神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜

オークション 1

「さて！一品目はこちらだ！！全ての魔法耐性が5%アップする指輪、精霊の指輪フェアリーリングだ！！

全属性5%耐性か…なかなかいい品だが、これくらいなら俺も作れる。
いや、俺なら全属性耐性10%はいけるだろう。

「1万ゴールド！！！」

「1万5000！」

「俺は2万だ！！」

冒険者たちが次々と手を挙げ、額を上げていく。
負けず負けずとどんどんと価格が上がっていき、ついに7万ゴールドまで上がる。

「えぇぇい！！7万5千！」

「おっとここで7万5千が出た！決まるか？……決まったぁぁ！！落札者はヴェインだ！！」

ついに一品目の落札者が決定した。
精霊の指輪フェアリーリングを落札したのはいかにも魔法使いという格好をしたヴェインという冒険者だ。

「あーあ7万5千は出し過ぎじゃねぇか？」

「確かにな。」

やはり精霊の指輪フェアリーリングの落札価格は冒険者たちから見たらかなりお高めのようだ。
たしかに俺でもあれに7万5千は出さない。

「さぁ、どんどんいきましょう！！次はこちら！！無限脱出石だ！！1万からスタートでいきましょう！」

ほぅ、あの脱出石の制限が無くなったバージョンか。これはかなりいいんじゃないのか？

「おっと？誰も出ないのか？」

なぜだ？かなり優秀なもののはずだ。俺も一度ゴブリンの本拠地でお世話になったものだ。なのに誰も手をあげない。

「階層の入り口に戻れば帰れるしなぁ」

「てか脱出石なんて使ったことないぜ。」

そういうことか。冒険者はまだ俺と違ってダンジョンしか潜っていない。だから脱出石を使う機会がないのは当たり前だ。

「まさかの落札者はなしか？」

「買います！！！」

司会者が次の商品へと移ろうとしたため急いで手をあげる。
周りからは驚きの視線が集まる。

「おっと手が上がったぞ？他にいないか？いないのか？」

「ライトまじ？」

「はい。一万でこれが買えるならかなりお買い得だど思います。」

「みんなも言ってるが脱出石なんて使ったことないが…」

「まぁあとでこれも説明します。」

「決まったぁぁ！落札者はライトだ！！」

よし。かなりいい買い物ができた。他にはどんな面白いものがあるのか楽しみになってきたぞ。

その他も珍しい魔物の素材や、空飛ぶブーツ、弱い魔物が寄ってこなくなる香水やその逆の効果がある首飾りなど面白いものがたくさん出てきた。
だが、どれも自分でなんとかできるため購入はしなかった。

そしてついにオークションがクライマックスとなった。

「さて次はいよいよ皆さまお待ちかね、マベリックの装備になります！」

「うぉぉぉぉぉぉぉ！」

「待ってたぞ！早くしろ！」

おぉ、かなりの人気だな。今までのオークションは張り合いがないオークションだったが、これからはかなり白熱しそうだ。

「よし、龍。全ての財産を賭けてでも一つは落札するわよ。」

「うん。ギルド戦で勝てば元が取れるだろうしね。」

そうか。この二人はチームだから二人で合わせてお金を出せるのか。
合計でどのくらいまでなら出すのだろうか。

「ちなみにお二人の予算はおいくらですか？」

「二人合わせて300万だよ。」

「え、それなら絶対落札できると思いますけど…」

「何いってるのよ。今のマベリックの価値を知らないの？三つのグレードのうち一番低いのでも1万はするわよ。そっから丸が一つずつ増えていくの。」

武器屋のおじちゃんに任せているから忘れていたが、そういえばそうだった。

だが、最高ランクになる武器は今までに2本しか作っていない。まだ一つも売れていないはずだ。

「ではいきましょう。一品目はこちらだ！！」