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64 オジサン認定?
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事前工作も整い、嫌がらせ作戦決行のため、俊也たちは館を出発。
幾分緊張した表情の、部隊メンバーを紹介する。
隊長 俊也(猫又ナイト)
副隊長 ユーノ(作戦参謀・攻撃魔法担当)
隊員 ローラン(回復系責任者)
隊員 ブルー(有事の切り込み隊長)
隊員 イザベル(ブルーの支援)
遊撃 アンリ(道案内・食事担当)
数を可能な限り絞った陣容と言える。
季節はすでに雪解けを終えていた。雪の季節に動きにくいのは敵も同じこと。
俊也は暇なとき里帰りし、馬車改良のため様々な部品を町工場に発注していた。
ガソリン車は使いたくない。できるだけ軽く、頑丈で乗り心地がよい馬車。
そんな虫のいい理想を目指し、コツコツと馬車を改良した。
まず、フレームはカーボン。軽量かつ頑丈。文句なし。
車体に鉄板は重いので不採用。アルミニュームを使ってみる。
強度に不安はあったが、カーボンのフレームを増やし、薄い板を張り詰めたら快適。
荷台のフローリングには、朝陽お勧めのトゥルース×ーパーを敷き詰める。
超快適! そして御者席には、軽量座イスを溶接した上に、ハニカム構造の敷物。
卵を上に乗せ座っても、卵が割れないとされているやつ。
怖いので試してないが、快適は快適。
一番苦労したのは、足まわりだった。サスペンションなどの部品は、車の解体屋を回り、二台分手に入れた。
アルミホイール付きラジアルタイヤは、猫又大先生の奮闘により、細く、直径の大きな形状に変形してもらった。
幌はテントを改良したもの。
この世に二台しかない、カスタム馬車の出来上がり。
道路自体が最悪なので、決して乗り心地がいいとは言えないが、もちろん、旧来の馬車よりずっと快適だ。
ただし、超目立つ。隠密行動や戦闘には絶対不向きだ。
おいおい、子供が付いて走ってくるよ……。
「おじちゃ~ん、かっこいい! …馬車は」
「おねえさん~、僕も乗っけて!」
俊也は手綱を操るアンリを見た。はっきり言わせてもらおう!
俺の方が若い!
「ガキどもめが! 汚ない手で触ったら、おじちゃん怒っちゃうよ!」
「あ~、『おじちゃん』認めた~」
アンリが、ぼそっとつぶやく。
「アンリ、遠征中のエッチ抜きな。他の皆さん、喜んでくれると思うよ」
「おい! ガキども! このお方をどなたと心得る。
先の副将軍、ゴローコーで、ありゃせらりゅりゅじょ!」
「アンリさんや、そのブーム、とっくに終わってるから。
かむ癖、できるだけ矯正しよう」
俊也はアンリの肩を、ぽんぽんと叩いた。アンリは真っ赤になってうつむいた。
「とりあえず、御者は前を向こうか。
馬が自動運転してくれるけど、危険だと思う」
アンリは師(ブルー)を見習い、無謀なジョークに挑戦。
大失敗の結果に終わってしまった。
「あの~……」
「たまには、俊也形態もいいだろ? 今晩お相手よろしく」
俊也はアンリのほっぺにチューした。
アンリはとたんに顔をほころばせ、馬に鞭を入れようとした。
「鞭、ヤバい!」
俊也は安全のため慌てて制止した。アンリの振りあげた鞭を取り上げる。
「最初に力加減、覚えような。調子に乗った時は特に危険」
「はい……気をつくます(『つく』は発音のまま)」
最近ムキムキの仲間入りをしたアンリ。体力や力はブルーに一歩近づいている。剣技も相当上達している。
ただ口の回転だけは、以前のままだった。
幾分緊張した表情の、部隊メンバーを紹介する。
隊長 俊也(猫又ナイト)
副隊長 ユーノ(作戦参謀・攻撃魔法担当)
隊員 ローラン(回復系責任者)
隊員 ブルー(有事の切り込み隊長)
隊員 イザベル(ブルーの支援)
遊撃 アンリ(道案内・食事担当)
数を可能な限り絞った陣容と言える。
季節はすでに雪解けを終えていた。雪の季節に動きにくいのは敵も同じこと。
俊也は暇なとき里帰りし、馬車改良のため様々な部品を町工場に発注していた。
ガソリン車は使いたくない。できるだけ軽く、頑丈で乗り心地がよい馬車。
そんな虫のいい理想を目指し、コツコツと馬車を改良した。
まず、フレームはカーボン。軽量かつ頑丈。文句なし。
車体に鉄板は重いので不採用。アルミニュームを使ってみる。
強度に不安はあったが、カーボンのフレームを増やし、薄い板を張り詰めたら快適。
荷台のフローリングには、朝陽お勧めのトゥルース×ーパーを敷き詰める。
超快適! そして御者席には、軽量座イスを溶接した上に、ハニカム構造の敷物。
卵を上に乗せ座っても、卵が割れないとされているやつ。
怖いので試してないが、快適は快適。
一番苦労したのは、足まわりだった。サスペンションなどの部品は、車の解体屋を回り、二台分手に入れた。
アルミホイール付きラジアルタイヤは、猫又大先生の奮闘により、細く、直径の大きな形状に変形してもらった。
幌はテントを改良したもの。
この世に二台しかない、カスタム馬車の出来上がり。
道路自体が最悪なので、決して乗り心地がいいとは言えないが、もちろん、旧来の馬車よりずっと快適だ。
ただし、超目立つ。隠密行動や戦闘には絶対不向きだ。
おいおい、子供が付いて走ってくるよ……。
「おじちゃ~ん、かっこいい! …馬車は」
「おねえさん~、僕も乗っけて!」
俊也は手綱を操るアンリを見た。はっきり言わせてもらおう!
俺の方が若い!
「ガキどもめが! 汚ない手で触ったら、おじちゃん怒っちゃうよ!」
「あ~、『おじちゃん』認めた~」
アンリが、ぼそっとつぶやく。
「アンリ、遠征中のエッチ抜きな。他の皆さん、喜んでくれると思うよ」
「おい! ガキども! このお方をどなたと心得る。
先の副将軍、ゴローコーで、ありゃせらりゅりゅじょ!」
「アンリさんや、そのブーム、とっくに終わってるから。
かむ癖、できるだけ矯正しよう」
俊也はアンリの肩を、ぽんぽんと叩いた。アンリは真っ赤になってうつむいた。
「とりあえず、御者は前を向こうか。
馬が自動運転してくれるけど、危険だと思う」
アンリは師(ブルー)を見習い、無謀なジョークに挑戦。
大失敗の結果に終わってしまった。
「あの~……」
「たまには、俊也形態もいいだろ? 今晩お相手よろしく」
俊也はアンリのほっぺにチューした。
アンリはとたんに顔をほころばせ、馬に鞭を入れようとした。
「鞭、ヤバい!」
俊也は安全のため慌てて制止した。アンリの振りあげた鞭を取り上げる。
「最初に力加減、覚えような。調子に乗った時は特に危険」
「はい……気をつくます(『つく』は発音のまま)」
最近ムキムキの仲間入りをしたアンリ。体力や力はブルーに一歩近づいている。剣技も相当上達している。
ただ口の回転だけは、以前のままだった。
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