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第2章 獣人の章
08 騎士国家イーグルへ
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「お前達待て。」
枢は自国へと帰還中の使者に追い付き呼び止めた。
「…なんでしょうか?殺しに来たのですか?」
「別に獣人国に手を出さないなら殺す気は無い。俺が用があるのは軍事国家ラインセットだ。あの国にデカイ貸しがある事を思い出してな。お前等、正直なところラインセットと戦になったら勝てるのか?」
使者は黙って下を向いていた。そして、その重い口を開いた。
「勝てる訳無いじゃないですか。兵の練度こそ我が国の方が上ですが…、所詮は小国。大国ラインセットに全軍で掛かられたら負けますよ。あの国の軍事力は少なくとも我が国の30倍はあるでしょう。」
「イーグルの総兵力は?」
「…10万です。」
正直だな。まぁ信じちゃいないが。
「敵は300万か。大した事は無いな。」
「え?」
枢はイーグルの使者達に言った。
「今回だけ戦に混じってやるよ。だが勘違いするなよ?仲間になる訳じゃないし、同盟を組む気も無いからな。お互い共通の敵を前に一時的に手を組むだけだ。まぁ、俺1人だがな。」
「ひ、1人?1人混じった所で何が出来ると…!」
「あん?何でも出来るが?例えばラインセットを大地ごと消し飛ばしたり、人間だけを蒸発させたりな。だがそれじゃ面白くないし、スッキリしねぇんだよ。奴等は俺の妻をいたぶってくれたからなぁ。苦しめて苦しめて殺してやるんだよ。」
「そ、そうだったのか…。妻を…。分かりました。姫王様には私から進言致しましょう。共に力を合わせて怨敵ラインセットをぶっ潰してやろうではありませんか!」
枢は差し出された使者の手を握った。
それから枢は使者達の馬車に揺られ、騎士国家イーグルの首都【リラ】に向かった。リラは国の中心に位置し、そこに王が居る城もあった。
「…田舎だなぁ。」
「はは、小国ですから。我が国は資源があまり豊かでは無いのです。主な産業は林業と農業ですね。主要作物はコメと言う…」
「米?米って…稲から取れる穀物か!」
枢は思いっきり食いついた。
「え、ええ。ご存知で?」
「勿論だとも!成る程、水田に見えたあれは間違い無かったか!」
「…城に着いたら食べてみますか?戦時用に備蓄してあるので。」
「食う!早く案内しろっ!急げっ!」
枢は馬にバフを掛け、馬車の速度を上げた。
「ちょっ!?うわっ、は、速いぃぃぃぃぃっ!?」
「急げ急げっ!」
「「「「うぁぁぁぁぁぁぁ……!?」」」」
城に着く頃、使者はぐったりと疲れ果ててしまっていた。
「な、何て無茶な事を!」
「無茶?どこが?だらしないぞ。」
「こ、この人はおかしい…。」
使者はフラフラとした歩みで馬車から降り、枢に城内を案内した。城は中々に立派で、訓練場では騎士達が必死に訓練を重ねていた。
「行き先は食堂で宜しいでしょうか?それとも先に姫王様に謁見します?」
「あん?食堂に決まってんだろうが。姫王とやらには興味は無い。米を出せ米を。」
「はぁ、では此方へ。お前達は先に姫王様に報告に行ってくれ。私は枢殿を食堂に案内してくるよ。」
「はっ!」
他の使者達は姫王とやらの所に向かった。枢はそのまま使者と別れ、食堂に通された。
「米の香りがする…!」
「分かるのですか?」
「ああ。主食だったからな。気が変わった。同盟の件、考えてやっても良いぞ。」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ。ただし、交易のみだ。それと、品の受け渡しは俺が担当する。獣人は人間を嫌っているからな。悪いが国には入れられない。」
「いえ、交易だけで十分ですよ!獣人国には沢山の資源が眠っていますからね。いや、有難い!」
「慌てるなよ。決断は米を食ってからだ。ほら、早く早く。」
「は、はい!只今っ!」
使者は厨房へと走り、急いで膳をもち戻って来た。
「おいおい…マジかよ!味噌汁か!」
「ミソスープまで知ってるなんて…。貴方実はイーグル人とかじゃ…。」
お膳には皿に盛られた白米、焼き魚、焼き海苔、味噌汁がのっていた。枢は箸を使い、それをじっくりと噛み締め味わった。
「美味い…。やはり米は良い…!魚の塩加減も抜群だ…。くぅっ…!来て良かった!」
「お気に召した様で何よりです。我が国にはこれ位しか特産品がありませんので。」
「これは守るに値する。安心しろ。イーグルは俺の庇護下に入れてやろう。侵略されそうになったら俺に言え。全力で守ってやろう。」
「それは…本当でしょうか…?」
枢の後ろから女性が話し掛けて来た。
「ひ、姫王様!?姫王様が食堂に!?」
「ん?あんたが姫王とやらか?」
枢は後ろを向き声の主を見た。
「ほう。これは中々…。」
「ふふっ、面白い御方ですね。初めまして。私がイーグルの代表、【セラ・イーグル】です。貴方は八神 枢様で宜しいでしょうか?」
「ああ、俺が八神 枢だ。もう報告は受けたのか?」
「ええ。何でも我が国に味方して頂けるとか。それに…何か面白い事になっているみたいですね。お米…好きなのですか?」
「勿論だ。これを守る為ならラインセットなど直ぐにでも滅ぼしてやろうじゃないか。」
「まぁ…♪頼もしいですわ…。しかし、疑う訳ではありませんが…、私達は貴方様の強さを知りません。貴方は馬車の中で言ったそうですね。1人で十分だ…と。」
「ああ。たったの300万位余裕だ。お前達は出なくて良い。明日、俺がラインセットを潰してやる。潰した後はイーグルにくれてやるよ。」
セラは枢の手を取り胸に抱いた。
「もし…もし貴方がイーグルを守り通せたなら…、私は今後貴方に従うと約束しましょう。私…結構あるんですよ?」
「みたいだな。まぁそれは楽しみに取っておくとしよう。」
「あら、意外に紳士的…。一回位は覚悟してましたのに。」
「妻がいるって言ってるだろ?人間の、しかも王族なんかにゃ簡単に手は出せねぇっての。あまり安売りするもんじゃねぇぜ?」
「安売りなんてしませんよ?寧ろ足りてない位です。国を守って頂けるのですから…。」
「まだ何もしちゃいねぇからな。さて…飯も食ったしもう行くわ。姫王様はゆっくり寝て待ってな。ラインセットの皇帝の首、持ってきてやるよ。」
セラはにっこり笑って枢に言った。
「宜しく…お願い致します。」
こうして、枢は米の為に動く事を決めたのであった。
枢は自国へと帰還中の使者に追い付き呼び止めた。
「…なんでしょうか?殺しに来たのですか?」
「別に獣人国に手を出さないなら殺す気は無い。俺が用があるのは軍事国家ラインセットだ。あの国にデカイ貸しがある事を思い出してな。お前等、正直なところラインセットと戦になったら勝てるのか?」
使者は黙って下を向いていた。そして、その重い口を開いた。
「勝てる訳無いじゃないですか。兵の練度こそ我が国の方が上ですが…、所詮は小国。大国ラインセットに全軍で掛かられたら負けますよ。あの国の軍事力は少なくとも我が国の30倍はあるでしょう。」
「イーグルの総兵力は?」
「…10万です。」
正直だな。まぁ信じちゃいないが。
「敵は300万か。大した事は無いな。」
「え?」
枢はイーグルの使者達に言った。
「今回だけ戦に混じってやるよ。だが勘違いするなよ?仲間になる訳じゃないし、同盟を組む気も無いからな。お互い共通の敵を前に一時的に手を組むだけだ。まぁ、俺1人だがな。」
「ひ、1人?1人混じった所で何が出来ると…!」
「あん?何でも出来るが?例えばラインセットを大地ごと消し飛ばしたり、人間だけを蒸発させたりな。だがそれじゃ面白くないし、スッキリしねぇんだよ。奴等は俺の妻をいたぶってくれたからなぁ。苦しめて苦しめて殺してやるんだよ。」
「そ、そうだったのか…。妻を…。分かりました。姫王様には私から進言致しましょう。共に力を合わせて怨敵ラインセットをぶっ潰してやろうではありませんか!」
枢は差し出された使者の手を握った。
それから枢は使者達の馬車に揺られ、騎士国家イーグルの首都【リラ】に向かった。リラは国の中心に位置し、そこに王が居る城もあった。
「…田舎だなぁ。」
「はは、小国ですから。我が国は資源があまり豊かでは無いのです。主な産業は林業と農業ですね。主要作物はコメと言う…」
「米?米って…稲から取れる穀物か!」
枢は思いっきり食いついた。
「え、ええ。ご存知で?」
「勿論だとも!成る程、水田に見えたあれは間違い無かったか!」
「…城に着いたら食べてみますか?戦時用に備蓄してあるので。」
「食う!早く案内しろっ!急げっ!」
枢は馬にバフを掛け、馬車の速度を上げた。
「ちょっ!?うわっ、は、速いぃぃぃぃぃっ!?」
「急げ急げっ!」
「「「「うぁぁぁぁぁぁぁ……!?」」」」
城に着く頃、使者はぐったりと疲れ果ててしまっていた。
「な、何て無茶な事を!」
「無茶?どこが?だらしないぞ。」
「こ、この人はおかしい…。」
使者はフラフラとした歩みで馬車から降り、枢に城内を案内した。城は中々に立派で、訓練場では騎士達が必死に訓練を重ねていた。
「行き先は食堂で宜しいでしょうか?それとも先に姫王様に謁見します?」
「あん?食堂に決まってんだろうが。姫王とやらには興味は無い。米を出せ米を。」
「はぁ、では此方へ。お前達は先に姫王様に報告に行ってくれ。私は枢殿を食堂に案内してくるよ。」
「はっ!」
他の使者達は姫王とやらの所に向かった。枢はそのまま使者と別れ、食堂に通された。
「米の香りがする…!」
「分かるのですか?」
「ああ。主食だったからな。気が変わった。同盟の件、考えてやっても良いぞ。」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ。ただし、交易のみだ。それと、品の受け渡しは俺が担当する。獣人は人間を嫌っているからな。悪いが国には入れられない。」
「いえ、交易だけで十分ですよ!獣人国には沢山の資源が眠っていますからね。いや、有難い!」
「慌てるなよ。決断は米を食ってからだ。ほら、早く早く。」
「は、はい!只今っ!」
使者は厨房へと走り、急いで膳をもち戻って来た。
「おいおい…マジかよ!味噌汁か!」
「ミソスープまで知ってるなんて…。貴方実はイーグル人とかじゃ…。」
お膳には皿に盛られた白米、焼き魚、焼き海苔、味噌汁がのっていた。枢は箸を使い、それをじっくりと噛み締め味わった。
「美味い…。やはり米は良い…!魚の塩加減も抜群だ…。くぅっ…!来て良かった!」
「お気に召した様で何よりです。我が国にはこれ位しか特産品がありませんので。」
「これは守るに値する。安心しろ。イーグルは俺の庇護下に入れてやろう。侵略されそうになったら俺に言え。全力で守ってやろう。」
「それは…本当でしょうか…?」
枢の後ろから女性が話し掛けて来た。
「ひ、姫王様!?姫王様が食堂に!?」
「ん?あんたが姫王とやらか?」
枢は後ろを向き声の主を見た。
「ほう。これは中々…。」
「ふふっ、面白い御方ですね。初めまして。私がイーグルの代表、【セラ・イーグル】です。貴方は八神 枢様で宜しいでしょうか?」
「ああ、俺が八神 枢だ。もう報告は受けたのか?」
「ええ。何でも我が国に味方して頂けるとか。それに…何か面白い事になっているみたいですね。お米…好きなのですか?」
「勿論だ。これを守る為ならラインセットなど直ぐにでも滅ぼしてやろうじゃないか。」
「まぁ…♪頼もしいですわ…。しかし、疑う訳ではありませんが…、私達は貴方様の強さを知りません。貴方は馬車の中で言ったそうですね。1人で十分だ…と。」
「ああ。たったの300万位余裕だ。お前達は出なくて良い。明日、俺がラインセットを潰してやる。潰した後はイーグルにくれてやるよ。」
セラは枢の手を取り胸に抱いた。
「もし…もし貴方がイーグルを守り通せたなら…、私は今後貴方に従うと約束しましょう。私…結構あるんですよ?」
「みたいだな。まぁそれは楽しみに取っておくとしよう。」
「あら、意外に紳士的…。一回位は覚悟してましたのに。」
「妻がいるって言ってるだろ?人間の、しかも王族なんかにゃ簡単に手は出せねぇっての。あまり安売りするもんじゃねぇぜ?」
「安売りなんてしませんよ?寧ろ足りてない位です。国を守って頂けるのですから…。」
「まだ何もしちゃいねぇからな。さて…飯も食ったしもう行くわ。姫王様はゆっくり寝て待ってな。ラインセットの皇帝の首、持ってきてやるよ。」
セラはにっこり笑って枢に言った。
「宜しく…お願い致します。」
こうして、枢は米の為に動く事を決めたのであった。
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