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33 ミッションインポ、ッシブル

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 俊也が試練の買い物二連戦を無事終え、宿に帰還したところ。

「俊也、ちょっと困ったことになったの」
 今回は一人だけ、日本に転移しなかったルラが、眉をひそめて言う。

ルラは猫又ナイトを抱き上げ、鼻ツン。マッパの俊也に変身。

「どうしたの?」
 俊也は用意のパンツをはきながら聞く。大勢の目の前でパンツをはくなんて、いまだに気まずい。
みんな遠慮なくガン見してるし。

「ローランがこの宿の娘さん、治したの。
昨日チェックインしたとき、悪い咳をしてたから、気になってたそうなの。
肺の病気だったみたい。
それはいいんだけど、ローランほどの治癒魔導師、そうそういないわけ。宿のおかみさんが広報しちゃったみたい。
一時間もたたないうちに、五人の病人が集まっちゃったの」

 俊也は、こちらで買い求めたズボンをはいたところで聞く。
「そういえば、ローランは?」
 ローランの姿が見えないことに気づいたのだ。

「隣の部屋で休んでる。ローラン、お人よしだから、みんなに連続して治癒魔法をかけたの」

「それで?」

「俊也は知らないだろうけど、あなたたちの治癒魔法と違って、すっごく体力使うの」

「つまり、ダウンしちゃった?」
 ルラは憂い顔でうなずく。あちらの世界での買い物、大はしゃぎだったし、転移も初体験だった。
しかも慣れない旅の途中。気づかないうちに心身の疲労が、たまっていたのかもしれない。 

「具合、そんなに悪いの?」
 俊也は困惑して聞く。こちらの治癒魔法と、猫又式治癒魔法は、かなり違っているようだ。
ルラを治した時も、あの町娘の傷を治した時も、大きな疲労は感じなかった。

町娘はかなりの重傷だったので、二時間かけてなめまく…治療を続けたのだが。

ムサイおっさん三人の治療を、俊也が拒んだ理由、なんとなくお分かりいただけたかと思う。

「半日も寝ていれば、大丈夫だと思うんだけど、無理はさせられない。
代官にまでローランの噂が聞こえたらしい。
さっき使者が訪ねてきて……」

「えっらそうに、明日代官屋敷に出頭しろ、だって! 
ルラさん、どうして追い返さなかったんですか!」
 ブルーが憤りを隠さず言う。

「俊也が、できるだけ目立たないように、と言ったから。
私もそう思う。
代官ともめたら、さすがに目立つでしょ?」
ルラは上目遣いで俊也をうかがう。

かわゆい! 頼られてますね、俺!
 
「よっし! 俺が引き受けよう!」
 ルラの頼り切った、すがるような目に、抵抗できる俊也ではなかった。

「ほんとに! 私たちの中にも、治癒魔法使える者もいるけど、本格治療では患部に触る必要があるから。
痔を治すなんて、やっぱりいやだし」

「なん…だと?」
 俊也は絶望の淵に立たされた。俊也はなめる方法しか、癒し技を知らない。

「ナイト、お前……」

『戦闘形態に変身したら、なめなくても大丈夫だと思うぞ』

「マジで! って、エッチするしか変身できないんだろ!」

『どういった加減なんだろうな? 
あちらの世界では、ピンチになったら変身できたんだが』
 脳内会議、終わり。

どうしよう?


「あの~、一つ聞いていい? 患者さんの性別は?」

「代官の奥さんだって。俊也なら大丈夫でしょ?」
 ルラは苦笑を浮かべて言う。エッチのとき、俊也はどこでもなめてくれるし。

 とりあえず、俊也は最悪の状況が避けられた。おっさんの痔なんて、死んでもなめない!



 翌日、俊也はフラワーとブルーを伴い、代官屋敷を訪ねた。フラワーは、代官の奥方が俊也のスケベ心を、そそらないタイプであることに備えて、俊也が頼み込んだのだ。

いざとなったら病室を立ち入り禁止にし、フラワーにお相手を頼んで、猫又2に変身する。

フラワーなら、確実に患者を眠らせることが可能だ。

あの町娘のときも、フラワーが眠らせている間に、「完璧」な治療がほどこせた。後でフラワーから、ひどく冷たい目で見られたが。

ブルーは、代官とトラブルが生じた場合の用心棒。代官屋敷で攻撃魔法を使うのは、さすがにはばかられる。

患者は女性だ。同性の助手が二人ついていたら、代官側も安心できるだろうということもある。


俊也は代官と対面。小太りのオヤジは、目に険がある。官僚というより、マフィアの小ボス、という感じ。
大物感はまるでないが、善人顔とは程遠い。

「私はローランの師である。素人は知らないかもしれないが、治癒魔法は体力が必要だ。
ローランは昨日連続して治癒魔法を使ったため、まだすぐれない」
 俊也は意識的にタカビーを演出した。もちろん、相手が不満を見せるようなら、これ幸いと帰らせていただく。

「男か……」
 マフィアの小ボスオヤジが、眉をひそめて俊也をにらむ。

「気が進まないなら帰る。私たちは旅の途中だ。
はっきり言おう。
大迷惑だ」
 俊也はオヤジをにらみ返す。

「代官様になんと失礼な!」
 執事と思われるやせたおっさんが、怒りをあらわに。

「フラワー、ブルー、帰るぞ」
 俊也は席を立った。

「待て! まあ、仕方ない。妻を治してくれ」
 代官は不機嫌そうな顔のまま、一応頭を下げた。

「条件がある。治療の様子は見せられない。
お主の奥さんも、他の者に見られたくないであろう。
治療する部屋は、私の助手以外立ち入り禁止だ」

「侍女が付き添っても……」

「条件がのめないなら帰る」
 俊也は再び腰を浮かせる。

「よかろう。サマンサ、この『名医殿』をミーシャの部屋へ案内しろ。
治せなかったときは、わかるな?」
 代官は、ドスを利かせて言う。

「よかろう。『この名医』を案内しろ」
 俊也はニヤリと笑って応えた。

さて、ミーシャ奥様はいかがなものか?


 俊也たちはサマンサの後についていく。なかなか立派なお尻だ。

ん? 歩き方が、少し変? 

俊也はサマンサのお尻を凝視。

見えた、見えたぞ……。

いや、そうじゃないからね! って、誰に言い訳してる……。

ひどいことになってるな。

「サマンサ、といったか。お主も痔か?」
 サマンサはぎくりとし、立ち止まった。

「奥様ほど、ひどくはありませんが……」
 サマンサは歯切れ悪く答えた。

「間違っていたらすまぬ。あの代官の性癖が原因か?」
 サマンサの肩が震えた。泣いているようだ。

「お主も立ち会え。私が治してやろう」
 二人の女性が、痔になった原因はわかった。俊也は激しく憤った。

女性を傷つけるエッチなんて、絶対間違ってる! 俺の美学に著しく反している!

俊也は決めた。状況次第によっては、あの代官、インポ…ッシブルにしてやる! 局部的に。
ナイト、やれるな?

『よかろう。任せておけ。俺もあいつ、気に食わなかった』
 俊也と猫又ナイトの、脳内会議は即終了した。



 ミーシャの部屋へ入ると、彼女はうつむきでベッドに伏せっていた。

放心したような横顔は、まずまず整っている。侍女のサマンサとタメ? 

年齢は三十半ばほどに見えるが、この世界の見た目はあてにならない。体はサマンサの方が立派だと思う。

サマンサのお尻、たまんないす! あのお尻を不適切な用途で……。

俊也は、なんだかいっそう腹が立ってきた。

「私は上級治癒魔法が施せる。その点は安心して任せてほしい。
ただし、正直に答えてもらおう。
せっかく治しても、再発すれば意味がない。
お主とサマンサは、代官の性癖で傷ついているのだな?」
 ミーシャは顔を反対側に向けた。

「はい。後ろの方がいいそうです」
 ミーシャは、消え入りそうな声で答えた。

「答えにくいだろうが、二人ともいやなのだな?」
 俊也はさらに問う。

「はい。サマンサも、いやなんでしょ? 
もしかして、私の負担を減らすため、我慢してる?」

「薬師に処方してもらった軟膏、奥様に塗るときが痛々しくて。
旦那様、欲情なさっている時、超わかりやすいでしょ? 
目つきが……」

「常人とは思えない」
 ミーシャが、冷ややかに言葉をつなげる。

 俊也は思う。やっぱりね……。


「二人に問う。代官の男性器が呪わしいか?」
 しばしの間。そして二人は、はっきり答えた。

「はい!」
 ミッション・インポ…ッシブル、決定!

「それでは治療を行う。サマンサ、お主もミーシャの隣に寝ろ。うつむきでな」

「あのう…服や下着、どうすれば?」
 ミーシャが聞く。サマンサもコクコクとうなずく。

「私は男だから、気まずいだろう? 処置に痛みを感じるかもしれない。
なので、おぬしら二人に、催眠魔法をかける。
服や下着は助手が脱がせる」

「よろしくお願いします」
 そう言って、サマンサはベッドに横たわる。

 俊也はフラワーを目で促す。

「それでは、二人とも力を抜いてください」
 フラワーは、二人の後頭部に手をあてた。

「スリープ」
 二人の体から、力が抜けた。俊也はあらためて思う。ある意味、フラワーの魔法、攻撃魔法より怖いかも……。


「俊也さん、二人のケツの穴、なめるの?」
 ブルーは、身もふたもない聞き方をする。ブルーは丸顔童顔だから、ギャップがはなはだしい。

「痛々しくて、その気になれない。
フラワー、防音結界を。
ブルー、カギを閉めて」

「了解!」
 二人は嬉々として答えた。

 フラワーは、イスにすがりついて、お尻を突き出す。俊也はフラワーのワンピをまくり上げる。

お、おお……。黒のひもパンだ! 昨日買ったやつだね! 

デパートに行ったのは、大失敗だったかもしれない。ショッピングモールの専門店を選んだ方が、よかったかも。

つまり、俊也は、女性下着のお値段をなめていた。下着といえど、九人前となったら、お財布大打撃だった。

 フラワーの、このおパンティー、多分お財布HPをかなり削っただろう。

俊也は慎重に高そうな黒パンを下ろす。ウホ! ぷりんぷりんですよ! 

ここは呼び水を……。俊也はフラワーのお尻をぺちぺちと。フラワーは心得て、足を大きく開く。

 では、では……。俊也は舌を伸ばし……。ぺろ~ん、ぺろ~ん……。
現在俊也の舌は、臨戦時、普通の長さの倍ぐらいに伸びる。下の如意棒とともに、転移ミックス現象で備わったチート能力だ。

丸めて固めれば、タンショー君のおピーピー程度の働きは、十分こなせる。いや、融通が利く分、チートな仕事が可能だ。

 ぺろぺろ…くにゅくにゅ……。

「あ、あっ…、いいよ! あ、あ、あん……」
 フラワーは、さっそく悶える。あっという間に、娘さんは洪水警報。


「あんまり時間かけられないから。ごめんね」
 俊也はフラワーの腰を、両手で支える。インスタント前戯だったが、侵入は十分可能と判断した。

「いれるよ」

「うん! きて~~! はうっ!」
 フラワーの防音結界を信じたい。あ、それ…ずっこん、ばっこん、ずっこん、ばっこん……。

 お、ブルーが…、ワンピの裾から手を入れて……。もうちょっと待っててね。
俊也は高速ピストン運動に移行した。



 ふ~……。俊也はフラワーとブルーの壺に、一発ずつ発射。

ボフン。謎煙りとともに、猫又ナイト2推参! ぐったりとしたフラワーとブルーに、清浄避妊魔法を施す。

熟睡するミーシャとサマンサのお尻を見る。猫又ナイト2は、俊也以上に優れた透視能力を持っている。

ミーシャは、脱肛レベルだな……。サマンサはひどい切れ痔、といったところか……。

完全にDVだ。いよいよあの代官、許せない!

「癒えよ、コーモン!」
ナイト2が唱えると、二人のお尻に光が降り注ぐ。

「ついでだ。括約筋、強化!」
 再び、二人のお尻に光が。

「ナイト2様、カツヤクキン強化とは?」
 先に天国から帰ったフラワーが聞く。

「括約筋はコーモンとコーマンを、締める働きをする。
コーモンに入れたら……。
うん……。ぞっとするな。
おやすみ」
 ボフン。ナイト2は、ただ猫に還って丸くなった。


ちなみに、その夜、ミッションインポ…ッシブルは、猫又ナイトによって、粛々と遂行された。

 それで、括約筋強化の意味は?

 もちろん、指でのおいたを、たしなめるためです! インポッシブルになっても、性欲自体がなくなるわけで、ありませんから。
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