217 / 230
217 嫁としての責任とれる?
しおりを挟む
※前の二編が短いので、もう一話おまけに投稿します。寒い! ちなみに、猫又は暖房抜きで投稿してます。
「ナイト君、おはよう」
フレアが、布団にもぐりこんでいたナイトを抱き上げ、鼻ツン。
「おはよう……」
俊也は人間体に還る。
「朝陽ちゃんと菜摘ちゃんが来てますよ」
「ふ~ん……。そういや、春休みか」
俊也は下着を身につける。
「この部屋で、どんな遊びしてるんですか?」
フレアは苦笑して聞く。
「うん。そうね……」
超答えにくい。
「まあ、お二人がいいならいいんですけど。
アンさんは、もうお出かけしました。
クレオは長野に跳んで鹿狩りです。
私とのデートの約束は、午後からでいいです。
菜摘ちゃんから、たってのお願いがあるそうですよ」
フレアは淡々と報告したが、なんとなくとげが感じられた。
「あの子、また何かしでかしたのかな?」
俊也は、ぼそりとつぶやき、着替えを急いだ。
「アニキ、カムハンの方は順調?」
一階のロビーに降りたら、朝陽がそう声をかけた。
「うん。ヤン将軍の進軍道中で、時々魔法のデモンストレーションかましてる。
うまくいけば、ほぼ無血革命が実現するかも。
今日は何?」
朝陽は微妙な表情。俊也は探るような目でそう聞いた。
「単刀直入に言う。なっちゃんを抱いて」
朝陽はズバリと切り出す。
俊也は納得。フレアの言葉のとげはそれか。
フレアは、新しい女への嫉妬を、まだ克服しきってない。
そういうところが、かわゆいともいえるが。
他の嫁は、達観しきって張り合いがないほど。
「もちろん俺は大歓迎なんだけど、何かあったの?」
俊也は、平然とソファーに座る、菜摘に視線を向ける。
そうなんだよね……。
この子、セックスなんて、なんとも思ってない感じ。
もちろん、ウエルカム・エブリボーイでは、ないようだが。
「これまでのボーイフレンド、物足りなくなったんだって。
要するに、自分の欲望だけで手一杯。
付き合ってて余裕が感じられない、っていうことね」
朝陽は菜摘の気分を代弁する。
「そうなんですよ。
その点、俊也さんは満たされてます。
普通の男なら、満たされすぎて身が持たないほど。
だから超余裕がある。
男の人、童貞だと落ち着かないんでしょ?
女にもある程度、それは言えてると思うんです。
処女を卒業し、もっと落ち着いた目で男性を見たい。
そんな感じです」
菜摘は他人事のように、さらりと言ってのけた。
「俺は愛せそうな女性は愛する。
そのためにその女性を抱いてる。
愛せそうにない女性は絶対抱かない。
それが俺のイズム。
君はちょっと醒めすぎじゃない?」
「私を愛せそうにないということですか?」
菜摘は初めて不安の色を浮かべた。
「違う。思い切り愛しちゃいそう。
君が小学生のときから、ずっと気になってた。
俺の嫁は、俺の愛情に責任を持って応えてくれる。
事情があって応えきれない女性は愛人どまり。
君を抱くからには、嫁になってもらいたい。
責任とれる?」
俊也は小学生のころから、菜摘はお気に入りだった。だが、彼女の成長をずっと見てきた。
ちょうど妹の朝陽と同じように。
肉体的に成長した現在でも、性的な対象と、とらえにくい。
「責任をとるって、具体的には?
要するに、他の男とエッチするな?」
菜摘みは幾分皮肉を込めて言った。あんなに多くの女性とエッチしてるくせに……。
「最低限、それは守ってもらいたい。
完全に俺のエゴだけど、自分の独占欲をコントロールしきれない。
もちろん、館内の秩序を守る意味もでかいけど。
『離反者』が出たら、ばらばらになりかねないということ」
俊也は本音を語る。俊也は独占している以上、どの嫁に対しても、責任を持っているつもりだ。独占を認めない女性まで、責任を取り切れない。
また、嫁が独占を求めたら、館の館の秩序は、とても保ちきれない。
男女平等の観点において、はなはだ不平等であることは認める。だが、集団を円満に成立させるためには、規律が必要だ。
つまり、俊也は責任をもって嫁たちを愛し、全力で庇護する。嫁は責任をもって、俊也以外の男にぶれない。
その契約を守り、守ってもらうことが、絶対譲れない条件なのだ。
俊也は、さらに言葉を続ける。
「アンはさ、おもしろい女なんだ。
他の男とデートしまくってる。
微妙な距離を保って。
俺が思うに、他人と交流を持ちたいんだ。
その反面、他人との交流を拒んでもいる。
ひどく矛盾してるよね?
彼女の生い立ちに原因があると思う。
彼女は小さい頃母親を亡くした。
母親ゆずりの特殊な才能があったから、彼女は生きてこられた。
だけど、その才能は、他人にとってひどく貴重な才能なんだ。
利用したら、いくらでも金儲けができる。
そんな種類の才能。
だから彼女は、文字通り一人で生きてきた。
そんな事情で、他人がひどく怖い。
だけど、一人であることもひどく怖い。
わかるだろ?」
「わかります…わかる気がします。
だけど、どう関係するんですか?」
菜摘は、なじるように聞いた。
「朝陽から大体は聞いてる。
君はアンと全く逆の環境で生まれ育った。
つまり、両親の愛情が重すぎる。
だから、君は誰とも深くつながりたくないんだ。
違ってる?」
菜摘は蒼白になった。
「どういうことですか?
わかんない!
そんなのわかんないですよ!」
「いや。君はわかってる。
だからそんなにうろたえる。
そんな醒めた自分も嫌い。だから快活に振舞う。
あどけなさを演じて、人の心に踏み込む。
重く感じられたら、するりと逃げる。
俺の言いたいことは、要するに、抱くなら君を逃がさないということだ。
もちろん自由は束縛しないよ。
だけど、君の臆病な心は絶対逃がさない。
断じて俺の保護下に置く。
アンと同じように」
黙ってやりとりを聞いていた朝陽が口を開いた。
「全面的にアニキに賛成。
アニキに抱かれて、自由になりなさい。
心がアニキに捕まえられたら、あなたは自由になれる。
本当の意味で。
フレアさん、私とデートしてください」
朝陽は、微妙な表情のフレアに微笑みかけた。朝陽も内心は微妙だが。
彼女は高校生になってから、俊也を「兄さん」ではなく、「アニキ」と呼び始めた。
血のつながった「兄妹」としての、気分的なけじめをつける意味で。
「なっちゃん、悔しいけど、朝陽ちゃんの言ってること、多分本当だよ。
私も自由になれた。
貴族の束縛から解放されたの。
俊也さんに抱かれて。
俊也さんの嫁になって。
朝陽ちゃん、ど~んとおごってあげる。行こう!」
フレアは笑顔になってそう言った。それは俊也の嫁としての責任だと、わかっているから
「ナイト君、おはよう」
フレアが、布団にもぐりこんでいたナイトを抱き上げ、鼻ツン。
「おはよう……」
俊也は人間体に還る。
「朝陽ちゃんと菜摘ちゃんが来てますよ」
「ふ~ん……。そういや、春休みか」
俊也は下着を身につける。
「この部屋で、どんな遊びしてるんですか?」
フレアは苦笑して聞く。
「うん。そうね……」
超答えにくい。
「まあ、お二人がいいならいいんですけど。
アンさんは、もうお出かけしました。
クレオは長野に跳んで鹿狩りです。
私とのデートの約束は、午後からでいいです。
菜摘ちゃんから、たってのお願いがあるそうですよ」
フレアは淡々と報告したが、なんとなくとげが感じられた。
「あの子、また何かしでかしたのかな?」
俊也は、ぼそりとつぶやき、着替えを急いだ。
「アニキ、カムハンの方は順調?」
一階のロビーに降りたら、朝陽がそう声をかけた。
「うん。ヤン将軍の進軍道中で、時々魔法のデモンストレーションかましてる。
うまくいけば、ほぼ無血革命が実現するかも。
今日は何?」
朝陽は微妙な表情。俊也は探るような目でそう聞いた。
「単刀直入に言う。なっちゃんを抱いて」
朝陽はズバリと切り出す。
俊也は納得。フレアの言葉のとげはそれか。
フレアは、新しい女への嫉妬を、まだ克服しきってない。
そういうところが、かわゆいともいえるが。
他の嫁は、達観しきって張り合いがないほど。
「もちろん俺は大歓迎なんだけど、何かあったの?」
俊也は、平然とソファーに座る、菜摘に視線を向ける。
そうなんだよね……。
この子、セックスなんて、なんとも思ってない感じ。
もちろん、ウエルカム・エブリボーイでは、ないようだが。
「これまでのボーイフレンド、物足りなくなったんだって。
要するに、自分の欲望だけで手一杯。
付き合ってて余裕が感じられない、っていうことね」
朝陽は菜摘の気分を代弁する。
「そうなんですよ。
その点、俊也さんは満たされてます。
普通の男なら、満たされすぎて身が持たないほど。
だから超余裕がある。
男の人、童貞だと落ち着かないんでしょ?
女にもある程度、それは言えてると思うんです。
処女を卒業し、もっと落ち着いた目で男性を見たい。
そんな感じです」
菜摘は他人事のように、さらりと言ってのけた。
「俺は愛せそうな女性は愛する。
そのためにその女性を抱いてる。
愛せそうにない女性は絶対抱かない。
それが俺のイズム。
君はちょっと醒めすぎじゃない?」
「私を愛せそうにないということですか?」
菜摘は初めて不安の色を浮かべた。
「違う。思い切り愛しちゃいそう。
君が小学生のときから、ずっと気になってた。
俺の嫁は、俺の愛情に責任を持って応えてくれる。
事情があって応えきれない女性は愛人どまり。
君を抱くからには、嫁になってもらいたい。
責任とれる?」
俊也は小学生のころから、菜摘はお気に入りだった。だが、彼女の成長をずっと見てきた。
ちょうど妹の朝陽と同じように。
肉体的に成長した現在でも、性的な対象と、とらえにくい。
「責任をとるって、具体的には?
要するに、他の男とエッチするな?」
菜摘みは幾分皮肉を込めて言った。あんなに多くの女性とエッチしてるくせに……。
「最低限、それは守ってもらいたい。
完全に俺のエゴだけど、自分の独占欲をコントロールしきれない。
もちろん、館内の秩序を守る意味もでかいけど。
『離反者』が出たら、ばらばらになりかねないということ」
俊也は本音を語る。俊也は独占している以上、どの嫁に対しても、責任を持っているつもりだ。独占を認めない女性まで、責任を取り切れない。
また、嫁が独占を求めたら、館の館の秩序は、とても保ちきれない。
男女平等の観点において、はなはだ不平等であることは認める。だが、集団を円満に成立させるためには、規律が必要だ。
つまり、俊也は責任をもって嫁たちを愛し、全力で庇護する。嫁は責任をもって、俊也以外の男にぶれない。
その契約を守り、守ってもらうことが、絶対譲れない条件なのだ。
俊也は、さらに言葉を続ける。
「アンはさ、おもしろい女なんだ。
他の男とデートしまくってる。
微妙な距離を保って。
俺が思うに、他人と交流を持ちたいんだ。
その反面、他人との交流を拒んでもいる。
ひどく矛盾してるよね?
彼女の生い立ちに原因があると思う。
彼女は小さい頃母親を亡くした。
母親ゆずりの特殊な才能があったから、彼女は生きてこられた。
だけど、その才能は、他人にとってひどく貴重な才能なんだ。
利用したら、いくらでも金儲けができる。
そんな種類の才能。
だから彼女は、文字通り一人で生きてきた。
そんな事情で、他人がひどく怖い。
だけど、一人であることもひどく怖い。
わかるだろ?」
「わかります…わかる気がします。
だけど、どう関係するんですか?」
菜摘は、なじるように聞いた。
「朝陽から大体は聞いてる。
君はアンと全く逆の環境で生まれ育った。
つまり、両親の愛情が重すぎる。
だから、君は誰とも深くつながりたくないんだ。
違ってる?」
菜摘は蒼白になった。
「どういうことですか?
わかんない!
そんなのわかんないですよ!」
「いや。君はわかってる。
だからそんなにうろたえる。
そんな醒めた自分も嫌い。だから快活に振舞う。
あどけなさを演じて、人の心に踏み込む。
重く感じられたら、するりと逃げる。
俺の言いたいことは、要するに、抱くなら君を逃がさないということだ。
もちろん自由は束縛しないよ。
だけど、君の臆病な心は絶対逃がさない。
断じて俺の保護下に置く。
アンと同じように」
黙ってやりとりを聞いていた朝陽が口を開いた。
「全面的にアニキに賛成。
アニキに抱かれて、自由になりなさい。
心がアニキに捕まえられたら、あなたは自由になれる。
本当の意味で。
フレアさん、私とデートしてください」
朝陽は、微妙な表情のフレアに微笑みかけた。朝陽も内心は微妙だが。
彼女は高校生になってから、俊也を「兄さん」ではなく、「アニキ」と呼び始めた。
血のつながった「兄妹」としての、気分的なけじめをつける意味で。
「なっちゃん、悔しいけど、朝陽ちゃんの言ってること、多分本当だよ。
私も自由になれた。
貴族の束縛から解放されたの。
俊也さんに抱かれて。
俊也さんの嫁になって。
朝陽ちゃん、ど~んとおごってあげる。行こう!」
フレアは笑顔になってそう言った。それは俊也の嫁としての責任だと、わかっているから
0
お気に入りに追加
164
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
【R18】異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!
SoftCareer
ファンタジー
幼なじみの彼女の母親と二人っきりで、期せずして異世界に飛ばされてしまった主人公が、
帰還の方法を模索しながら、その母親や異世界の人達との絆を深めていくというストーリーです。
性的描写のガイドラインに抵触してカクヨムから、R-18のミッドナイトノベルズに引っ越して、
お陰様で好評をいただきましたので、こちらにもお世話になれればとやって参りました。
(こちらとミッドナイトノベルズでの同時掲載です)
【R18】聖処女騎士アルゼリーテの受難
濡羽ぬるる
ファンタジー
清楚な銀髪少女騎士アルゼリーテは、オークの大軍勢に屈し、犯されてしまいます。どんなに引き裂かれても即時回復するチート能力のおかげで、何度でも復活する処女を破られ続け、淫らな汁にまみれながらメスに堕ちていくのです。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
オークションで競り落とされた巨乳エルフは少年の玩具となる。【完結】
ちゃむにい
恋愛
リリアナは奴隷商人に高く売られて、闇オークションで競りにかけられることになった。まるで踊り子のような露出の高い下着を身に着けたリリアナは手錠をされ、首輪をした。
※ムーンライトノベルにも掲載しています。
【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話
白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。
世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。
その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。
裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。
だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。
そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!!
感想大歓迎です!
※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる