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94 魔法が使えない魔法少女
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ボンビー村の全員が、広場に集められた。
「あなたたちは、なんの罪もない人々を何十人も殺し、財貨を奪って生きてきました。
その罪は決して許すことはできません」
キキョウは冷厳な声で言った。
「本来なら、全員死刑にすべきだと思います」
村人は絶望の面持ちでうなだれる。
「ですが、この村には幼い子供たちもいます。
子どもたちに罪はありません。
そして、子供たちには、養育する大人が必要です。
そこで罪一等減じ、あなたたちに隷属の魔法をかけます。
隷属の魔法とは、問答無用で主に従属させる魔法です。
あなたたちの主が、今から降臨します。
天を見上げなさい」
キキョウの言葉に、村人は夜空を見上げる。
流れ星? まっすぐこっちへ向かってる!
ここへ落ちたらやばいんじゃないの!
「シュタ! シュピーン!
魔法少女、プリーティーラブリー見参!」
ゴスロリ少女が地上に降り立ち、プリキュ×的決めポーズをとった。
嫁一同は思わず目をそらす。
さすがケンイチ様のオートマタ。
ネーミングがハンパなくダサい。自分で勝手に変えたらしいけど。
プリティーとラブリー、ほぼかぶってますよ。
キキョウは気を取り直し、村人たちの頭上に魔法陣を描く。
「汝ら罪人たちよ。
汝らのすべては、主プリティーラブリーの支配下に置かれる。
隷属せよ!」
キキョウは詠唱する。
すべての村人の頭に、黒い輪が巻かれた。その輪から黒い糸が伸び、プリティーラブリーの手に集まり、そして糸と輪は消えた。
「主従の契約が結ばれた。拘束、解除」
村人たちを縛っていたロープがほどけた。
「そこのお前、お前が首謀者だと証言では一致した。
プリーティーラブリーを襲え」
キキョウは一番前で、ひざまずく男にそう言った。
男は恐る恐る立ち上がり、プリラブ(めんどくさいので勝手に省略)の前で、こぶしを固めた。
「いや~ん、怖い!
天に代わっておしおきよ!」
プリラブは、どこかで聞いたようなセリフを言う。
「うわ~~~~!」
男は頭を押さえ七転八倒。
「少しでも逆らったらこうなります。
念のためにプリティーラブリーちゃん、あなたの実力、見せてあげなさい」
「ラジャー!」
プリラブは、どこからか重機関銃二丁を取り出す。
ドドドドド……。
森に向け、重機関銃を乱射。
「ストップ! 森がめちゃくちゃになります!」
キキョウは慌てて止めた。
「え~! バルカン砲は?
レーザー銃は射程が長すぎて、さすがにヤバいと思うけど。
トマホークミサイル、一度撃ってみたい。ダメかな?」
「ダメです!
魔法少女のキャラ設定、どうなったんですか!」
キキョウは思わず声を荒げてしまった。
「怖っ! さすがケーン様の正妻。
私、魔法なんて使えません。
武器なら宙船(そらぶね)の波動砲程度まで使えます。
えっへん!」
キキョウと嫁一同は思う。
こいつに任せて大丈夫なのだろうか?
ちなみに、忘れられていた首謀者は、デモンストレーションの間、失神もできず、うめきながら転げまわっていた。
キキョウは、プリラブに、武器使用を厳しく禁じ、ピコピコハンマーだけを認めた。
「今ガン飛ばしたな!」
ドスッ! ガスッ!
グワッ!
プリラブは、たまたま目が合った村人Aに、ピコピコハンマーで二撃。
やっぱり……。ピコピコハンマーでも、プリラブには立派な凶器となる。ケーン様が作ったピコピコハンマーだ。きっと不壊の付与がかかっている。
あれは、ドスッガスッハンマーと呼ぶべきだ。
でも、仕方ないだろう。初めが肝心。
キキョウは頭から血しぶきを飛ばす村人Aに、中級ポーションをぶっかける。
大人男性の村人たちは、現在プリラブがもたらした荒廃した森林の後片付け。
「こら~! 手を休めたらお仕置きよ!」
ドスッ! ガスッ!
やっぱりドスッガスッハンマーだ。
「は~……。プリティーラブリーちゃん、もう少し手心を加えて。
ピコピコと音がする感じで」
キキョウはため息をつき、村人Bに中級ポーションぶっかけ。
「どうやれば?」
「貸して」
キキョウはプリラブから、ピコピコハンマーを受け取る。
ピコーン! パコーン!
呆然として、仲間の惨状を見ていた村人Cに悲劇が。
「なるほど!
気持ちいい音ですね。
返してください!」
プリラブは、キキョウからピコーン、パコーンハンマーを受け取る。
ビコーン! バコーン!
ポーション、もっと準備しなくちゃ。キキョウは、そう思うのだった。
村人たちは、いっそ死刑になった方が、ましかもしれないと思った。
「あなたたちは、なんの罪もない人々を何十人も殺し、財貨を奪って生きてきました。
その罪は決して許すことはできません」
キキョウは冷厳な声で言った。
「本来なら、全員死刑にすべきだと思います」
村人は絶望の面持ちでうなだれる。
「ですが、この村には幼い子供たちもいます。
子どもたちに罪はありません。
そして、子供たちには、養育する大人が必要です。
そこで罪一等減じ、あなたたちに隷属の魔法をかけます。
隷属の魔法とは、問答無用で主に従属させる魔法です。
あなたたちの主が、今から降臨します。
天を見上げなさい」
キキョウの言葉に、村人は夜空を見上げる。
流れ星? まっすぐこっちへ向かってる!
ここへ落ちたらやばいんじゃないの!
「シュタ! シュピーン!
魔法少女、プリーティーラブリー見参!」
ゴスロリ少女が地上に降り立ち、プリキュ×的決めポーズをとった。
嫁一同は思わず目をそらす。
さすがケンイチ様のオートマタ。
ネーミングがハンパなくダサい。自分で勝手に変えたらしいけど。
プリティーとラブリー、ほぼかぶってますよ。
キキョウは気を取り直し、村人たちの頭上に魔法陣を描く。
「汝ら罪人たちよ。
汝らのすべては、主プリティーラブリーの支配下に置かれる。
隷属せよ!」
キキョウは詠唱する。
すべての村人の頭に、黒い輪が巻かれた。その輪から黒い糸が伸び、プリティーラブリーの手に集まり、そして糸と輪は消えた。
「主従の契約が結ばれた。拘束、解除」
村人たちを縛っていたロープがほどけた。
「そこのお前、お前が首謀者だと証言では一致した。
プリーティーラブリーを襲え」
キキョウは一番前で、ひざまずく男にそう言った。
男は恐る恐る立ち上がり、プリラブ(めんどくさいので勝手に省略)の前で、こぶしを固めた。
「いや~ん、怖い!
天に代わっておしおきよ!」
プリラブは、どこかで聞いたようなセリフを言う。
「うわ~~~~!」
男は頭を押さえ七転八倒。
「少しでも逆らったらこうなります。
念のためにプリティーラブリーちゃん、あなたの実力、見せてあげなさい」
「ラジャー!」
プリラブは、どこからか重機関銃二丁を取り出す。
ドドドドド……。
森に向け、重機関銃を乱射。
「ストップ! 森がめちゃくちゃになります!」
キキョウは慌てて止めた。
「え~! バルカン砲は?
レーザー銃は射程が長すぎて、さすがにヤバいと思うけど。
トマホークミサイル、一度撃ってみたい。ダメかな?」
「ダメです!
魔法少女のキャラ設定、どうなったんですか!」
キキョウは思わず声を荒げてしまった。
「怖っ! さすがケーン様の正妻。
私、魔法なんて使えません。
武器なら宙船(そらぶね)の波動砲程度まで使えます。
えっへん!」
キキョウと嫁一同は思う。
こいつに任せて大丈夫なのだろうか?
ちなみに、忘れられていた首謀者は、デモンストレーションの間、失神もできず、うめきながら転げまわっていた。
キキョウは、プリラブに、武器使用を厳しく禁じ、ピコピコハンマーだけを認めた。
「今ガン飛ばしたな!」
ドスッ! ガスッ!
グワッ!
プリラブは、たまたま目が合った村人Aに、ピコピコハンマーで二撃。
やっぱり……。ピコピコハンマーでも、プリラブには立派な凶器となる。ケーン様が作ったピコピコハンマーだ。きっと不壊の付与がかかっている。
あれは、ドスッガスッハンマーと呼ぶべきだ。
でも、仕方ないだろう。初めが肝心。
キキョウは頭から血しぶきを飛ばす村人Aに、中級ポーションをぶっかける。
大人男性の村人たちは、現在プリラブがもたらした荒廃した森林の後片付け。
「こら~! 手を休めたらお仕置きよ!」
ドスッ! ガスッ!
やっぱりドスッガスッハンマーだ。
「は~……。プリティーラブリーちゃん、もう少し手心を加えて。
ピコピコと音がする感じで」
キキョウはため息をつき、村人Bに中級ポーションぶっかけ。
「どうやれば?」
「貸して」
キキョウはプリラブから、ピコピコハンマーを受け取る。
ピコーン! パコーン!
呆然として、仲間の惨状を見ていた村人Cに悲劇が。
「なるほど!
気持ちいい音ですね。
返してください!」
プリラブは、キキョウからピコーン、パコーンハンマーを受け取る。
ビコーン! バコーン!
ポーション、もっと準備しなくちゃ。キキョウは、そう思うのだった。
村人たちは、いっそ死刑になった方が、ましかもしれないと思った。
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