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プオレッラ

タダより高いものはない

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「そんな、タダなんて困ります。我が家にはトンットゥがいますので
 ミルクは必需品です。これからも長いお付き合いをさせて頂きたいので
 ぜひお支払いさせてください。」

お供えのように手渡されそうになり、慌ててお金を渡した。
最初は恐縮して受け取ってくれなかったが、家族みんなで説得し
なんとか受け取ってもらえた。

「なんだか、申し訳ないですよ。眷属様は大事なお方なのに。
 今までも何度か眷属様にご来店いただきましたが、お金無理矢理渡されたのは
 初めてですよ(苦笑
 私はアリアっていいます。旦那は店名と同じでペッテリ。
 一人娘のアイノと2人で魔牛の世話に出ておりますので、眷属様にご挨拶できず
 残念がりますよ、きっと。」
「アリアさん、これからも5日に1度程ミルクを買いに伺います。そのたび15瓶は
 購入いたしますが、在庫は大丈夫ですか?」
「もちろん、しっかりご用意いたします。なんなら配達も請け負いますよ。」
「いえ、ポーションをギルドに納品しがてら伺いますので。」
「ポーション!毒消しも納品されます?」
「はい、通常・ハイ・エクス・マナ、あと毒消しを納品予定です。」
「助かります。牡の魔牛は角先に毒を持っているので、毒消しが必須なんですよ。
 後、出産時には牝の魔牛にポーションを飲ませているんです。
 酪農家には必須アイテムなんですよ!」

なんと、魔牛もポーション飲みますか!

「初めまして、養い子の長女 めりー って言います。
 もしよかったら、ポーション類とミルクを交換していただくのは可能ですか?」
「もちろんですよ。ギルドで買うと毒消しは1本150マルッカなんで
 ミルク15瓶・・・いや16瓶と交換でいかがですか?」
「ありがとうございます。ポーションは必要ないですか?」
「牝魔牛の出産時には必要ですが、早くに買っても鮮度が落ちてしまって・・・」
「なら、出産がありそうな時にお声をかけてください。その時お売りしますよ。
 ギルドでは100マルッカでしたので、90マルッカにします!」

めりー がミルクの安定供給のために交渉してくれました。
しかも、ギルドの買取価格と同じ値段でアリアさんに販売して
損が出ないようにしています。素晴らしい営業!

「お安くしていただけるんですか?助かります。
 なら、ぜひそのお取り引きでお願いします。ありがたいわぁ。」
「今後もミルクをずっと買わせていただくんですから、それくらいしないと。」
「あの・・・魔肉買ってもらうことってできますか?」

もか もアリアさんと交渉し、獲物を多く仕留められた時は、
買い取ってもらうことにした様です。
みんな生活力があって頼もしい限り。私は・・・情けないです(泣
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