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不穏な影
しおりを挟む「だいぶ強くなったな。」
やはりダンジョンは倒してもすぐに魔物が再出現するため経験値、スキル上げに向いている。お陰でレベルも6から17まで上昇することができた。
2階層に用はないため3階層へ降りることにする。
「…2階層と景色変わらないのきついな…」
3階層も2階層と同じで草原だ。しかしやはり魔物は少しかわり、今回は鳥型の空を飛ぶ魔物が存在している。
三階層にいる冒険者は弓や魔法などでその魔物に対応しているようだ。
「うーんこの階層はまた今度来ようかな。とりあえず5階層まで直行しよう。」
立ちふさがる魔物は容赦なく切り捨てるが今回は2階層のように自分から戦闘しに行くのはやめようと思う。
とりあえず早く闇の街に行きたいからだ。もしお金が足らなくてもダンジョンはどの街からでもいけるため闇の街についてからでも稼げるはずだ。
「痛っ!クソ…そう簡単には行かせて来れないか。」
俺が4階層への道を見つけようとしていると空を飛んでいる鳥が急降下し俺に嘴で攻撃をしてくる。
咄嗟に振り返り剣を振るがその時には鳥の魔物は空高く逃げてしまっている。
「ぐぬぬぬ。なら【火魔法LV.2】を試してみるか。」
先ほどは【火魔法LV.1】しか試さなかったので【火魔法LV.2】も試してみようと思う。使える技は以下の通りだ。
【火魔法LV.2】
・火弾LV.2
・火矢LV.1
・火拳LV.2
やはりLV.2になってもそこまで種類は多くないようだ。火拳は使用しても攻撃が当たらないはずだ。今回は強くなったであろう火弾と火矢を空飛ぶ魔物に試してみようと思う。
「火弾!」
【火魔法LV.1】の火弾と同じように片手を前に出し魔法を発動させる。だが以前の火弾と違いMP消費量は同じだが
手から放たれる火弾は以前よりも一回り大きな火の弾だ。
「おぉ!凄い!」
巨大な炎の弾は一直線に空飛ぶ魔物へ飛んでいく。魔物は俺の攻撃に気づき、避けるが羽に炎の弾が掠める。
「ギュェ?」
制御を失った鳥の魔物が地面に落下する。それを剣で刺し殺す。
「迫力は凄いけどやっぱり速度が遅いと使いにくいな。」
速度が遅いと魔物に避けられてしまうためあまり戦闘には使いにくいだろう。
攻魔が高ければ変わるのかもしれなが、俺は全て素早さにGMポイントを振っているためこれ以上のものは求められないだろう。
「次は火矢か。」
俺は火炎弾と同じように片手を前にして魔法を発動させる。
「火矢!」
俺が魔法を発動させると先ほどと同じ様に体からMPを持っていかれ、手の先から3本の火で構築された矢が浮かび上がる。その矢を鳥の魔物めがけて発射させる。
「ギュェェェ!」
「よし!」
今回の魔法は速度が速く3本中2本が鳥の魔物を直撃し、撃ち抜く。
これはかなり速度が速いため使いやすいだろう。
「よし、邪魔者はいなくなったな。」
邪魔な魔物を倒し目的の4階層への道を探すために走り始める。
途中も何度か魔物に遭遇するが向かってきたところを合わせるように剣で切り裂き、遠いところにいる敵は火矢を使用し撃墜させる。
「ふぅ、やっと見つけた。」
少し走ると4階層への道を発見するがその前には二人組の男女の冒険者パーティーと少し離れて後ろに一人の冒険者がいる。
しかし後ろにいる冒険者は剣を握りしめ、後ろから二人の冒険者を攻撃しようとしている。
「危ない!」
俺は脚に力を込め猛ダッシュで近づく。
後ろの冒険者が振り下ろした剣が冒険者に当たる寸前のところで俺の剣を滑り込ませ攻撃を阻止する。
「下がってください!」
襲われそうになっていた冒険者も俺の声と剣と剣がぶつかる金属音によって今の状況を察した様だ。
「た、助かる!」
「えっ?なに?」
訂正しよう。女性の方は未だ状況がつかめていない様だ。それも無理ない。いきなり金属音がなり、後ろを見たら見知らぬ冒険者二人が向かい合い剣を握りしめているのだ。
「話は後だ!あの冒険者を助けるぞ!」
「わ、分かった!」
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