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115 初心に還って
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俊也は今夜の当番、アンリの手を取って寝室へ消えた。
「ミネット、あなたも疲れたでしょ? 早く休んだら?」
フラワーが、そう声をかけた。素直なミネットは「は~い」と応え、リビングから出ていった。
「さて、新戦力について検討しよう。
あなたの補助魔法と、かなりフミちゃんの能力、毛色が違うように思うんだけど」
ルラがフラワーに振る。
「私は魅了の魔法で、誘導尋問はできる。だけど、高い魔力を持っている人には難しい。
フミちゃんの場合は、相手の魔力量に関わらない気がする。
それに、徹底的な違いは、読んだことが相手に気づかれないことだと思う。
魅了の魔法は、どうしても意識が残る。『忘却』を併用するにしても、あれって一定時間の記憶をなくす魔法だから、記憶の選択はできないの。
だから、どうしても不自然な印象は残っちゃう。
フミちゃん魔法、怖い魔法だ。
対象だけじゃなくて、自分や周囲の人間にとっても。
俊也の選択は正しいと思う」
フラワーの言葉に、全員うなずいて同意を示す。仮にフミの魔法を覚えられるとしても、覚えたくない。
そして、この館は俊也に言わせれば「仙境」だそうだ。性欲以外の強い我欲を、一切捨てている。
それは強大な力を持つが故の必然だ。一人でも強い我欲を抱いたら、館の調和は崩れるし、なにより世界に対する大きな脅威となる。
「問題は『一族の裏組織』だよね? 俊也、あっちの世界の面倒事に、振り回される気がする」
エレンが言う。
「仕方ないよ。俊也はあっちの世界の人間でもある。
まあ、フミちゃんの成長まで少し時間がある。
静香さん、どう思う?
俊也の話では、どこかの会社のお偉いさん一族。
要するに、貴族の娘と同じようなイメージ?」
ルラが別のテーマを提起し、一同の意思を確認する。
「なんにしろ、敵対する人ではない。俊也に時々ご機嫌うかがいさせたら問題なさそう」
エレンの意見に「異議なし」と全員応える。
こうして自然発生的に始まった会議は終わった。そして、ルラはミネットの出自に関する情報を、この場のメンバーに話した。
ブルーとローランは思う。自分たちが拾った「思いがけない拾いもの」は、状況によっては爆弾となりかねない。
だが、自分たちが選ぶ道は一つ。どんなことがあっても、「仲間」は全力で守る!
俊也とアンリは戦支度を整え、つまり裸になってベッドで抱き合う。もちろん、以前のような石化はなくなっている。
アンリはいつものように唇を求めたが、俊也はストップをかけた。
このまま進行したら、猫又ナイト2に変身するまで一直線。話をする余裕がなくなる。
セックスに慣れきった嫁は、どうやらそのコースに不満が生まれたようだ。
俊也がナイトになって寝た後、百合的な結びつきで補い合っているらしい。
「ごめんね。ちょっと話したいことがあって。
新撰組、どんな感じ?
ブルーに聞いても『いい感じ』としか言わないし、君もブルーに遠慮して、口をはさまない」
アンリは少し笑う。たしかに以前よりずっと「いい感じ」になっている。
「統率は抜群によくなりました。顔はみんな相変わらずですけど、もう立派な隊士です。
あ…、顔は相変わらず、と言いましたけど、人相や雰囲気も変わってきましたよ。
ラブミーテンダーのおねえさんたちが、お相手してくれるほどです。
腕の方も、普通のケンカ上手じゃ歯がたたなくなってます。
スタン剣を装備して、一層強くなると思います。
体のどこかに刃が触ったら、相手は気絶しちゃうんですから。
警察機能に特化して考えたら、最強の武器じゃないでしょうか?」
俊也はうんうん、とうなずく。狙い通りの組織になっているようだ。
「次に、一つ苦言を言わせてもらえる?
君は遠慮しすぎ。
これだけの人数なんだから、命令系統は必要だ。
だけど、君は嫁仲間であって、ブルーの部下じゃない」
「ダメ、ですか? 今のままの方が気楽なんです。
だって、みんな人間レベル超えてるし」
たしかに、と俊也は思う。人間形態の自分から見れば、アンリだって十分「超人」だ。
だが、魔法や武術に関して素人の、俊也の目から見ても、アンリの魔力や筋力は、上限に達しているようだ。
後は技を磨くしかないと思う。
「アンリ、銃の訓練、本格的にやってみたら? 今までは銃弾数の問題で不十分だったと思うけど」
俊也は対ポナン戦に備え、自衛隊から装備を横流しさせた。アメリカならもっと容易に武器を調達できる。
大統領とは「カード」、「レジ」と呼び合う仲になったし。
あの大統領は、ある意味ノベチャンより扱いやすい。純粋なビジネスマンだから。「プーキンさんと仲良くしない」ぐらいの条件を出せば、軽装備程度なら喜んで提供するだろう。
俊也が一番苦手なのは、一番近い大国のお偉いさんだ。自分の論理と違った論理を持っている。敵対する気はないが、親しく付き合う気にもならない。
まあ、アメリカなら大統領と交渉しなくても、買おうと思えば買える。どの大国とも「外交官特権」は獲得している。「大使館」は、ご遠慮願いたいと断られたが。
やっぱり日本は世界一の「お人よし国家」だ。
「飛び道具は卑怯じゃないですか?」
「それを言うなら『くない(※手裏剣の一種。アンリが得意とする武器)』だって飛び道具だ。
弓だって立派な飛び道具。
攻撃魔法は究極の飛び道具」
「まあ、そうなんですけど……」
お、乗り気になったな? 俊也は知っている。銃の訓練で一番熱心だったのはアンリだ。そして、一番適性があったのもアンリ。
決まり! 銃のスペシャリストになってもらい、指導教官にもなってもらう。
そうしたら、アンリの自信にもつながる。もちろん、今のところ銃を、館外の人間に訓練させるつもりはない。
だが、それが必要になる可能性もある。
たとえば、多人数に襲撃されるケース。元村人や新撰組のメンバーでも、この世界では圧倒的な強者になれる。
さて、言うべきことが言い終わったところで……。
俊也はアンリのおっぱいをまさぐる。すっかり筋肉質になったアンリの肉体だが、おっぱいは柔らかい。
フフ、手の平にすっぽり収まって、アクセントの突起が……。
この突起がいいんだよね! いじり過ぎたら怒られちゃうけど。
ツンツン、クニュクニュ……。はむ…、ちゅうちゅう……。アンリの乳首、吸いやすくて好き!
吸ってちょうだい、っていう存在感なんだもん!
「あん……、俊也さん、もっと下の方もかわいがっていただけたら」
アンリが遠慮気味にクレーム。アンリはちょっぴり不満だった。他の嫁の時と比べたら、おっぱいいじりに偏りがある。特に乳首。
「ごめん! アンリの乳首、一番のお気に入りだから」
俊也は反省。自分にとっては一対多だが、嫁たちは一対一なのだ。
初心に帰って、ご奉仕させていただきます!
ぺろぺろ、くりゅくりゅ……。
忠実なバター犬として、いそしむ俊也だった。
「ミネット、あなたも疲れたでしょ? 早く休んだら?」
フラワーが、そう声をかけた。素直なミネットは「は~い」と応え、リビングから出ていった。
「さて、新戦力について検討しよう。
あなたの補助魔法と、かなりフミちゃんの能力、毛色が違うように思うんだけど」
ルラがフラワーに振る。
「私は魅了の魔法で、誘導尋問はできる。だけど、高い魔力を持っている人には難しい。
フミちゃんの場合は、相手の魔力量に関わらない気がする。
それに、徹底的な違いは、読んだことが相手に気づかれないことだと思う。
魅了の魔法は、どうしても意識が残る。『忘却』を併用するにしても、あれって一定時間の記憶をなくす魔法だから、記憶の選択はできないの。
だから、どうしても不自然な印象は残っちゃう。
フミちゃん魔法、怖い魔法だ。
対象だけじゃなくて、自分や周囲の人間にとっても。
俊也の選択は正しいと思う」
フラワーの言葉に、全員うなずいて同意を示す。仮にフミの魔法を覚えられるとしても、覚えたくない。
そして、この館は俊也に言わせれば「仙境」だそうだ。性欲以外の強い我欲を、一切捨てている。
それは強大な力を持つが故の必然だ。一人でも強い我欲を抱いたら、館の調和は崩れるし、なにより世界に対する大きな脅威となる。
「問題は『一族の裏組織』だよね? 俊也、あっちの世界の面倒事に、振り回される気がする」
エレンが言う。
「仕方ないよ。俊也はあっちの世界の人間でもある。
まあ、フミちゃんの成長まで少し時間がある。
静香さん、どう思う?
俊也の話では、どこかの会社のお偉いさん一族。
要するに、貴族の娘と同じようなイメージ?」
ルラが別のテーマを提起し、一同の意思を確認する。
「なんにしろ、敵対する人ではない。俊也に時々ご機嫌うかがいさせたら問題なさそう」
エレンの意見に「異議なし」と全員応える。
こうして自然発生的に始まった会議は終わった。そして、ルラはミネットの出自に関する情報を、この場のメンバーに話した。
ブルーとローランは思う。自分たちが拾った「思いがけない拾いもの」は、状況によっては爆弾となりかねない。
だが、自分たちが選ぶ道は一つ。どんなことがあっても、「仲間」は全力で守る!
俊也とアンリは戦支度を整え、つまり裸になってベッドで抱き合う。もちろん、以前のような石化はなくなっている。
アンリはいつものように唇を求めたが、俊也はストップをかけた。
このまま進行したら、猫又ナイト2に変身するまで一直線。話をする余裕がなくなる。
セックスに慣れきった嫁は、どうやらそのコースに不満が生まれたようだ。
俊也がナイトになって寝た後、百合的な結びつきで補い合っているらしい。
「ごめんね。ちょっと話したいことがあって。
新撰組、どんな感じ?
ブルーに聞いても『いい感じ』としか言わないし、君もブルーに遠慮して、口をはさまない」
アンリは少し笑う。たしかに以前よりずっと「いい感じ」になっている。
「統率は抜群によくなりました。顔はみんな相変わらずですけど、もう立派な隊士です。
あ…、顔は相変わらず、と言いましたけど、人相や雰囲気も変わってきましたよ。
ラブミーテンダーのおねえさんたちが、お相手してくれるほどです。
腕の方も、普通のケンカ上手じゃ歯がたたなくなってます。
スタン剣を装備して、一層強くなると思います。
体のどこかに刃が触ったら、相手は気絶しちゃうんですから。
警察機能に特化して考えたら、最強の武器じゃないでしょうか?」
俊也はうんうん、とうなずく。狙い通りの組織になっているようだ。
「次に、一つ苦言を言わせてもらえる?
君は遠慮しすぎ。
これだけの人数なんだから、命令系統は必要だ。
だけど、君は嫁仲間であって、ブルーの部下じゃない」
「ダメ、ですか? 今のままの方が気楽なんです。
だって、みんな人間レベル超えてるし」
たしかに、と俊也は思う。人間形態の自分から見れば、アンリだって十分「超人」だ。
だが、魔法や武術に関して素人の、俊也の目から見ても、アンリの魔力や筋力は、上限に達しているようだ。
後は技を磨くしかないと思う。
「アンリ、銃の訓練、本格的にやってみたら? 今までは銃弾数の問題で不十分だったと思うけど」
俊也は対ポナン戦に備え、自衛隊から装備を横流しさせた。アメリカならもっと容易に武器を調達できる。
大統領とは「カード」、「レジ」と呼び合う仲になったし。
あの大統領は、ある意味ノベチャンより扱いやすい。純粋なビジネスマンだから。「プーキンさんと仲良くしない」ぐらいの条件を出せば、軽装備程度なら喜んで提供するだろう。
俊也が一番苦手なのは、一番近い大国のお偉いさんだ。自分の論理と違った論理を持っている。敵対する気はないが、親しく付き合う気にもならない。
まあ、アメリカなら大統領と交渉しなくても、買おうと思えば買える。どの大国とも「外交官特権」は獲得している。「大使館」は、ご遠慮願いたいと断られたが。
やっぱり日本は世界一の「お人よし国家」だ。
「飛び道具は卑怯じゃないですか?」
「それを言うなら『くない(※手裏剣の一種。アンリが得意とする武器)』だって飛び道具だ。
弓だって立派な飛び道具。
攻撃魔法は究極の飛び道具」
「まあ、そうなんですけど……」
お、乗り気になったな? 俊也は知っている。銃の訓練で一番熱心だったのはアンリだ。そして、一番適性があったのもアンリ。
決まり! 銃のスペシャリストになってもらい、指導教官にもなってもらう。
そうしたら、アンリの自信にもつながる。もちろん、今のところ銃を、館外の人間に訓練させるつもりはない。
だが、それが必要になる可能性もある。
たとえば、多人数に襲撃されるケース。元村人や新撰組のメンバーでも、この世界では圧倒的な強者になれる。
さて、言うべきことが言い終わったところで……。
俊也はアンリのおっぱいをまさぐる。すっかり筋肉質になったアンリの肉体だが、おっぱいは柔らかい。
フフ、手の平にすっぽり収まって、アクセントの突起が……。
この突起がいいんだよね! いじり過ぎたら怒られちゃうけど。
ツンツン、クニュクニュ……。はむ…、ちゅうちゅう……。アンリの乳首、吸いやすくて好き!
吸ってちょうだい、っていう存在感なんだもん!
「あん……、俊也さん、もっと下の方もかわいがっていただけたら」
アンリが遠慮気味にクレーム。アンリはちょっぴり不満だった。他の嫁の時と比べたら、おっぱいいじりに偏りがある。特に乳首。
「ごめん! アンリの乳首、一番のお気に入りだから」
俊也は反省。自分にとっては一対多だが、嫁たちは一対一なのだ。
初心に帰って、ご奉仕させていただきます!
ぺろぺろ、くりゅくりゅ……。
忠実なバター犬として、いそしむ俊也だった。
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