持って桜を見に行く約束を、院の一つ上のお兄ちゃん・お姉ちゃん達に卒業と入学のお祝いパーティーをみんなでしてハンドベルの演奏するって!
先生たちには院が出来て十年のお祝いをするって言って、院のみんなでハンカチに刺繍をしてもうラッピングするだけの状態にして!
「沢山の楽しいお約束したんだよ!みんな楽しみにして・・・約束は守らなくちゃいけないんだよ!!」
ああ~!本当に私はなんという罪深いことをしてしまったのだ!
自分が死んでしまった悲しさよりも、死んでしまったことで周りの者達との約束を反故にしてしまい、そのことで相手が悲しむことを嘆く昨今稀にみる天使を!選りにもよって死なせちまうだなんて私こそ死んでしまえ!!
・・・だがもう何を言っても事態は変えられない!ならば!!
「晴美ちゃん・・君はもう生き返れない。」
「そんな・・酷いよおじさん!なんでおじさんこんなひどい事を春にしたの⁉春が何か悪い事・・」
「していない!」
「ふぇ!」
しまった!春ちゃんが悪い訳ではないと言おうとして却って怯えさせてしまった。
可哀そうに、華奢な体が震えて黒く艶のあるまん丸の瞳からぽろぽろと涙をこぼして・・本当に私は最低だ!!
「・・・・おじさん?その・・大丈夫?」
しかも反対に慰められた!!
無精ひげが少し目立ち手入れをすれば見目好き青年になる現在ヘタレな春の世界の神様の一人である荒神は、己の存在を本気で抹消したくてたまらない状態だ。
手違いで他人様を、それも将来この世界を明るくしてくれたであろう子供を死なせてしまうは、ろくに説明もできずに怯えさせて、挙句自分に絶望して膝をついて落ち込めば慰められるわで、どっちが神様だかわかりゃしない!
もう数えるのも面倒だが、ン千年も神様やってるけれど、ここ数百年で稀に見る良い子を私がこの手で・・
「だぁぁぁ!!死んでしまえ私なぞ!!!」
パシン!
「へ?」
「おじさんの・・・ぶぁかぁぁぁぁ!!!」
え―――!!なんでそこで怒るのこの子⁉
普通間違って死なせたっていうところで怒るもんなのに、なにに怒った⁉
「死んじゃうなんて悲しいこと言ったら駄目なの―――!!!」
え―――――そっちですか!!
本当に私は・・・俺はなんてことしちまったんだ!誰か今すぐこの天使蘇らせてくれ!!この世界ぶっ壊れてもいいから!!!
おかしいな、私さっきまで病院のベッドで寝ていたはずなのに。
なのに白いこの場所にはおじさんと私しかいない。
しかもこのおじさんの服って、歴史の教科書でんと確か弥生人って人が着てたっていう白いお衣装着てる。
でも髪ぼさぼさで髭が嫌だな~。
「ああ!もう!!!私は馬鹿だ!」
へ⁉おじさん急にどうしたの!
「こんなに若い、しかも天使のようなお嬢さんを間違って死なせてしまうだなんて万死に値する!!」
ちょっと待って!今このおじさんなんかとんでもないこと言った!!
「・・おじさん・・」
声が震える・・だって、このおじさんさっき私を・・
「私・・死んじゃったの?」
もう・・みんなに会えないような遠くに行っちゃうの?
一週間前に風邪をひいてしまった。
私も先生たちも院の子たちも市販のお薬を飲んでいれば大丈夫だと思っていた。だっていつもそれでみんな治ってるから、今回も平気だって。
でも治らなかった。熱は下がらずそれどころか息するとお胸が痛くて、それを部屋の担当のおねいちゃん先生に言ったら慌てて病院に連れていかれて・・・それから検査して肺炎の軽いので点滴っていうのをして明日には院に・・かえれる・・・って・・「ふうぅ~・・うぅぅぅ・・」
帰れるって!
「うえぇぇ!!ふぅぅぅええ!!!」
帰して!私おうちに帰りたいよ!!!
だって私はたくさんの約束をみんなとしたんだよ!
莉緒ちゃんと真紀ちゃんの三人でお弁当を持って桜を見に行く約束を、院の一つ上のお兄ちゃん・お姉ちゃん達に卒業と入学のお祝いパーティーをみんなでしてハンドベルの演奏するって!
先生たちには院が出来て十年のお祝いをするって言って、院のみんなでハンカチに刺繍をしてもうラッピングするだけの状態にして!
「沢山の楽しいお約束したんだよ!みんな楽しみにして・・・約束は守らなくちゃいけないんだよ!!」
ああ~!本当に私はなんという罪深いことをしてしまったのだ!
自分が死んでしまった悲しさよりも、死んでしまったことで周りの者達との約束を反故にしてしまい、そのことで相手が悲しむことを嘆く昨今稀にみる天使を!選りにもよって死なせちまうだなんて私こそ死んでしまえ!!
・・・だがもう何を言っても事態は変えられない!ならば!!
「晴美ちゃん・・君はもう生き返れない。」
「そんな・・酷いよおじさん!なんでおじさんこんなひどい事を春にしたの⁉春が何か悪い事・・」
「していない!」
「ふぇ!」
しまった!春ちゃんが悪い訳ではないと言おうとして却って怯えさせてしまった。
可哀そうに、華奢な体が震えて黒く艶のあるまん丸の瞳からぽろぽろと涙をこぼして・・本当に私は最低だ!!
「・・・・おじさん?その・・大丈夫?」
しかも反対に慰められた!!
無精ひげが少し目立ち手入れをすれば見目好き青年になる現在ヘタレな春の世界の神様の一人である荒神は、己の存在を本気で抹消したくてたまらない状態だ。
手違いで他人様を、それも将来この世界を明るくしてくれたであろう子供を死なせてしまうは、ろくに説明もできずに怯えさせて、挙句自分に絶望して膝をついて落ち込めば慰められるわで、どっちが神様だかわかりゃしない!
もう数えるのも面倒だが、ン千年も神様やってるけれど、ここ数百年で稀に見る良い子を私がこの手で・・
「だぁぁぁ!!死んでしまえ私なぞ!!!」
パシン!
「へ?」
「おじさんの・・・ぶぁかぁぁぁぁ!!!」
え―――!!なんでそこで怒るのこの子⁉
普通間違って死なせたっていうところで怒るもんなのに、なにに怒った⁉
「死んじゃうなんて悲しいこと言ったら駄目なの―――!!!」
え―――――そっちですか!!
本当に私は・・・俺はなんてことしちまったんだ!誰か今すぐこの天使蘇らせてくれ!!この世界ぶっ壊れてもいいから!!!
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