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プオレッラ

第三村人は兎

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もか がいそいそとリュックから魔兎の毛皮と魔鴨の羽毛をケースに入れ
イーダさんの待つカウンターに載せた。

「お願いしまっす!」
「元気ですね(笑 あら、どれも傷なくきれいな状態ですね。
 あなたはとっても狩猟が上手なのね。」
「わたし、もかち っていうんだよ。これからいっぱい持ってくるね!」
「はい、よろしくお願いしますね(笑」

上手に営業している もか。頼もしいなぁ。

「奥で、職員に査定させてきますね。少々お待ちください。」

イーダさんが、ケースを後ろの職員に渡す。奥には解体場と倉庫があるようだ。

「すいません、ちょっと教えてください。」

めりー がイーダさんに声をかける。

「はい、何なりと。」
「初めてこの村プオレッラに来たので、相場がよくわかりません。
 ミルクが欲しいんですが、相場はいくらですか?」
「1瓶10マルッカが相場ですね。この村だと
 露店街の先にある、ペッテリ魔肉店が乳製品も扱っていて
 鮮度が良いと評判です。」
カラー首輪はどこで売っていますか?」
「ギルドでも少々扱っておりますが、露店のほうがかわいい物が多いですよ。
 だいたい300マルッカ位から販売しています。」
「評判が良い露店はありますか?」
「申し訳ありませんが、カラー首輪を随時販売している露店はありませんので、
 どことはお伝え出来ないのですが防具屋のものは強度はありますが
 センスが少々・・・。皆さんがつけるのならば、宝飾屋のものをお勧めします。」
「ありがとうございます。またわからないことがあれば教えてください。」
「どうぞ、お気軽にお聞きください。」

めりー がいろいろとイーダさんに質問してくれて助かった。
私は、やっぱり緊張していてなかなか話しかけられなかったんだ。

「ごめんね、めりさんにすっかり頼っちゃったね。」
「お母さん、大丈夫よ。めり がいろいろ聞くから見守っててね。」
 
毛皮の査定が終わり、あわせて1800マルッカになり
この予算内でカラーを買おうとみんなで決めた。
ギルドの待合をちょっと借りて、お茶休憩。
くり がイーダさんヴェーッティさんにも、アイスレモンティーをふるまった。

「どうぞ、おいしいから飲んで。」
「あら、お嬢さんが作ったの?ありがとう・・・ほんとにおいしいわね!」
「なんだか、気分がすっとして元気が出てくるぜ。お嬢ちゃんありがとな。」

二人からお礼を言われて、恥ずかしそうにしている くりす に もか が

「よかったね、くり姉。食いしん坊が役に立ったね!」
「うるさい。食いしん坊 関係ないもん。」

そんなやり取りを聞き、みんなで笑った。
私の緊張もちょっとだけほぐれ、イーダさんに話しかけることができた。

「イーダさん、今後もポーションを持ち込みますので よろしくお願いします。」
「ありがとございます。ぜひ、お待ちしております。」

そう挨拶を交わし、ギルドを後にした。
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