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47 ブリリアンの覚悟
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きっちり一時間後、俊也はブルーに呼び出され、隠し部屋へ。
ブリリアンの顔を見て、さすがのハーレムキングも驚いた。
この部屋を出る前のブリリアンと、全くの別の美人が、気恥しそうにほほ笑んでいた。
「魔法? 魔法だよね? どんな魔法使ったの?」
「秘密です。俊也様には絶対教えられません」
俊也の頭の中に、猫又ナイトの声が響いた。
『顔の骨をいじって、脂肪を配置替えしたんだ。俺もできないことはないぞ。
だが、あの女、相当の魔力を持っている。
まあ、うまく化かされてやれ。
あれだけ変えるのは、ひどく痛かったはずだ。
自分でやるなら、睡眠や麻酔の魔法は使えない。
もう眠いぞ。なんとかしろ!』
俊也に猛烈な眠気が襲ってきた。今日は運動したし骨折もした。酒も少々過ぎたみたいだ。
おやすみ……。俊也は粗末なベッドに、倒れるようにして熟睡してしまった。
今度はブリリアンが驚いた。黒猫が突然現れた! 俊也さんはどこ?
「これが俊也さんの秘密の一部です。
この分では朝まで起きませんね。
目が覚めたら鼻を、その猫の鼻にくっつけて下さい。
お楽しみな状況が待ってますよ。
今晩は主人を預けます。起こしたら可哀そうですから。
では」
イザベルはそう言って、いたずらっぽく笑うブルーを促した。
今晩は一部屋空けてもらうことになっている。二人はダブルベッドが備えられた、隣のメイクラブ専用部屋へ移った。
ブルーは、メイクラブ専用部屋のドアを開けた。
「わ~お! いかにもチープなベッド!」
ブルーが飛び込む気配を見せた。
「ダメ! ベッド、壊しちゃうよ!」
イザベルが慌ててブルーの腹に両腕を回し、器物破壊は事前に制止された。
「う~……。つい自分のパワー、忘れちゃう。
どうしてこうなったんだろ?」
ブルーはシュンとしてうなだれた。
「決まってるじゃない。レジさんに抱かれたから」
「それはそうなんだけどさ…、イザベル、後悔してる?」
ブルーは、真顔になって聞く。
「全然…とは言えないけど、それほど?」
「だよね……。他の巫女みたいに、かわいい女の子エッチ、した方が俊也さんは悦ぶ。
そう思わない?」
「俊也さんはね。レジさんは結構楽しんでると思うよ」
イザベルは、昨夜のVS俊也エッチを思い出しながら答えた。
レジエッチをもっぱらとする、自分とブルーは、夢中になったら、いわばバーサク状態になるのではないかと、彼女は分析している。
青あざと噛み痕を残すだけで、俊也の被害はとりとめられたが。
『あ~ん、いいよ! もっと、もっとつよくぅ~!』
イザベルとブルーは、目を合わせた。気づいたら隣室の声が丸聞こえ。注意したらベッドの軋み音さえも。
だよね……。それ専の部屋なのだから、やることは決まっている。
「あのさ……」
ブルーが、物欲しげな目でイザベルを見つめる。
「たしか、今夜がローテだった?
ご無沙汰なんだね。私でよければ……」
イザベルは、少し頬を染めて答えた。
グワッシ! そっとハグしあう予定の二人は、がっちりと組み合った。
筋肉少女二人の百合エッチは、格闘系の絡み合いとなった。
幸いなことに、器物破壊はまぬかれたが、びっくりした隣室のおねえさんとお客が、裸のまま部屋を飛び出したこと、蛇足ながら付記する。
ブリリアンは熟睡する黒猫を抱き上げた。
あったか~い!
もふもふ~!
ブリリアンが、長年忘れていた感覚だった。
他の生き物の温み。
彼女にとって、他の人間は常に脅威だった。力のない野生動物のように。
彼女には、うまい肉に勝る特殊能力があるから余計に。
彼女にペットを飼う余裕はなかった。
高価な魔石や宝石を売る彼女は、いつか必ず噂になり、定住はかなわなかった。
ブリリアンがカントに流れてきた一年半前。娼館も営んでいるとは知らず、この店で食事を摂った。
半分娼館だと気づいて、彼女の心は揺れた。
魔石や宝石でたつきを得るより、娼婦として働いた方が楽かもしれない。
その思いは、この店で働く娼婦や男娼たちの陽気さに後押しされた。
他の町の娼婦や男娼たちには、必ず陰があった。疲れて、あきらめきったような虚無感。
ブリリアンは用心深い。何度かこの店に食事で通った。
この店は、例外的な娼館であることに確信が持てた。
慈善事業とは言えないが、利益半分度外視で、アンの両親は、この店を営んでいる。
そのことに気づいた。
そこでイブに相談した。自分はこの店で働けるだろうかと。
イブはこう答えた。
「他に生きる道があるなら、やめておきなさい。
体を売るのは最終手段よ。
いつまでもできる仕事ではないし」
その言葉で、ブリリアンは、この店の夫婦を半分信用できた。
ある程度自分の秘密を明かし、下働きを代償として、たまに休ませてもらう。
夫婦はある意味身勝手なその願いを、快く受けてくれた。
収納に使っていたこの奥の部屋に、格安家賃でベッドを入れることも許可してくれた。
魔石と宝石の採集効率があるので、定住はできないが、町に鉱物を下ろすとき、必ず数日この店に泊った。
ブリリアンにとって、この隠し部屋だけは、安心して眠れる場所だった。
ブリリアンは、下着だけになって、ベッドの黒猫を抱きしめた。
お楽しみって、俊也さんに変身することだよね?
猫になったとき、服は全部脱げたから……。
多分、そういうこと、だよね?
体を張ってこの人にすがりつく!
ワクワクが止まらないブリリアンだった。
ブリリアンの顔を見て、さすがのハーレムキングも驚いた。
この部屋を出る前のブリリアンと、全くの別の美人が、気恥しそうにほほ笑んでいた。
「魔法? 魔法だよね? どんな魔法使ったの?」
「秘密です。俊也様には絶対教えられません」
俊也の頭の中に、猫又ナイトの声が響いた。
『顔の骨をいじって、脂肪を配置替えしたんだ。俺もできないことはないぞ。
だが、あの女、相当の魔力を持っている。
まあ、うまく化かされてやれ。
あれだけ変えるのは、ひどく痛かったはずだ。
自分でやるなら、睡眠や麻酔の魔法は使えない。
もう眠いぞ。なんとかしろ!』
俊也に猛烈な眠気が襲ってきた。今日は運動したし骨折もした。酒も少々過ぎたみたいだ。
おやすみ……。俊也は粗末なベッドに、倒れるようにして熟睡してしまった。
今度はブリリアンが驚いた。黒猫が突然現れた! 俊也さんはどこ?
「これが俊也さんの秘密の一部です。
この分では朝まで起きませんね。
目が覚めたら鼻を、その猫の鼻にくっつけて下さい。
お楽しみな状況が待ってますよ。
今晩は主人を預けます。起こしたら可哀そうですから。
では」
イザベルはそう言って、いたずらっぽく笑うブルーを促した。
今晩は一部屋空けてもらうことになっている。二人はダブルベッドが備えられた、隣のメイクラブ専用部屋へ移った。
ブルーは、メイクラブ専用部屋のドアを開けた。
「わ~お! いかにもチープなベッド!」
ブルーが飛び込む気配を見せた。
「ダメ! ベッド、壊しちゃうよ!」
イザベルが慌ててブルーの腹に両腕を回し、器物破壊は事前に制止された。
「う~……。つい自分のパワー、忘れちゃう。
どうしてこうなったんだろ?」
ブルーはシュンとしてうなだれた。
「決まってるじゃない。レジさんに抱かれたから」
「それはそうなんだけどさ…、イザベル、後悔してる?」
ブルーは、真顔になって聞く。
「全然…とは言えないけど、それほど?」
「だよね……。他の巫女みたいに、かわいい女の子エッチ、した方が俊也さんは悦ぶ。
そう思わない?」
「俊也さんはね。レジさんは結構楽しんでると思うよ」
イザベルは、昨夜のVS俊也エッチを思い出しながら答えた。
レジエッチをもっぱらとする、自分とブルーは、夢中になったら、いわばバーサク状態になるのではないかと、彼女は分析している。
青あざと噛み痕を残すだけで、俊也の被害はとりとめられたが。
『あ~ん、いいよ! もっと、もっとつよくぅ~!』
イザベルとブルーは、目を合わせた。気づいたら隣室の声が丸聞こえ。注意したらベッドの軋み音さえも。
だよね……。それ専の部屋なのだから、やることは決まっている。
「あのさ……」
ブルーが、物欲しげな目でイザベルを見つめる。
「たしか、今夜がローテだった?
ご無沙汰なんだね。私でよければ……」
イザベルは、少し頬を染めて答えた。
グワッシ! そっとハグしあう予定の二人は、がっちりと組み合った。
筋肉少女二人の百合エッチは、格闘系の絡み合いとなった。
幸いなことに、器物破壊はまぬかれたが、びっくりした隣室のおねえさんとお客が、裸のまま部屋を飛び出したこと、蛇足ながら付記する。
ブリリアンは熟睡する黒猫を抱き上げた。
あったか~い!
もふもふ~!
ブリリアンが、長年忘れていた感覚だった。
他の生き物の温み。
彼女にとって、他の人間は常に脅威だった。力のない野生動物のように。
彼女には、うまい肉に勝る特殊能力があるから余計に。
彼女にペットを飼う余裕はなかった。
高価な魔石や宝石を売る彼女は、いつか必ず噂になり、定住はかなわなかった。
ブリリアンがカントに流れてきた一年半前。娼館も営んでいるとは知らず、この店で食事を摂った。
半分娼館だと気づいて、彼女の心は揺れた。
魔石や宝石でたつきを得るより、娼婦として働いた方が楽かもしれない。
その思いは、この店で働く娼婦や男娼たちの陽気さに後押しされた。
他の町の娼婦や男娼たちには、必ず陰があった。疲れて、あきらめきったような虚無感。
ブリリアンは用心深い。何度かこの店に食事で通った。
この店は、例外的な娼館であることに確信が持てた。
慈善事業とは言えないが、利益半分度外視で、アンの両親は、この店を営んでいる。
そのことに気づいた。
そこでイブに相談した。自分はこの店で働けるだろうかと。
イブはこう答えた。
「他に生きる道があるなら、やめておきなさい。
体を売るのは最終手段よ。
いつまでもできる仕事ではないし」
その言葉で、ブリリアンは、この店の夫婦を半分信用できた。
ある程度自分の秘密を明かし、下働きを代償として、たまに休ませてもらう。
夫婦はある意味身勝手なその願いを、快く受けてくれた。
収納に使っていたこの奥の部屋に、格安家賃でベッドを入れることも許可してくれた。
魔石と宝石の採集効率があるので、定住はできないが、町に鉱物を下ろすとき、必ず数日この店に泊った。
ブリリアンにとって、この隠し部屋だけは、安心して眠れる場所だった。
ブリリアンは、下着だけになって、ベッドの黒猫を抱きしめた。
お楽しみって、俊也さんに変身することだよね?
猫になったとき、服は全部脱げたから……。
多分、そういうこと、だよね?
体を張ってこの人にすがりつく!
ワクワクが止まらないブリリアンだった。
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