優しい世界で、優しい時を。

みんなに会いたい

お家探検

「さぁ、お母さん。おうちに入って！」

めりー がそう言って手を引いてくれる。
家の中は外から見るより広く、そんなに大きな窓はないのにとても明るい。

「まま、びっくりした？ここ広いのよ。最初にきた時 ぱるこ びっくりしたの。」

ぱある が言う通り、確かに広い。
左手奥に広いキッチンと裏に出られそうな扉。
キッチン横には何故か大きな鍋？釜？がある。
キッチンの横には大きなテーブル。みんな一緒に食事ができそう。
右手には大きな本棚と薪ストーブ。
ストーブのそばには、可愛いパッチワーク柄のソファとフカフカの大きなラグ。
玄関左脇には小部屋がある。ここは...浴室だ。
こちらも中は予想以上に広く、みんなでいっぺんに入れそう。

いろいろ見て回っていると、右奥に階段があった。

「ここから2階に上がると寝室だよ。でーっかいベッドを用意しておいたよ。
　とっても素敵にできたから、早く見てよ！」

コタが胸を張って誇らしげに教えてくれた。
2階には大きなベッドと本棚、クローゼットとサイドテーブルがあった。
畑に面してベランダがあり、日当たりも良さそう。
ベットの上には天窓があり、そこからも光が入ってくる。
ここにも本棚いっぱいの本。

「ねぇコタ。このお家にはいっぱい本があるのね。
　私この世界の文字読めるかなぁ？前の世界と同じだといいんだけど。」
「雪 は、トゥーリ様から言語理解を授かっているから　
　この世界の言葉はちゃんとわかるし、読み書きもできるよ。
　あと、インベントリ空間収納も授かってるはずだよ。聞いてないの？」

そういえばトゥーリッキ様は詳しいことは めりー に聞いてって言ってたっけ。
わりと大雑把な女神様だね(笑

「お母さんごめんね。家の中見たら、お茶しながらお話ししようと思ってたの。」

とすまなそうに めりー が言う。
この子は本当にしっかり者だなぁと、親バカなことを思った。
気にしないでと めりー の頭を撫でてやると、手に頭を擦り付けてくる。
そうそう、めりー はなでなでが好きなんだよねぇ。

「まま、ぱるこ もなでてほしいのよ。いっぱいなでなでしてほしい！」

階段を降りながら、ぱある が手にじゃれつく。甘ったれ全開だ。
これも以前からのぱあるの仕草。

1階に戻ると くりす がお茶の用意をしてくれていた。
もか は...ラグに上に座り、ぺルトと一緒にぼぉーっとしている。
昔から元気スイッチが突然切れてぼぉーっとする癖がある もか。
こっちでも相変わらずなんだね。

「おかあさん、お茶淹れたよ。あと、かぼちゃのクッキーもあるよ。
　これ前におかあさん作ってくれたよね。今日は くり が作ったよ！」