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報酬騒ぎ
しおりを挟むPVPに勝利したため相手の全財産を獲得しました。
フィールドを解除します。
「「「うぉぉぉぉ!!」」」
PVPが終わり専用のフィールドが解除される。フィールドの中からでも外の熱気は伝わってきたがフィールドが解除されると一気になだれ込むように熱気や歓声が伝わってくる。
大穴ねらいの俺にかけた冒険者はかなり儲けれたようだ。
ひとまず報酬を確認してみようと思う。
報酬一覧
・飛刃の剣
・ウッドロッド
・狩人の弓
・鉄の剣×3
・鉄の胸当て
・鉄のレギンス
・魔法使いの帽子
・魔法使いのローブ
・鉄の盾
・飛竜の胸当て
・守りの指輪
・疾風の指輪
・インテリ眼鏡
・回復ポーション(小)×5
・回復ポーション(中)×2
・魔力ポーション(小)×3
・みがわりいし
・脱出石
・230000ゴールド
「すごいな…。」
初心者狩りの冒険者に勝ったことにより相手の全財産を報酬としてもらうことができた。
苦労させられたあの飛ぶ斬撃はこの[飛刃の剣]のせいだったのか。他にも面白そうなものがある、あとで試してみようと思う。
それにまさかこんな簡単に魔導書代が稼げるとは思わなかった。
歓声は未だ止まないがそんなことは放っておいてさっさとボス戦へ行こうと思う。
「待ってくれよ、お前強いな!じゃ、俺たちのアイテム返してくれ。」
「はい?」
「だからあいつに盗られたアイテムを返してくれって言ってるんだ。」
「え、嫌ですけど。」
「あ?もともとは俺たちのアイテムだろうが!」
「あなた達だって全財産を賭けての勝負をしたんですよね?それで負けてアイテムを取られたのにまだ自分のものだって?取られたと盗られたを一緒にしないでください。」
まさか俺が勝ったことにより自分たちが負けて取られたアイテムを返せと言ってくるとは思わなかった。
そういえばPVPをせずに戦いをした場合はどうなるんだ?なぜあいつはそうしなかったのだろうか。
「なら仕方ねぇ力ずくで奪うまでだ。」
数人の冒険者が俺に各々の武器を向ける。
疑問に思ったがどうやら深く調べずともすぐにわかるようだ。
「おい!お前ら追われる身になっていいのか?」
俺が剣を構え戦いに備えると一人の強面の大剣を背負った冒険者が大きな声を上げる。
一体追われる身とはどういうことだろうか。
「ちっ…なら俺とPVPしろ!」
「俺もだ!戦いやがれ!」
一人の強面の冒険者のおかげで多対一で戦うことは避けれた。しかし目の前には大勢の冒険者からのPVPの招待が表示されている。
もちろん俺はそれを全て却下する。
「おい!勝負しろ!」
「ちょっと落ち着け。この兄ちゃんは好き勝手にやってたやつ倒して俺たちの鬱憤を晴らしてくれただろ?それにあいつに勝ったこいつの強さ見ただろう。俺らレベルじゃ勝てるわけがない。」
「ぐっ…確かにそうだが…」
「ここで敵対するより仲良くなっといたほうが俺は断然いいと思うけどな。」
「…そうだな。悪かったな。」
おっ、どうやら強面の冒険者が冒険者たちを上手くなだめてくれたようだ。
先ほどまで俺に殺気をつけていた奴らが俺に謝罪をしてくる。俺も剣を鞘に戻し戦闘態勢を解き、助けてくれた冒険者に声をかける。
「助かったよ。ありがとう。」
「いいってことよ!あんたに恩を売っとく方が断然ためになると思うしな!」
「はは、買いかぶりすぎですよ。」
「謙遜すんなや、すげぇ強いんだな。あ、俺はアモン。お前さんの名前は?」
「俺はライト。よろしく!」
「あぁ、よろしくな!」
アモンが大きな手を差し出し友好の証として握手をする。
この人のように瞬時に場を判断して収められる人との関わりは俺にとってもいいことになるはずだ。
「そういえば、冒険者に攻撃すると追われる身になるとか言ってたけどどういうことですか?」
「知らないのか?申請型のPVPでなくPKしたりすると冒険者資格を剥奪されて違反者扱いにされるんだ。」
「そうなるとどうなるんですか?」
「まず頭上に違反プレイヤーマークが表示される。違反度合いによって色が変わるがそのマークが表示されたら街の施設が使用できなくなるな。」
施設が使用できなくなるのか…それはかなり痛いな。武器の新調や宿屋での回復、クエストも受けれなくなるのか。
「解除するにはどうするんですか?」
「ギルドに行って違反金を支払うと解除できる。だがかなりの高額と聞く、それに二つの冒険者ランクダウンだ。下手なことはしないことがオススメだな。」
なるほど…牢屋などがない代わりに高額の罰金と冒険者にとってはかなり痛いランクダウンか。
だからさっきのやつは俺にPVPを申し込んできたってわけか。
「それだけじゃねぇ、赤色マークになると賞金首の仲間入りだ。冒険者に狙われての生活になるな。」
「殺された賞金首はどうなるんですか?」
「普通の冒険者と同じように所持金とアイテムの2~3割を取られて再復活だ。もちろんマークは消えねぇ。」
「ずっとマーク付いて賞金首ならギルドに行けなくないですか?ずっと狙われ続けるんだし…」
そうだ。一度赤マークが付いてしまったらギルドでお金を払って解除なんて不可能じゃないか?
「街の中は非戦闘エリアだ。だが賞金首だ解除に必要なお金を集めるのが不可能に近いと思うがな。」
確かにそうだ。お金集めのためにダンジョンに入ったとしてもマークのせいで魔物も冒険者も相手しなくてはいけないのだ。赤マークがついたら積みゲーだ。
「ま、余程のことしなきゃ赤マークなんて付かんと思うがな。」
「やはりPKは一発赤なんですか?」
「そうだな。さっきみたいな場合はそうなる可能性が高いな、だが襲われた場合は流石に正当防衛扱いになるはずだ。」
「そうなんですね。本当に色々教えてくれてありがとうございます。」
「おうよ!ところで一人でボスに挑戦すんのか?」
「はい!あ、でもどんなボスかは言わないでくださいね、楽しみにしてるので。」
「戦闘狂みたいな言い方だな…。ま、兄ちゃんなら平気そうだな!頑張れよ!」
「ありがとうございます!ではまた!」
俺はアモンと別れの挨拶を交わす。
ちなみにアモンとはフレンド登録済みだ。
予定はだいぶ狂ってしまったがついに念願のボス戦だ。俺は気を引き締めて五回層への道へ足を踏み入れた。
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