64 / 230
64 オジサン認定?
しおりを挟む
事前工作も整い、嫌がらせ作戦決行のため、俊也たちは館を出発。
幾分緊張した表情の、部隊メンバーを紹介する。
隊長 俊也(猫又ナイト)
副隊長 ユーノ(作戦参謀・攻撃魔法担当)
隊員 ローラン(回復系責任者)
隊員 ブルー(有事の切り込み隊長)
隊員 イザベル(ブルーの支援)
遊撃 アンリ(道案内・食事担当)
数を可能な限り絞った陣容と言える。
季節はすでに雪解けを終えていた。雪の季節に動きにくいのは敵も同じこと。
俊也は暇なとき里帰りし、馬車改良のため様々な部品を町工場に発注していた。
ガソリン車は使いたくない。できるだけ軽く、頑丈で乗り心地がよい馬車。
そんな虫のいい理想を目指し、コツコツと馬車を改良した。
まず、フレームはカーボン。軽量かつ頑丈。文句なし。
車体に鉄板は重いので不採用。アルミニュームを使ってみる。
強度に不安はあったが、カーボンのフレームを増やし、薄い板を張り詰めたら快適。
荷台のフローリングには、朝陽お勧めのトゥルース×ーパーを敷き詰める。
超快適! そして御者席には、軽量座イスを溶接した上に、ハニカム構造の敷物。
卵を上に乗せ座っても、卵が割れないとされているやつ。
怖いので試してないが、快適は快適。
一番苦労したのは、足まわりだった。サスペンションなどの部品は、車の解体屋を回り、二台分手に入れた。
アルミホイール付きラジアルタイヤは、猫又大先生の奮闘により、細く、直径の大きな形状に変形してもらった。
幌はテントを改良したもの。
この世に二台しかない、カスタム馬車の出来上がり。
道路自体が最悪なので、決して乗り心地がいいとは言えないが、もちろん、旧来の馬車よりずっと快適だ。
ただし、超目立つ。隠密行動や戦闘には絶対不向きだ。
おいおい、子供が付いて走ってくるよ……。
「おじちゃ~ん、かっこいい! …馬車は」
「おねえさん~、僕も乗っけて!」
俊也は手綱を操るアンリを見た。はっきり言わせてもらおう!
俺の方が若い!
「ガキどもめが! 汚ない手で触ったら、おじちゃん怒っちゃうよ!」
「あ~、『おじちゃん』認めた~」
アンリが、ぼそっとつぶやく。
「アンリ、遠征中のエッチ抜きな。他の皆さん、喜んでくれると思うよ」
「おい! ガキども! このお方をどなたと心得る。
先の副将軍、ゴローコーで、ありゃせらりゅりゅじょ!」
「アンリさんや、そのブーム、とっくに終わってるから。
かむ癖、できるだけ矯正しよう」
俊也はアンリの肩を、ぽんぽんと叩いた。アンリは真っ赤になってうつむいた。
「とりあえず、御者は前を向こうか。
馬が自動運転してくれるけど、危険だと思う」
アンリは師(ブルー)を見習い、無謀なジョークに挑戦。
大失敗の結果に終わってしまった。
「あの~……」
「たまには、俊也形態もいいだろ? 今晩お相手よろしく」
俊也はアンリのほっぺにチューした。
アンリはとたんに顔をほころばせ、馬に鞭を入れようとした。
「鞭、ヤバい!」
俊也は安全のため慌てて制止した。アンリの振りあげた鞭を取り上げる。
「最初に力加減、覚えような。調子に乗った時は特に危険」
「はい……気をつくます(『つく』は発音のまま)」
最近ムキムキの仲間入りをしたアンリ。体力や力はブルーに一歩近づいている。剣技も相当上達している。
ただ口の回転だけは、以前のままだった。
幾分緊張した表情の、部隊メンバーを紹介する。
隊長 俊也(猫又ナイト)
副隊長 ユーノ(作戦参謀・攻撃魔法担当)
隊員 ローラン(回復系責任者)
隊員 ブルー(有事の切り込み隊長)
隊員 イザベル(ブルーの支援)
遊撃 アンリ(道案内・食事担当)
数を可能な限り絞った陣容と言える。
季節はすでに雪解けを終えていた。雪の季節に動きにくいのは敵も同じこと。
俊也は暇なとき里帰りし、馬車改良のため様々な部品を町工場に発注していた。
ガソリン車は使いたくない。できるだけ軽く、頑丈で乗り心地がよい馬車。
そんな虫のいい理想を目指し、コツコツと馬車を改良した。
まず、フレームはカーボン。軽量かつ頑丈。文句なし。
車体に鉄板は重いので不採用。アルミニュームを使ってみる。
強度に不安はあったが、カーボンのフレームを増やし、薄い板を張り詰めたら快適。
荷台のフローリングには、朝陽お勧めのトゥルース×ーパーを敷き詰める。
超快適! そして御者席には、軽量座イスを溶接した上に、ハニカム構造の敷物。
卵を上に乗せ座っても、卵が割れないとされているやつ。
怖いので試してないが、快適は快適。
一番苦労したのは、足まわりだった。サスペンションなどの部品は、車の解体屋を回り、二台分手に入れた。
アルミホイール付きラジアルタイヤは、猫又大先生の奮闘により、細く、直径の大きな形状に変形してもらった。
幌はテントを改良したもの。
この世に二台しかない、カスタム馬車の出来上がり。
道路自体が最悪なので、決して乗り心地がいいとは言えないが、もちろん、旧来の馬車よりずっと快適だ。
ただし、超目立つ。隠密行動や戦闘には絶対不向きだ。
おいおい、子供が付いて走ってくるよ……。
「おじちゃ~ん、かっこいい! …馬車は」
「おねえさん~、僕も乗っけて!」
俊也は手綱を操るアンリを見た。はっきり言わせてもらおう!
俺の方が若い!
「ガキどもめが! 汚ない手で触ったら、おじちゃん怒っちゃうよ!」
「あ~、『おじちゃん』認めた~」
アンリが、ぼそっとつぶやく。
「アンリ、遠征中のエッチ抜きな。他の皆さん、喜んでくれると思うよ」
「おい! ガキども! このお方をどなたと心得る。
先の副将軍、ゴローコーで、ありゃせらりゅりゅじょ!」
「アンリさんや、そのブーム、とっくに終わってるから。
かむ癖、できるだけ矯正しよう」
俊也はアンリの肩を、ぽんぽんと叩いた。アンリは真っ赤になってうつむいた。
「とりあえず、御者は前を向こうか。
馬が自動運転してくれるけど、危険だと思う」
アンリは師(ブルー)を見習い、無謀なジョークに挑戦。
大失敗の結果に終わってしまった。
「あの~……」
「たまには、俊也形態もいいだろ? 今晩お相手よろしく」
俊也はアンリのほっぺにチューした。
アンリはとたんに顔をほころばせ、馬に鞭を入れようとした。
「鞭、ヤバい!」
俊也は安全のため慌てて制止した。アンリの振りあげた鞭を取り上げる。
「最初に力加減、覚えような。調子に乗った時は特に危険」
「はい……気をつくます(『つく』は発音のまま)」
最近ムキムキの仲間入りをしたアンリ。体力や力はブルーに一歩近づいている。剣技も相当上達している。
ただ口の回転だけは、以前のままだった。
0
お気に入りに追加
164
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
【R18】異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!
SoftCareer
ファンタジー
幼なじみの彼女の母親と二人っきりで、期せずして異世界に飛ばされてしまった主人公が、
帰還の方法を模索しながら、その母親や異世界の人達との絆を深めていくというストーリーです。
性的描写のガイドラインに抵触してカクヨムから、R-18のミッドナイトノベルズに引っ越して、
お陰様で好評をいただきましたので、こちらにもお世話になれればとやって参りました。
(こちらとミッドナイトノベルズでの同時掲載です)
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる