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番外編
井上の悩み 下
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二人でキッチンに並んでオレは皿を洗い、先輩は皿を拭く。
「正月休み、実家帰るんですよね?」
「うん、元日は顔を出そうとは思ってる」
実家と言っても先輩の場合ここから電車で数十分のところ。
「でもすぐ帰ってくる」
「いや、大丈夫すよ、正月は家族と過ごしてください」
「別に毎年そんな感じだし」
「そうなんですか?」
「うん。その夜にはもう仁と合流して飲み」
「そっか」
家族じゃなくて所長かぁ……。家族と過ごすなら遠慮したいが、所長となるとわがまま言いたくなるな。
「って言ってもアレだから、集まってるのはその大学の同期だけで」
「え?」
「ほんとにその、大学の同期だけ……だから」
もしかして先輩、オレに気つかってる?
「文哉くんのことなら、気にしてませんよ」
「そ……うか?」
「はい。文哉くんは先輩の魅力に一ミリも気づいてないっぽいので」
「は? え?」
「っていうかあの兄弟ずるいっすよね。所長はオレたちをくっつけてくれた恩人みたいなもんですし、一生頭上がんないっス」
「天使には見えないんだけどなぁ」
「はは、マッチョの天使、ウケる」
「なぁ、井上」
「はい?」
「今日、……泊まってくよな?」
すでに風呂借りてるし、もう十時だし、今更聞いてくる先輩が愛おしいんですけど。
「帰りますよ」
「え……」
「うそ、帰んない。先輩と朝までイチャイチャしてたい」
「…………!!」
不安げな顔から一瞬で火がついたみたいに赤くなった。
嫌だと逃げる割にはそんな顔するんだよなぁ……セックスはしたくないわけじゃなさそう。イチャイチャはいい。……え?……ってことはオレほんとに下手なんじゃん、嫌われてる?
「鍋の残りは明日朝ごはんにしような」
もうお腹がいっぱいで食べられなかった雑炊。無理にでも食べようと言うオレに、明日の朝ごはんにしてくれるって約束してくれたんだ。
そうして先輩の肩がくっついた。一歩オレに近づいた。
「先輩……?」
腰に腕を回されて身体が密着する。
「先輩……、今日積極的っすね」
「ん……」
「どうかしたんですか?」
「……」
「先輩?」
だいたいいつもオレから始めるのに。嬉しい反面、やはり普段は乗り気じゃなかったのかもしれないという一抹の不安が過る。ほぼ毎日先輩の身体を求めてしまっていたのも悪かったのかもしれない。抱かれる方の負担は大きい、絶対に本来の使い方をしない所でオレを受け止めるんだから。
「……正月まで、一緒に居られるか?」
オレのシャツに顔を埋めながら小さく発した先輩の声は温かくオレの胸に沁み入る。
「泊まる用意してないっすけど、それでもいいですか」
「いいよ、僕の貸すし」
「サイズ合うかな」
「……だったら買ってやるから」
なんか、先輩がかわいくて戸惑うな。
「はは! 先輩どうしたんですか──」
「嫌なのか?」
「え?」
先輩がオレを見上げた。また不安げな目をしている。なんで先輩がそんなに不安になるの。
元はといえばオレの長年の片思いからようやく振り向いてもらえた人。先輩がオレのこと、どんだけ好きなのも正直分からない。不安なのはオレの方なのに。
先輩は優しいから後輩に同情してるんじゃないかって、思ってもない事が勝手に浮かんではそれを踏み潰してるのに。
「嫌なわけないでしょ」
「だったらなんで、……いじわるしてるのか?」
「いじわる?」
え、もしかしてベッドの上でもオレが先輩に意地悪してると思って嫌だと逃げるのか?
先輩は小さくため息を付いてオレから一歩下がった。
「せんぱ……」
駄目だ、なんて言ったらいい。思考を巡らせていると先輩が沈黙を破ってオレにごめんと謝った。
「井上の冗談が、どっちなのか僕には判断がつかない、余裕がない、ごめん」
「え、え、なんで、先輩謝んの」
「一緒に居たいって思うの、井上は違うのか?」
先輩の揺らいだ瞳がオレを見た。
「違わない、違わないです、ただ」
「……?」
「先輩が気使ってんじゃないかって」
「……そっか」
「先輩?」
「……焦りすぎてんのか。……加減がよくわかんないな、いい年して」
首の後ろに手を当てて情けないよと零した。
「先輩は間違ってない。ただオレに自信がないんです」
「それは僕が不安にさせてるんだよな?」
「違う、そうじゃないんだ、先輩。先輩のせいじゃない。だから……加減なんてしないで。オレに全部ぶつけてよ」
「井上」
「いじめてるわけじゃない……」
「うん」
「一緒にいたいです、正月だって、それ以外だって、全部、毎日、毎晩」
「分かった」
また抱きつく先輩にオレは「先輩ごめん」と言ってキスをした。両手で先輩の顔を掴んで舌を差し込んで先輩を奪う。
「はぅ…………っン……っ」
先輩は抵抗はしなくてとことんオレを受け入れようとする。
先輩下手でごめん。
でも、先輩がほしいから無理だよ。
先輩を抱き上げてベッドに下ろすと先輩がとろんとした目でオレを見上げた。シャツを脱ぎ捨てて先輩に抱きつくと先輩は背中に手を回してくれる。
先輩が好きだ
ようやくオレを見てくれたんだ。
嫌われたくない。
「はぁ……っ、ン…………っ井上……っ」
「先輩、気持ちいい?」
「ン……」
「ここ?……先輩教えてください」
「なん……っ、そんなの聞くなよ……っ」
「ここは?」
中指の腹に力を込めて前回先輩が嫌だと逃げた内壁を擦った。
「ア──────ッ……ゃ……ゃ………やだ……ンッ!」
「やだ?、ごめん」
やっぱ嫌なんだな……。
オレは先輩のナカから中指を引き抜いた。
「ハァ……ッ……い、のうえ……?」
息があがってる先輩が肘をついて身体を起こした。目を少し見開いて驚いた顔をしてる。
「先輩が嫌なこと、しないから、今まで無理強いさせてごめんなさい」
「へ……?」
「気持ちいいところだけにしたいから。挿れなくても、いいし……」
「嫌だなんて、言ってないし……」
「先輩いつも、嫌だ、無理って泣くじゃんか」
「お前……っ口に出すなよ! そういうこと! 恥ずかしいだろ!……やっぱお前意地悪いな」
「いじわるじゃないです! 先輩のこと気持ちよくしたいだけだし」
「……お前、本気で言ってる?」
「はい」
「……井上」
先輩がオレの手首を掴んだ。そして先輩の下腹部にそれを近づけていく。
「お前で気持ちよくなってんの分かんない?」
グイッと手のひらに充てがわれ先輩の強ばりを握らされる。
「井上のこと、好きだって分かんない?」
「先輩」
「お前こそ、ぶつけてよ、全部。心も、身体だって」
「……ほんとに?」
ローションで濡れた手で上下に擦ると先輩はまた一気に白い肌をピンク色に染まっていった。
「ン……ッ」
「先輩、やめないよ?」
空いている手で再び侵入させると手の中にある強ばりが一層膨張する。
「ア────……ッ、ン──ッ」
「先輩、やっぱ挿れたいス……」
すでに柔らかくなっている入り口を指の腹で撫でると先輩がオレの肩に手をおいた。先輩は太ももの裏に手をかけて遠慮がちに広げた。
「は……先輩……エロ……」
「嫌って言っても止めんなよ?」
「先輩」
「きが……」
「ん?」
「気が……おかしくなりそ……で、ヤなだけ……なん、だから」
「先輩……マジかよ」
脚広げて言う言葉じゃないし!
オレは先輩の言葉にすっかり煽られていきり立つ強ばりを握り上下に擦る。先輩の中に早く入りたくてドクっと脈打った。
先輩はゴクリと唾を飲んでから身体をだらりとベッドに預けた。
「先輩……好き」
「ぁ────……っ」
「先輩……、オレの先輩」
「ンン──……ッ、そこ駄目……あ………っ……ンン……っ」
先輩がオレの背中に爪を立てる。いつもはここで離れてくのに、それを阻止するかのように自分でオレに抱きついてる。オレの腰に絡む内ももがヒクヒクと痙攣してて、オレの肩を噛みながら耐えているみたい。
「ハァ……ハァ……先輩……っ?」
「いやなんじゃない……ッ」
「じゃあ、どうしてほしいの? 先輩」
「もっと、も…………っと、中に……っ。ア───……ッ!!」
すぐに腰を沈めるとナカが熱くビクついてオレを締め付けた。
「正月休み、実家帰るんですよね?」
「うん、元日は顔を出そうとは思ってる」
実家と言っても先輩の場合ここから電車で数十分のところ。
「でもすぐ帰ってくる」
「いや、大丈夫すよ、正月は家族と過ごしてください」
「別に毎年そんな感じだし」
「そうなんですか?」
「うん。その夜にはもう仁と合流して飲み」
「そっか」
家族じゃなくて所長かぁ……。家族と過ごすなら遠慮したいが、所長となるとわがまま言いたくなるな。
「って言ってもアレだから、集まってるのはその大学の同期だけで」
「え?」
「ほんとにその、大学の同期だけ……だから」
もしかして先輩、オレに気つかってる?
「文哉くんのことなら、気にしてませんよ」
「そ……うか?」
「はい。文哉くんは先輩の魅力に一ミリも気づいてないっぽいので」
「は? え?」
「っていうかあの兄弟ずるいっすよね。所長はオレたちをくっつけてくれた恩人みたいなもんですし、一生頭上がんないっス」
「天使には見えないんだけどなぁ」
「はは、マッチョの天使、ウケる」
「なぁ、井上」
「はい?」
「今日、……泊まってくよな?」
すでに風呂借りてるし、もう十時だし、今更聞いてくる先輩が愛おしいんですけど。
「帰りますよ」
「え……」
「うそ、帰んない。先輩と朝までイチャイチャしてたい」
「…………!!」
不安げな顔から一瞬で火がついたみたいに赤くなった。
嫌だと逃げる割にはそんな顔するんだよなぁ……セックスはしたくないわけじゃなさそう。イチャイチャはいい。……え?……ってことはオレほんとに下手なんじゃん、嫌われてる?
「鍋の残りは明日朝ごはんにしような」
もうお腹がいっぱいで食べられなかった雑炊。無理にでも食べようと言うオレに、明日の朝ごはんにしてくれるって約束してくれたんだ。
そうして先輩の肩がくっついた。一歩オレに近づいた。
「先輩……?」
腰に腕を回されて身体が密着する。
「先輩……、今日積極的っすね」
「ん……」
「どうかしたんですか?」
「……」
「先輩?」
だいたいいつもオレから始めるのに。嬉しい反面、やはり普段は乗り気じゃなかったのかもしれないという一抹の不安が過る。ほぼ毎日先輩の身体を求めてしまっていたのも悪かったのかもしれない。抱かれる方の負担は大きい、絶対に本来の使い方をしない所でオレを受け止めるんだから。
「……正月まで、一緒に居られるか?」
オレのシャツに顔を埋めながら小さく発した先輩の声は温かくオレの胸に沁み入る。
「泊まる用意してないっすけど、それでもいいですか」
「いいよ、僕の貸すし」
「サイズ合うかな」
「……だったら買ってやるから」
なんか、先輩がかわいくて戸惑うな。
「はは! 先輩どうしたんですか──」
「嫌なのか?」
「え?」
先輩がオレを見上げた。また不安げな目をしている。なんで先輩がそんなに不安になるの。
元はといえばオレの長年の片思いからようやく振り向いてもらえた人。先輩がオレのこと、どんだけ好きなのも正直分からない。不安なのはオレの方なのに。
先輩は優しいから後輩に同情してるんじゃないかって、思ってもない事が勝手に浮かんではそれを踏み潰してるのに。
「嫌なわけないでしょ」
「だったらなんで、……いじわるしてるのか?」
「いじわる?」
え、もしかしてベッドの上でもオレが先輩に意地悪してると思って嫌だと逃げるのか?
先輩は小さくため息を付いてオレから一歩下がった。
「せんぱ……」
駄目だ、なんて言ったらいい。思考を巡らせていると先輩が沈黙を破ってオレにごめんと謝った。
「井上の冗談が、どっちなのか僕には判断がつかない、余裕がない、ごめん」
「え、え、なんで、先輩謝んの」
「一緒に居たいって思うの、井上は違うのか?」
先輩の揺らいだ瞳がオレを見た。
「違わない、違わないです、ただ」
「……?」
「先輩が気使ってんじゃないかって」
「……そっか」
「先輩?」
「……焦りすぎてんのか。……加減がよくわかんないな、いい年して」
首の後ろに手を当てて情けないよと零した。
「先輩は間違ってない。ただオレに自信がないんです」
「それは僕が不安にさせてるんだよな?」
「違う、そうじゃないんだ、先輩。先輩のせいじゃない。だから……加減なんてしないで。オレに全部ぶつけてよ」
「井上」
「いじめてるわけじゃない……」
「うん」
「一緒にいたいです、正月だって、それ以外だって、全部、毎日、毎晩」
「分かった」
また抱きつく先輩にオレは「先輩ごめん」と言ってキスをした。両手で先輩の顔を掴んで舌を差し込んで先輩を奪う。
「はぅ…………っン……っ」
先輩は抵抗はしなくてとことんオレを受け入れようとする。
先輩下手でごめん。
でも、先輩がほしいから無理だよ。
先輩を抱き上げてベッドに下ろすと先輩がとろんとした目でオレを見上げた。シャツを脱ぎ捨てて先輩に抱きつくと先輩は背中に手を回してくれる。
先輩が好きだ
ようやくオレを見てくれたんだ。
嫌われたくない。
「はぁ……っ、ン…………っ井上……っ」
「先輩、気持ちいい?」
「ン……」
「ここ?……先輩教えてください」
「なん……っ、そんなの聞くなよ……っ」
「ここは?」
中指の腹に力を込めて前回先輩が嫌だと逃げた内壁を擦った。
「ア──────ッ……ゃ……ゃ………やだ……ンッ!」
「やだ?、ごめん」
やっぱ嫌なんだな……。
オレは先輩のナカから中指を引き抜いた。
「ハァ……ッ……い、のうえ……?」
息があがってる先輩が肘をついて身体を起こした。目を少し見開いて驚いた顔をしてる。
「先輩が嫌なこと、しないから、今まで無理強いさせてごめんなさい」
「へ……?」
「気持ちいいところだけにしたいから。挿れなくても、いいし……」
「嫌だなんて、言ってないし……」
「先輩いつも、嫌だ、無理って泣くじゃんか」
「お前……っ口に出すなよ! そういうこと! 恥ずかしいだろ!……やっぱお前意地悪いな」
「いじわるじゃないです! 先輩のこと気持ちよくしたいだけだし」
「……お前、本気で言ってる?」
「はい」
「……井上」
先輩がオレの手首を掴んだ。そして先輩の下腹部にそれを近づけていく。
「お前で気持ちよくなってんの分かんない?」
グイッと手のひらに充てがわれ先輩の強ばりを握らされる。
「井上のこと、好きだって分かんない?」
「先輩」
「お前こそ、ぶつけてよ、全部。心も、身体だって」
「……ほんとに?」
ローションで濡れた手で上下に擦ると先輩はまた一気に白い肌をピンク色に染まっていった。
「ン……ッ」
「先輩、やめないよ?」
空いている手で再び侵入させると手の中にある強ばりが一層膨張する。
「ア────……ッ、ン──ッ」
「先輩、やっぱ挿れたいス……」
すでに柔らかくなっている入り口を指の腹で撫でると先輩がオレの肩に手をおいた。先輩は太ももの裏に手をかけて遠慮がちに広げた。
「は……先輩……エロ……」
「嫌って言っても止めんなよ?」
「先輩」
「きが……」
「ん?」
「気が……おかしくなりそ……で、ヤなだけ……なん、だから」
「先輩……マジかよ」
脚広げて言う言葉じゃないし!
オレは先輩の言葉にすっかり煽られていきり立つ強ばりを握り上下に擦る。先輩の中に早く入りたくてドクっと脈打った。
先輩はゴクリと唾を飲んでから身体をだらりとベッドに預けた。
「先輩……好き」
「ぁ────……っ」
「先輩……、オレの先輩」
「ンン──……ッ、そこ駄目……あ………っ……ンン……っ」
先輩がオレの背中に爪を立てる。いつもはここで離れてくのに、それを阻止するかのように自分でオレに抱きついてる。オレの腰に絡む内ももがヒクヒクと痙攣してて、オレの肩を噛みながら耐えているみたい。
「ハァ……ハァ……先輩……っ?」
「いやなんじゃない……ッ」
「じゃあ、どうしてほしいの? 先輩」
「もっと、も…………っと、中に……っ。ア───……ッ!!」
すぐに腰を沈めるとナカが熱くビクついてオレを締め付けた。
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