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鍛冶師 マベリック

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グラムズの特訓が終了し、二週間ほど経過したが、特訓が終了しても俺は装備製作を毎日行い、大量の装備を製作し、売り出した。
そのおかげもあり俺のレベルは42レベルまで上昇した。

だが、やはりダンジョン外での魔物は強い魔物が少なく、ダンジョン内でチマチマと素材を集めるしかなかった。

そのためダンジョン攻略も自然と捗り、25層ボスを討伐し、30層ボス直前まで攻略した。





メッセージが届きました。



「お、花凛からだ。」


[クランについて]
連絡遅くなってごめん!
クランについてだけどもう5日ほど前に創立できてかなりメンバーも集まってるわ。
クラン戦は3日後よ。それまでにクランに参加申請を出しといて!
じゃあまた!


「クラン戦は3日後か。とりあえず申請だけ出しとこう。」

とりあえず忘れぬうちにクラン参加申請を出し、いつものように製作した装備を武器屋へと持っていく。

俺の装備の知名度はかなり上がってきた。なので最近は身バレ防止のためにトレードマークである狼に倣い、狼の仮面をして装備済だ。

「おい!おっちゃん!この前買った剣すぐ壊れたんだけどこれどういうことだよ!」

「そんなこと言われてもなぁ…」

俺が武器屋の中に入ると武器屋のおじちゃんと冒険者プレイヤーがすこし揉めている。

どうやら以前買った武器が壊れた事についてのクレームのようだ。


「お!いいとこに来た!ちょっとこいつの剣を見てくれないか?」

「わかった。」

ちなみに雰囲気を出すために喋り方も変えてある。
狼の仮面に淡々とした口調。完璧なキャラ作りだ。

「お、おい。俺の剣だぞ!勝手に触るな!」

俺は男の言っていることを無視してその剣を手に取る。

「これは…俺の初めての作品だな。」

「お前のもんか?変なもん売りつけやがって!」

「人の作品を変なもの呼ばわりか。まぁ仕方ないか。」

俺の作品を貶されたことは少し腹が立ったが拙い作品を売り出したのは俺だ。それに自分でも買ったものがすぐに壊れてしまったら苛立ちを感じるだろう。

俺は壊れた剣を手を当て、鍛冶術を発動させる。

「お、おい!なにを勝手に!」

「ほら、治ったぞ。これなら簡単には壊れないはずだ。」

「なっ…!ち、違う俺はこんなことをしてもらうために来たんじゃない!マベリックの剣を買いに来たんだ!」

どうやらこの冒険者は俺の剣を買いに来ていたようだ。
だがまだ直した剣が俺の剣(マベリック製)だとは知らないようだ。

レベルが上昇し続けていたからもしかしたらと思ったが、やはり俺の名前もかなり広まっているようだ。

「なら良かったじゃねぇか。マベリック直々に剣の手直しをしてもらえてよ。」

「どういうことだ?」

「言葉の通りだ。その兄ちゃんが正真正銘[鍛冶師 マベリック]だぞ。」

「え!でも俺の剣にはマベリックの銘は掘ってないぞ!」

「ここにあるぞ。」

「本当だ…。あんな技術見せられたら文句も言えねぇ。お代はいくらだ?」

「お代はいらん。俺の初作品で嫌な思いをさせてしまったお詫びだ。」

「いや!それじゃあ俺の気が治らん。」

「じゃあこれからも俺の装備を使用してくれ。それだけだ。」

「なにを言っても無駄か。勿論これからも使わさせてもらう。じゃまた。」

どうやら丸く収まったようだ。
目の前で鍛冶術を見せることにより俺の技術はわかってもらえたはずだ。これが広まればさらに知名度うなぎ登りだ。

「ありがとな兄ちゃん。」

「あぁ。」

「その喋り方疲れないか?」

「大丈夫だ。」

「仮面はそのままでいいから喋り方は元に戻していいぞ。」

「…ふぅ。ありがとうございます。ははは、慣れないことすると疲れますね。」

「ちげぇねぇ!それで今日はどんなもん持ってきたんだ?」

「25層ボスの素材を使用したBOSSシリーズの剣です。」

「あのシリーズか。これもまだ売らんのか?」

5階層ごとに設置されているボスを周回し、素材を集め製作したシリーズ武器だ。
だがまだ一つも売らず、ショーケースの中で展示して客に見せつけていた。

「いえ。今まで作ってきた BOSSシリーズをすべてオークションという形で一気に売り出そうと思ってます。」

「なるほど。いつオークションを開催する?」

「明後日の昼します。」

「おっしゃ!じゃあちょうど昼に開催するから兄ちゃんも遅れずこいよ。」

「わかりました!ではお願いします!」

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